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短歌で12ヶ月を詠む #素敵な日本語で言葉遊び「その色で世界を唄う」


私、完全にハマってしまいました。短歌に。

火をつけたのはあゆみさん。

#突然の短歌  と題して時々Twitterの方でも載せていらっしゃいます。

元々私は、小学生の時に百人一首同好会に入って百首全部覚え、高校生と対戦して勝ったり、俵万智さんの『サラダ記念日』をすぐに買って読んだり。短歌が好きだったはずなんです。だけど、いつの間にか日々の忙しさにかまけて忘れてしまった。

今回、あゆみさんがその面白さを再認識させてくださいました。

そして表題の百瀬七海さんの企画。#素敵な日本語で言葉遊び の第2弾「その色で世界を唄う」。

たくさんの色がある中で。

その色をひとつ選んで、そこから繰り広げる、わずか5・7・5・7・7の世界。
その短い世界で、ココロを唄ってみませんか?

これに飛びつきましたよ、私。

私の一番好きな色のひとつである【 白 】をテーマに2首作りました。それがこちら。


【 白 】

祭壇に溢れるほどの百合の花 ありし日偲ぶ手を合わせつつ


【 白 】 

『寒くない?』たずねる私の手を握り 黙って入れるポケットの中


好きな白で2首作ったところで他の色も作ってみたくなり、どうせなら1月から12月まで、それぞれの月から連想するものの色に合わせて短歌を作ろうと思いたちました。
あくまでもこれは私が連想するものです。

それではいってみましょう。


1月 千両 【 赤 】

かじかんだその指先の赤い実に 新たな年の始まりを知る

1月と言えばお正月。私は生け花を少々やるのですが、お正月の生け花には千両が欠かせません。松、白と黄の菊、それに千両があればもうお正月の生け花です。なので、真っ先に千両を思い浮かべました。

初詣に行く神社の鳥居も赤ですよね。


2月 チョコレート 【 茶色 】

踊り場に呼び出し渡すチョコレート 記憶の中の味はほろ苦

2月はバレンタインデーですよね。ドキドキしながら好きな男の子にチョコレートを渡した、遠い記憶がよみがえります。この歌の中の彼女は、断られたんでしょうか。


3月 すみれ 【 紫 】

ひっそりと 野の片隅に凛と咲く においすみれの奥ゆかしさよ

すみれは3月から咲き始めて、見頃は5月だそうですが、私の中では3月のイメージだったので3月にしました。すみれの花言葉は「誠実」「謙虚」「小さな幸せ」ということで、『奥ゆかしい』を使いました。


4月 桜 【 ピンク 】

淡墨(うすずみ)の桜は遙か千年の 時を刻んでなお咲き誇り

”淡墨桜(うすずみざくら)とは、岐阜県本巣市の根尾谷・淡墨公園にある一本桜。樹齢1500年以上のエドヒガンの古木である。日本五大桜または三大巨桜のひとつ。国の天然記念物である。” (Wikipediaより)

4月は桜。私の義父母がここに行ったことがあって、とても良かったと言っていたので、桜ならここの桜を使おうと思っていました。

この12首の中で、一番最初にできた歌です。


5月 新緑 【 緑 】

伸びやかな若い息吹を身に纏い 風を感じる新緑の候

新緑の頃は好きな季節のひとつです。爽やかな風。緑の匂い。清々しい気分になります。若さ、エネルギーを感じますよね。


6月 バラ 【 紅 】

一本の花に託するこの想い 愛しいあなたに届きますよう

6月は梅雨の季節。紫陽花にしようかとも思いましたが、色の種類がたくさんあるので、絞るのが難しい。

もちろんバラもいろんな色がありますが、愛を語るにはやはり赤でしょう。ということでバラにしました。


7月 海 【 青 】

海原の深い青さに砕け散る 哀しみ辛さ波にすくわれ

哀しい時、辛い時、海に行きたくなりませんか?抱えた哀しみを、波が砕いて流してくれると思うのです。


8月 向日葵 【 黄色 】

おひさまに向かって開く向日葵の 弾ける笑顔にさせたくて

向日葵は太陽に向かって開くと言います。元気いっぱいの、はつらつとした笑顔に見えて、そんな笑顔になってくれたら.…と思い、歌にしました。


9月 夕陽 【 オレンジ 】

夕刻に夏の名残の太陽が 落ちる彼方の水平線に

水平線に太陽が沈む時、空はオレンジ色に染まります。遮るものの何もない、南の国の海に沈む太陽。そんな様子が思い浮かびました。


10月 すすき 【 ベージュ 】

吹く風に波打つすすきの仙石原 見渡す限りに秋の気配

箱根にある「仙石原すすき草原」は関東一の規模を誇るススキの名所だそうです。台ヶ岳のふもとに、ススキの穂がきらめく様子は、箱根の秋の風物詩になっているとのこと。子供の頃に一度見たことがある気がするのですが…


11月 銀杏(いちょう)    【 黄色 】

踏みしめるその足元に舞い落ちる 見れば一面黄金(こがね)のじゅうたん

イチョウの葉が落ちる頃には、本当にそこらじゅうが黄色になります。そんな中を一度歩いてみたい。落ち葉を踏みしめて。

でも、匂いが凄いことになりそう(笑)


12月 クリスマス 【 緑色・金色 】

モミの木のてっぺん光る輝きは みんなの笑顔を照らすきら星


12月は特別に2色です(笑)

これにサンタさんの赤が加わればまさにクリスマスカラー。ですが、歌に赤を入れられなかったので、2色になりました。

私の家ではやりませんでしたが、大きなモミの木に色んなオーナメントをたくさん飾って、てっぺんにはキラキラ光るお星さま。足下にはプレゼント。そんなクリスマスの風景に憧れたものでした。


さて、こんな感じに12ヶ月を色で歌ってみましたが、いかがだったでしょうか。

短歌を作るにあたって、なるべく平易な言葉でわかりやすく、情景が浮かんでくるような歌を心がけました。

少しでも楽しんでいただけたら幸いです。


2019.12.28    りょう


◇◇◇

七海さん、今回も素敵な企画をありがとうございました。

また、嶋津さんの#教養のエチュード賞にもエントリーさせていただきます。

正直、noteを始めたばかりの私がこの賞に応募するなんておこがましいと思ったのですが、今回の短歌は、できたらたくさんの方に読んで欲しい。短歌の面白さを知って欲しい。その思いから応募することにしました。


ここまで読んでいただきありがとうございました。


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