レンジで考える【その0:プリフロ編1】

ポーカーでアクションを考える時にお互いのレンジで考える事がとても重要になってきます。今回はその超入門的な事を説明していきます。

0.combo

comboとは組み合わせという意味です。英検1級・大学院クラスの英単語のようです。難しい単語ですけど覚えましょう。

pokerでは52枚一組のトランプを使用します。
その内から二枚を選ぶのは52C2の1326通り=1326combos

AAは四枚のAから二枚を選ぶので4C2の6通り=6combos
AAが配られる確率は6/1326で=1/221

AKはAが四枚、Kが四枚あるのでそれぞれ一枚を選んで4x4=16通り
何通りあるのかを英語でcombosというそうです。
AKsは4combosでAKoは12combos

1.プリフロップ vs AK or QQ+

相手のhandを何もブロックしていない場合は
AAが6combos、KKが6combos、QQが6combos
AKsが4combos、AKoが12combos
全部で6+6+6+4+12=34combosになります。
スートの組み合わせはこのようになります。

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自分がKsKcを持っていたら相手のhandはどうなるでしょうか?
相手がKcやKsを持っている事はありません。
AAやQQは関係ないので6combosのままです。
AKsを作るにはKはhとdしかないのでAhKh、AdKdの2combosになります。
AKoも同じように考えるとKhとKdに対してAが3枚づつあるので6combosになります。
KKはKhKdの1combo
全部で21combosになります。

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AsKcを持っていた場合は?
AA,KKが3combosになります。AKoは6combos,AKsが2combos,QQが6combos
全部で20combosになります。

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QQを持っていた場合は?
AAが6combos、KKが6combos、QQが1combos
AKsが4combos、AKoが12combos。
全部で29combosになります。

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伝統の一戦 QQ vs AK

vs AK or QQ+ 同士でぶつかった時のことを考えましょう。

AKoを持っていたら相手のhandと確率は
QQ    6/20=30%     AKo  6/20=30%     AKs 2/20=10%
AA     3/20=15%      KK    3/20=15%
QQを持っていたら相手のhandと確率は
QQ    1/29=3.45%     AKo  12/29=41.37%     AKs 4/29=13.79%
AA     6/29=20.68%      KK     6/29=20.68%

相手が【AK or QQ+】で同じアクションをしてくるのであればhandが何か考えてもわかりません。相手のレンジに対して自分のhandがどうなのか考える事が重要です。プリフロップであればブロックしている情報は自分のhandのみになります。
(フロップが開いたらボードに落ちているカードも相手は持っていません。)

2.オールインにコールするhandについて考える

オールインされた時にどんなhandでコールするか?
これを考える時に一番重要な事は相手がどんなレンジでオールインをしてきているのか?(バブルファクターについては今回は触れません。)

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UTGが15bbのオールインをしてきました。BBで88を持っています。
コールしますか?降りますか?
相手の事を何も知らなければどっちでもいいボーダーラインのhandかと思います。
チップEVを考えるとequity(勝率)が1400/(1400+1750)=44.44%以上あればコールする事が期待値プラスのアクションになります。
(小さい期待値の為に大きなリスクを払うのがどうか?という話も置いておきます。)
UTGのプッシュレンジがこんな感じだとどうでしょうか?

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このレンジに対して88は44.17%しかequity(勝率)がないのでコールできません。
相手がこのレンジで同じようにオールインするのであればそれ以上の判断基準はありません。
相手には20種類のhandがあって6種類がオーバーポケットです。
でもそれぞれの頻度が違うのでcombosで考えます。

8d8cを持っている時に相手側のレンジは129combosあります。
36/129で99+
60/129でツーオーバーのオフスート
32/129でツーオーバーのスーテッド
1/129でセイムhandの88

それぞれのhandの88に対するUTG側のequityがこうなります。

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どれが出てくるのかはコールしてみないとわかりません。
この抽選の後に出てきたhandとの勝負になります。
それぞれのhandとのequityを計算すると平均して44.17%になります。

相手のレンジがこのくらいになると88は48.48%のequity(勝率)があるのでコールが出来ます。

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相手のhandが何であるのか考えてもわかりません。
相手のレンジを考えましょう。大事なことは
『相手のレンジの下限がどこにあるのか??』

3.よく聞く会話『今の何だった??』

これを聞く人に上手い人は殆どいません。
自分から見て上手いと思う人がそんなことを気にしているのを見たことも殆どありません。(世間話程度にする人はいます。)
なぜならhandが何であったか?という事には興味がないのです。
handを知る事でレンジが推測出来るという意味では興味あるのですが具体的なhandよりどの辺から入れてくるのか?の方が重要です。
こういう時にする質問は『66でも入れました?』とか『A5sは?』という質問をしましょう。だいたい『そこは入れないかなぁ』と返ってきます。
その言い方で判断して相手のレンジを推測していきましょう。

4.万能ではないがコールレンジの考え方

スタックや状況にもよりますが基本的にはプリフロップのオールインは
必要勝率40-45%くらいになっていて
相手のオールインレンジより少し狭いくらいが適正なコールレンジになる。
後ろにアクティブなプレイヤーがいればその分も狭くなる。

後ろにアクションを残していないのであれば
相手がオールインするかしないか微妙なところは降りる。
オールインしそうなhandはコールする。
くらいでやっていきながら細かい事を覚えて精度を上げていくのがいいかと思います。

相手のレンジを考える事はとても重要になります。
過去の記事combination(組み合わせ)とブロッカー
今回の記事の知識で解答が導けるので練習にやってみてください。
equityやEVについては【勝率・期待値・SPR・EQR(その0)

push or fold やオールインにコールするレンジについては
call vs push(short stacks)(日本語版)
push or fold & call & over call range
でも書いています。良かったら無料部分だけでも読んで下さい。

今回の記事は以上になります。最後まで読んでくれてありがとう。
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【ノートについて】こんな感じで他にもポーカーに関する記事を書いていますので興味ある方は読んでください。

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