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Smart-IP社 創業記 その1 ~Smart-IP社を作った理由~


Smart-IP社設立

2022年3月、新しく会社を作った。名前はSmart-IP株式会社。社名は一人で決めた。
会社を作るのはこれで何回目だろう。知財業界の中に限っていえば、会社設立の回数はダントツで多いかもしれない。少なくとも弁理士としては一番だろうか。ただ、回数なんて、何も自慢にならない。そんなことよりも、1社でもいいから、社会にとって、意味があることをやる。そして、自分(達)にしかできないことをやる。それを大事にしたいと思っている。

知財業界でやりたかった2つのこと

僕自身、知財業界でやりたかったことは大きく2つある。みんなから見れば小さいことに思えるかもしれないけど、人生をかけて取り組みたいと思っていることだ。1つが、IT分野での知財業務を極めて、グローバルレベルでサービスを提供できる特許事務所を作ること。もう1つが、知財業務のDX化だ。

前者は、IT分野に特化した弁理士法人を作ることで、国内はそこそこ順調にやってきた(気はしている)。でも、海外はまだまだこれから。そこで、海外進出の足掛かりになる会社を作った。これから本格化させていくぞ!海外進出プロジェクトだ!キックオフミーティングするぞ!と息巻いていた矢先に、コロナがやってきた。

今思えば、コロナがあってもできることはあったのだろうが、出鼻をくじかれたというのが正直なところだ。結局、海外進出は一時中断。コロナにより知財業界がどうなるかも見通しがわからなかった時期でもあり、まずは足元を固めよう、ということになった。

2021年の11月か12月の初旬くらいだろうか。「コロナ終わるまで何もできないのかなぁ」と自問自答していたところ、ふと、もう一つの目標だった「知財業務のDX化」に取り組んでみる気になった。

なぜ、「知財業務のDX化」なのか

なぜ、と問われれば、自分がIT企業の出自だからなんだろうか。でも、シンプルに考えて、効率化できる業務があるならそうするべきだし、IT化やオペレーションの見直しによって今の業務のクオリティをさらに向上させることができるならそうしたい。浮いた時間でバカンスに行くのもいいし、プロがよりプロの仕事に集中できる時間を増やすというストイックな世界も好きだ。

ITでも、SaaSでも、DXでも、呼び方は何でもいいが、僕ら知財屋は日々最先端のテクノロジーを扱っているはずだ。であるならば、僕らの業務環境も最先端にしたい。あとは、いつ誰がやるのか、というだけだったのが、「僕」が「今」やることにした。


会社設立まで

年末年始は会社にこもりっきりだった。幸い、オフィスに人が少なかったので、無限に集中できた。創業計画書や事業計画書を作ったり、ボードメンバーの人選を考えたりした。5か年計画くらいのロードマップを作ったり、開発プロダクトのモックデザインを作ったりもした。もし他の仕事が忙しかったら、とてもじゃないけど、こんなにじっくり取り組めなかったと思う。
暇であることは強みだ。ビバ暇

特に開発については、システムエンジニアリングの経験はあるものの、体系的に理解しているわけではなかった。いい機会だし、一から勉強しなおした。サッカークラブのCEOに就任した時もそうだったのだが、何か新しい分野に着手するときはそれっぽい本を買いまくって、片っ端から読むようにしている。数冊で終わることはなく、多いときは20冊とかになるのだが、今回は5冊くらい。本によってニュアンスは異なるものの、事前の要件定義もそこそこにノリで進めると、プロジェクトはだいたい終わる、思ったものは作れない、ということがわかった。
それはスマートじゃないよね」ということで、Smart-IP社では、要求定義、要件定義、UI図、画面遷移図などをすべて定義してから開発を行っている。

そんなこんなで、一人さみしくも有意義に過ごした年末年始を経て、何とか創業の準備は整った。次は、必要な仲間づくり。今のボードメンバーへの声かけをスタートしたのである。
(つづく、、、かもしれない)

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