1000人の脳と脳がつながったら、問題はなくなるのか?

 前職の社長が地方の問題への取り組み方についてブログを書いていた。お世話になって影響を受けた一方で、綺麗にしすぎた話にまったくピンとこない。

そもそも地方に問題があり、都会に正解があるのではなく、
地方にしか正解がない、という、当たり前で素直で素朴な事実を、私たちは少しずつ気付き始めているのだ。

 Facebookのコメントを見ていると、とっても好意的な意見が多い。みんな、地方にしか正解がないと思っているのかな。なんかしっくり来ないし、恩返しも含めて「GaiaXに2年いた私が6年間地方で働き暮らして考えたこと」を踏まえて物申してみようと思う。

「Re:地方の問題にどう立ち向かうのか」と題して、社長にi love you!のメッセージを贈りたいと思います。(長くなるので数回に分けて書いていきます)

1000人の脳と脳がつながったら、問題はなくなるのか?

「脳と脳をつなげれば世界の問題はなくなる。70億人いれば互いの顔が見えず弱い人々への想像が浮かばず格差が生まれる。でも、インターネットで全員がつながれば、互いを支い合えるようになる。」

 8年前、当時新入社員だった私たちへ社長はこのように話した。上田社長がインターネットの可能性を信じているのもよくわかる。当時の私は納得していた。ブログにもこのようにある。

ここまで、人々が分断しながら、生活していて、
ここまで、赤の他人にアドバイスやお手伝いをしない世の中で、
何が、「地方の問題」なのだろうか。
その瞬間、その地域にいる人の、脳が1つに合体し、この1000人がまるで1つの生命体のようになった時、地方にある今日時点のほとんどの問題は、たいした問題ではなくなるはずに違いない。小さな、そして、細切れの、多種多様な助け合いが、そこら中で発生するに違いない。

 地域の1000人がつながれば、「地方の問題」は解決するかって?雇用不足、人口流出、所得不足、高齢化、交通不便、空き家、医療不足、1次産業の担い手不足などの課題が解決するかって?

 これだけ多様な人がいて、意見も異なり、利害関係もこじれているなかで、なぜ1000人が繋がると解決するのだろう?何十年も地域の人たちは取り組んできて、それでも解決できていないのに、なぜネットでつながれば解決するのか?

 社長のいう論点とずれているのかもしれない。でも、人と人がつながれば課題は解決するなんて、性善説に基づきすぎている。仏のような人がいる一方で、自己中で欲深く強情でありながら不安を抱えて生きる人たちもいる。でも、どちらも人間だ。

 もし、私が暮らしている地域で1000人とつながれって言われても、絶対やりたくない。。いろいろな人が暮らしてますからね。。もちろん、知り合いになって友人になる人もいるけど、絶対付き合いたいないって人もいるでしょう。かくも地域は面倒くさい。

 でも、人は人。よい人も悪い人もどちらも愛すべき人間だ。醜さ、残酷さまで含めすべて受けとめたい。格差ある社会で上から下までそれぞれの階級にいる人たちと日常を暮らしてやっと気づいた。親鸞上人の言う悪人正機にやっと心の奥底から納得できた。

 社長、1000人つながっても問題は問題ではなくなりません。人間が愛すべき人間である限り。インターネットは状況を変えていく道具で、私はインターネットの可能性を信じています。でも、人間が人間である限り、問題は問題であり続けます。それは、地方も都市も変わらないです。


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