スクウェア「FINAL FANTASY Ⅷ」

 私がマラソン完走直前のものの一つがファイナルファンタジーシリーズ。本作のクリアをもってして、残すところは(ナンバリングでは)9、11のみとなった。
 本作のクリアは難航を極めた。実に一年以上の時間をかけて少しずつ進めることとなった。プレイ中にはFFマラソン史上FF4(ジアフター含む)以来のプレイ時間を要し、FF13-2以来のストレスが私を襲っていたかに思えた。しかし、その読後感(ゲームだが意味的にこれが近いので使わせていただく)は爽やかで、かつ「このシナリオはもっと評価されていいのでは?」と考えるようになった。

 本作のシナリオを担当する野島一成さんといえば、FFの中でも切ないシナリオで人気の10や、そのゲーム性・グラフィック・シナリオすべてが評価され、ゲームの転換点とまでいわれた7のメインシナリオライターだ。すべてをクリアしてから思うことだが、FF8のシナリオは7と10のいいところが凝縮され、悪いところも凝縮されたシナリオだったのではないかと思うようになった。

「善い奴と悪い奴がいるわけじゃない。敵と敵じゃない奴がいるだけだ」

 学園ものということもあり、登場人物はみな成熟していない人物が多い。しかし、その人物配置は巧みで、物語全体(ある種主人公パーティ全体)をもってしてその未熟さを補っている。例えば、スコールの周囲に対して刺を隠さない部分、リノアの「本気」をはき違えている部分、この2つは見事にこの2人の中で補完しあい、後に成長している。

「魔女の先輩、よろしくおねがいします」

「未来の保証なんて、誰にも出来ないよ。だから、い・ま、なの」

「ハグハグ」
「触れていたいよ、生きてるって実感したいよ」

 シナリオ的にFF8が好きになれるかどうかにはヒロインのリノアが好きになれるかどうかが大きなファクターの一つであることは間違いなかろう。純然たる可愛さと、たまに見せる強さとやさしさ、特に時にはスコールに厳しい言葉を発するところなどはツボだった。個人的にはFF10のユウナよりも好きになってしまったFFヒロインである。ある種ユウナはリノアから嫌われそうな要素と賛否が分かれそうな要素を排除した究極ヒロインと言えるかもしれない。

「あんたという娯楽がないと人生は退屈だ」

 FF8のシナリオを複雑たらしめている要素にラグナ編の存在がある。詳細は省くが、要するに過去の別人に時折意識が飛んで2人のなんらかのつながりをにおわせつつ、複線を大量生産して次のフェーズへと話が進行していく。これを頭の中で処理するのが非常に大変で、正直私自身「あれはなんだったんだろう」と思う部分も少なくない。

「ほら、よく言うだろ~? 人生には無限の可能性があるってさ~。僕はそんなの信じてないんだ。いつだって選べる道は少なかった。時には道は1本しかなかった。その、少なかった可能性の中から自分で選んだ結果が僕をここまで連れてきた。だからこそ僕はその選んだ道を……選ばなくちゃならなかった道を大切にしたい」

 本作の主人公パーティの中で、スコールとリノアの次に物語的重要なファクターはと言われれば、私はアーヴァインを挙げよう。ネタバレは避けるが、ほかのメンバーとは少し変わった事情を持つ彼だからこその台詞にこもる説得力や熱量を感じられ、非常に好感が持てるキャラクターだった(私のキャラ編成的に全く戦闘では使わなかったが……)。

「遠い将来の話は…… わたしもパス。よくわからないの。今は…………こうしてたいな」

 もうひとつ。巷で噂のアルティミシア=XXX(一応伏せます、ググれば一瞬で出ると思うので)説。まあ喧々諤々、みんなFF好きねえという感じの議論が交わされていて、ネットを泳ぐのが楽しい楽しい。これについて私としては「そうだったらオモシロいからそう思っとこう」くらいのスタンスですね。そもそも、一つの作品が世に出た時点でそれは受け取った全員のもので、答えなんて無限に存在するわけで。ただ、みんなの考察が面白いのでぜひぜひ調べてみてほしい(みんなすごいよなあ、あんなに読解してて)。

「私のことが……好きにな~る、好きにな~る ダメ?」

 システムのことだけはちょっとね、私ね、ダメでした……
 天国・地獄に一番近い島でひたすらアルテマを拾って、ライオンハートは作って、スコール連続剣単騎突破のみでエンディングまで駆け抜けました。ジャンクションシステムを楽しむことはできなかった……あれ、やりこめば楽しくなるのかな?
 んー、ただジャンクションの関係でどうしても使うキャラが固定化されちゃうのはもったいないなあと。せっかくみんな魅力的なのに。

 と、一年以上の長旅だったFF8はかなり満足した。むしろ、もっと評価されてほしいと思った。実際、自分がプレイしているとき「このシステムきっついなあ」と思うことしばしばだったので、手放しに「みんなやってよ!」と言えないが、読後感はかなりよく、個人的に好きなFFとしては上位に入る。

eyes on me最高! 聴いた瞬間涙腺が緩むぜ!

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コンテンツインプット記録用(レビューではなく個人的なメモです)編集/シナリオライター/ライターhttps://ryoworks.wordpress.com/