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2020年NHK大河ドラマ『麒麟がくる』あらすじ&感想(第40回「松永久秀の平蜘蛛(ひらぐも)」)

■あらすじ

大坂本願寺攻めの最前線から、突如、松永久秀(吉田鋼太郎)が逃亡をはかり、織田方に衝撃を与える。伊呂波太夫(尾野真千子)の導きで松永と会い、なぜいま離反するのか問いただす光秀(長谷川博己)。筒井順慶(駿河太郎)に大和の守護の座を与える信長(染谷将太)の、家筋を重んじる態度が許せないという松永は、自分に大和を任せる本願寺側につくと明言する。

■トリセツ

松永久秀、信長を裏切る。

天正5年夏、松永久秀は織田軍を離反。同年秋、松永は信貴山城(しぎさんじょう)に立て籠もり、大坂本願寺や上杉謙信らに呼応し<反信長の戦い>に加わりました。これに対し信長は、嫡男・信忠を総大将とする大軍を大和に送り込みました。織田勢の10日にわたる猛攻を受けた松永は絶望的な籠城戦を強いられ、10月10日、信貴山城が落城。松永久秀は、城とともに焼滅。70歳の生涯を閉じました。

信長が欲しがった、松永の「平蜘蛛」とは?

松永が所有する天下一の名物とうたわれる『平蜘蛛』を、信長がことのほか欲しがっています。
正式名称は『古天明平蜘蛛(こてんみょうひらぐも)』。低く平らな形状が、蜘蛛がはいつくばっている形に見えることが、名前の由来といわれています。
このころの武将にとって、茶の湯は欠かせない教養の一つでした。また、名物茶器を所有することが、権力者であり文化人でもあるというアピールになり、持っていない者は権力者ではあっても文化的とはみなされませんでした。
中でも信長には、「天下の名物は天下人のもとにあるべきだと」いう考えがあり、降伏する武将が名物茶器を持っていれば、命の代償として献上させていたともいわれています。
信長は、天下一の名物とうたわれる『古天明平蜘蛛』は松永ではなく、自ら所有するのにふさわしいと考えていたのかもしれません。

■大河紀行 奈良県平群町・王寺町

大和と河内の国境に位置する奈良県平群町(へぐりちょう)。信貴山(しぎさん)には、聖徳太子が建立した朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)があり、毘沙門天を祭るこの地は、武士たちのあつい信仰を集めていました。
大和を掌握した松永久秀は、信貴山城を軍事拠点とし、大改修を行いました。久秀の屋敷があったと伝わるこの地には、大規模な曲輪(くるわ)の跡が残されています。
織田信長に抵抗した久秀は、この地で応戦。この戦いで、朝護孫子寺は焼け落ちたといいます。
奈良県王寺町。自害に追い込まれた久秀の亡骸(なきがら)は宿敵・筒井順慶によって、達磨(だるま)寺に葬られたと寺に伝えられています。
三好氏の家臣から一国の主(あるじ)へと上り詰め、はかなく散った松永久秀。その生涯は、まさに戦国武将を代表するものでした。



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