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ゼロコロナストラテジーのモデル

ゼロコロナストラテジーがどんな感じになるかを定性的にみるためにかなり単純化したモデルを考えてみた.感染者が見つかれば対策して抑え込み,抑え込めたら対策をやめるという時間発展.都市が複数あり,対策していない都市の数が多いほど経済的に良い.対策による抑え込みだけに注目するので集団免疫などの効果は無視している.

都市数はNと仮定。感染者数 I は指数関数的,単位時間あたりR倍で増えていく.Rは対策強度 a の減少関数。感染者数がゼロの時はR倍してもゼロ.

感染の種は確率的に海外からの流入。都市間の転移も確率的.

感染者を検査で捕捉されれば対策強度 a を上げる。新たに感染者と確認される人数は実際の感染者 I の一部.対策で経済活動が下がるけど感染者数は指数関数的に減衰(R < 1)。I はすぐには 0 には戻らない.

他の都市に転移する可能性がある. だから,都市間の転移確率を下げる対策もする.ロックダウンは転移確率を大幅に下げる手段.検査の数が少ないと、対策が間に合わず他の都市に漏れて複数の都市で対策強度を上げる必要がある。指数関数的増加なので、発見が遅れるとそうなりやすい。

また,ゼロまでしっかり押さえ込まないと経済活動再開のあと、比較的すぐに感染が増え対策のやり直し。対策強度が弱すぎると尾を引くので再開が遅れる。本当の感染者数 I は分からない.新規感染者確認数0が時間 τ だけ続けば,対策をやめて普通の生活に戻る.

こんな感じで、ゼロコロナ制御の下での全都市の経済活動の時間積分の和が最大になるように、検査頻度や対策強度や対策期間などのパラメータの最適値をシミュレーションで決められたらいいな。都市数Nが大きい極限では,パラメータを変えた時にゼロコロナから全国蔓延に変わるのでそのコストが不連続に増大する.

指数関数的な増え方 (1→2→4→8→16→32→64→128→256→512...) は最初は比較的ゆっくりだから感染者は見つけにくい.でも,そうしている間に爆発的に増える.経済活動が活発だと倍加の時間が短い.ちなみに,ゼロからスタートすると (0→0→....→0).活発な経済活動で短くなる倍加時間に関わらず(0→0→....→0).ゼロコロナと「ゼロ」を強調するのは(0→0→....→0)を利用した感染症対策だから.実際には早期発見・拡散防止・抑え込みで,感染者数ゼロに戻す制御をしっかりする必要がある.

一番単純な場合の時間発展を差分方程式で書くとこんな感じかな.(感染者数などは整数で少数以下は切り捨てる.)

ゼロコロナ



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