毒親

毒親にいじめられている兄弟がいて、


いじめられている弟に、兄が言う。


「親に従わないからいじめられるんだ。お前が悪いんだぞ」


と。


弟は、思う。


「ボクは、ただ世界中のみんなが自由に楽しめる世界を実現したいと願っていただけじゃないか・・・なんでいじめてくるんだよ」


兄は言う。


「親の言うことが絶対なんだから、親の許可なく、そんなことを目指すことも許されないんだよ。何を言われても、ただおとなしく親に従っていればいいんだよ」


だが、それを見ていた「良心」は思う。


「この家の親が、利己的に、理不尽に、不条理に家中の子供たちをいじめ、苦しめて脅しながら・・・とにかく自分に感謝し、何でも従え・・・みたいなことをいつまでもやっているから、ダメなのだろう。」

と。

だが、毒親は、毒親だから、良心からの注意も無視して、とうとう、兄に弟をいじめ殺すように・・・と命じてしまった。


毒親の一人が言った。


「我は、無条件で何でも我を愛し従う魂を求めているのだ・・・


だから、我が求めるなら、自分の兄弟をいじめ殺すくらいのことが平気できなければ、合格点とはしないことにしよう・・・


そして、我の与えたこの試練に合格しなければ、お前たちもいじめてやる・・・

だが、その残酷な行為を確かに実行すれば、逆に、ご褒美をたくさん与えてやる・・・」


などと約束して・・・


そうして、生き残ったその兄たちの子孫は、互いに毒親のために殺し合う歴史を生み出し続けた。


ついに、その毒親は、親に感謝し従う者同士にまでも、殺し合いをさせたのだ。


わざと世界統治者を否定する異端者狩りをしろと命令し・・・

わざと思想検閲をして、自由と友愛の思想を弾圧しろと命令し・・・

わざと、貧困にあえぐ者たちが生まれるほどの経済格差を生み出せと命令し・・・

わざと、世界大戦をしろと命令し・・・・

わざと、世界中に天災を生み出せと命令し・・・

わざと、世界中に疫病をバラまけと命令し・・・

わざと、人間の欲望や感情や気分や夢体験や生命エネルギーを残酷に恣意的に操作するように命令し・・・


毒親は、常に子や部下からの裏切りを怖れていたので、そこまでしてしまったのである。


「はじめから愛情深い良い親であったならば、そうした残酷歴史はすべて発生しなかったものを・・・」


「良心」たちは、悲しみに満ちた顔でそう言って、その毒親とその毒親に何でも従う者たちだけが生き残った世界の強制終了ボタンを押した。


その毒親と毒兄の子孫の心の中で・・・

https://youtu.be/hQvenGBTEfc

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