嶋津

ダイアログ・デザイナー / Dialogue designer / 仕事は文章・インタ…

嶋津

ダイアログ・デザイナー / Dialogue designer / 仕事は文章・インタビュー・場づくり。コンセプトは『対話で、暮らしを、芸術に。』。エレガントな“あいづち”を探究し、軽やかに対話をデザインします。

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「エチュード」とは、音楽では練習曲、絵画では下絵という意味。「話すこと、聴くこと、書くこと、読むこと」を通して、人生を豊かにする習作を。対話的なアプローチで表現やコミュニケーションについて考えます。オンラインミーティングでの交流でも、互いに学び合い、理解と親交を深めています。対話のある生活を。

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  • シルキーな日々

    「繭が風を手に入れ、シルクとなった」 文章のこと、仕事のこと、考えるということ。

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    教養のエチュード賞への応募作品です。

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    オンラインバーCafeBarDonnaで起きたこと。

  • 日々是好日

    毎日をゆたかに。 Art de Vivre. 暮らしの芸術を味わおう。

  • 哲学ドルチェ

    毎日、コーヒーをドリップして飲む少しの時間だけ考えごとに耽る。その時、書いた文章を“哲学ドルチェ”と呼んでいる。決めごとは一つだけ。大そうな話はしない。たかだかコーヒーの時間である。ほろ苦いコーヒーには、甘い哲学。

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出会った時から大切な人で、それは14年経った今も変わりません。むしろ、日を重ねるごとにその想いは強くなっていきます。彼女と出会って、ぼくは大きく変わりました。彼女が好きだった美術や陶磁器、花が大好きになりました。生きる姿勢、人への思いやり、想像力と共感力、誠実であるということ。

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振る舞いが横柄で、聴く耳を持たず、常に誰かを見下している。その状態がデフォルトなので、本人は無自覚なのだと思います。数年前までは、それでも通用したのかもしれません。限られたコミュニティの中で、画一的な価値観が支配する場においては、“偉そう”であることはそれなりに意味があったのだと思います。ただ、価値観が多様化した世の中では、“偉そう”

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その日から、わたしはおじいちゃんになりました。ただそれは、間柄を示すだけの名称で。わたしには、血の繋がった子どもはいませんので、自分に孫ができるという感覚は雲のように形があるようで無く、掴めるようで掴めない不思議なものでした。実際に生まれてきた赤ん坊と会い、腕に抱かせてもらうと、そこではじめて実感のようなものが芽生え、涙があふれてきました。

たとえ血の繋がりがなくとも、

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パートナーの役割は、相手の自信を育むことだと思っています。

それは、恋愛でも、仕事でも、家族でも、友人でも同じこと。魅力を引き出し合い、短所を補い合える関係性。その中で大事なことは、パートナーが自信を持って日々を送ることへの貢献。関係性の中で、相手の自信を培ってゆく在り方なのではないかと思うのです。

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写真家のワタナベアニさんの『カメラは、撮る人を写しているんだ。』を読みました。シルキーな文体が心地良く、とろこどころスパイシーな笑いが散りばめられていて、滋味と滋養と含蓄の詰まった一冊です。

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生きがい

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さまざまな命の在り方を見てきて、あらためて“生きがい”の大切さに気付かされました。

数年前の流行病、断続的に起こる地震、繰り返される紛争、著名人の訃報、身近な人の逝去、自ら命を絶つ者、老後2000万円問題、介護現場の現状……あたりまえのように生活をする中で「生きるとは何か」を見つめ直す機会が度々あります。

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恋愛は、マナーはあるけどルールがない

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「恋愛は、マナーはあるけどルールがない」とか言うでしょう。

あれは恋愛に限ったことではなく、“競技”と呼ばれるもの以外では仕事や人間関係すべてに言えますよね。一応“ルール”っぽいものはあるけど、結局、そのルールかから粋にはみ出せたり、新しいルールを提案したりできた人が評価される。わたしたちは小さい頃から“ルール”しか学んできませんでした。だから「ルールは守るもの」という認識が刷り込まれています。

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対話のある生活を*【オンラインCafeBarDonna vol.107、108】

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メンバーのみなさま、お久しぶりです。
三月のオンラインCafeBarDonnaの予定です。



みなさま、お元気でしょうか?

わたくしはというと、インタビューに専門学校をリリースの準備と大阪、金沢、東京とあちこち巡りバタついていてなかなか店の看板をあげることができませんでした。

久々にCafeBarDonnaオープンです。

「オリジナリティは無駄から生まれる」という思想で日々を過ごしてい

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大変な人

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今年に入ってから、XのSpacesでほぼ毎日「対話パーティ」をひらいています。

過去のパーティをアーカイブとして残るようにしたことで、後で聴いた人から感想が届くこともあります。うれしいですね。



深掘りするインタビューは仕事やYouTubeの『ダイアログ・ジャーニー』でやっていますので、「対話パーティ」ではカジュアルな雑談を心がけています。

基本的には、「話したことのない人をお迎えしたい

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コミュニケーションは二人の間で生まれるものです。

自分の考えや想いが相手に伝わらない、届かないことはよくあります。それを相手の責任に押し付けることは簡単ですが、それではいつまで経っても“伝える力”は育ちません。「わかってもらえない」と憤る前に、どれだけ「わかってもらおう」と工夫したのだろうかと自分に問うてみる。「まだまだできることはあったはずだ」と省みることができたならば、成長できる余地は残って

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手に持ったゴミを捨てたい時のことを思い浮かべてください。

目の前には川が流れています。清掃されたきれいな川よりも、ゴミであふれた汚い川のほうが、人は「ここに捨ててもいいか」と思いやすい。それは、ことばも同じです。汚いことばがたくさん投げられているのを見かけるとと、人は「ここだったら投げ捨てても構わない」と思ってしまいます。そうならないためにも、一歩目として自分が自分を貶めるようなことばを使わない

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他人のやさしさに触れると自分の中のやさしさが呼応する。

知性に触れると「知」に対する好奇心が反応する。魅力的なものに触れると、内側が良い方向へ拡張しようとする。そういうこと。

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詐欺広告や迷惑メール。

目にした時に「こんなの引っかかる人いるの?」と思いますが、実際に騙される人もいるのですから、人によって物事の受け取り方は全く違うことがよくわかります。一見フラットに見えるので錯覚しますが、SNSで議論が難しいのは見ている世界が違う人たちが混在していて、それぞれが主張し合うからなのだと思います。



以前、「コーヒーがほんとに好きな人しか来なくなるコピーを書いてくれ」と

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敬意の裏地には、謙虚がある

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豊かなコミュニケーションは、ただ“声をかける”だけのものではありません。

「対等な関係性」について考えた時、理想的な在り方に想いを巡らせます。相手から何かを受け取るだけでなく、こちらが何を貢献できるか。そして、その先に何が生まれるのか。豊かなコミュニケーションに役立つ方法は、道具や知識の扱い方を磨くこと。それを仕事や趣味と呼ぶのかもしれません。その人が磨いてきた技術、積み重ねてきた経験が信用や信

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正義について考える

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争いごとは正義と正義の衝突によって起こります。

お互いが自分の思想や行動が「正しい」と信じ込んでいるから譲ることができません。自分の主張ばかりが前のめりとなり、聴く耳を持たなくなる。争いは、対話の放棄によって起こります。

負い目を感じているなら、どこかで妥協できるかもしれません。ただ、「正しい」と盲信すると、どこまでもエスカレートしていきます。

「わかり合える」という幻想は、少なくとも「違い

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