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1000文字の手紙〈ちゃんめの食生活さん〉

はじめまして、ちゃんめの食生活さん。

この度は第三回教養のエチュード賞にご応募いただき、ありがとうございます。ユニークな自己紹介を読ませていただきました。ちゃんのめ食生活さんの自己紹介を読んで、「自己紹介」についてあらためて考えるきっかけをいただいたように思います。

思い返せば、ぼくは自己紹介の記事を一度も書いたことがありません。理由は特にありませんが、一つだけ挙げるならば「書く理由がなかった」というところでしょうか。考えてみると自己紹介ってとても難しいですね。読む人に「これがわたしです」ということを伝えることが目的の文章です。伝わらなかった場合、自己紹介の失敗という事態が起きます。それを回避するためには、事実を並べていくとわかりやすいかもしれません。

名前、仕事、実績、家族構成など。でも、それだと味気ない。そこで相手に伝えたい「自分」について書く。これもまた、主観的になり過ぎると読む人を置いてけぼりにしてしまうので、その辺りの匙加減が鍵となってきます。冷静な目で、ことば選びや文章の長さをディレクションしていく。

最も好感を持てるのは、自分が好きなことについて書くことかもしれません。自分が「わたし」の説明をするよりも、自分の好きなものついて書くことが「わたし」の説明になっている。プロフィールを読み上げるよりも、好きな本を一冊紹介することの方が「人となり」が伝わることに似ています。

そういう意味では、ちゃんめの食生活さんはそれを形にしていらっしゃいますよね。ご自身が関心を抱いている「食品ロス」について書かれている。熱量の高い文章です。読めば読むほど、どういう人なのかがわかる。

時にことばは、そこに書かれていない情報までも伝えてくれます。そこがことばのおもしろさであり、こわさでもある。そう考えていくと、自己紹介を書くのはとてもとても難しい。文章であるけれど、それは対面した時の距離感とも似ていて。近くに感じる人もいれば、近寄りがたいムードを醸す人もいる。押しつけがましい人や、人の話を聞かないんだろうなって思う人もいます。文章に人が現れるというのは、とてもおもしろいですよね。

ちゃんのめの食生活さんの叶えたい夢。強く共感しました。食によって誰かが幸せになり、そのことで自分も幸せになる。食べ物への感謝の気持ちを伝える仕事。ぼくの幸せにも「目の前の人の笑顔」は含まれています。そういうことばを書いていくことができればうれしいですし、ことばを尊重して生きていきたい。このいのちが尽きるまでことばを磨いていきたいと思っています。それが誰がの幸せにつながっているのだとしたら、なんとすばらしい人生でしょう!

そう思いながら今日もぼくは文章を書いています。素敵な自己紹介をしてくださり、ありがとうございます。ぼくも自己紹介として自分の夢を書いてみました。



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