なぜまだ薬局はあるのだろう?

いつもありがとうございます!
山口竜太です。

薬剤師、ノンテクエヴァンジェリスト、イベンター、一児のパパなどしてます。
肩書きはメディカルアーティストです。
唯一無二の肩書きで、世界を変えたいとか言っています。

(この記事は私の所属するいかなる組織、団体とも独立しており、また完全に私個人の意見であります。)

なんて注釈でも入れてないと書けない。
けっこうびびりなんで。

今回のテーマは「なぜまだ薬局はあるのだろう?」です。
ではいってみましょう!


薬局の役割って?

私は薬局の役割は大きく2つあると思います。

①薬をもらうところ(買うところ)
②薬剤師が指導するところ

①については、誰もが納得する。
風邪をひいて病院にかかって、医師からの薬をもらう。
頭痛がするからちょっと頭痛薬だけで買おうかなと行くところ。
そんな感じ。
当たり前だけど、両方とも薬局ならできるし、そういう利用はみんなしてる。

②についてあまり実感ないかも。
薬剤師から薬の“説明”はされるけど、“指導”?
これはちょいと法律的な考えになるんだけど、薬剤師は薬を渡すとき、売るときに指導しないといけないとなっている。
指導の内容はざっくり言うて、 
・薬の説明(効能効果、副作用、飲み方)
・体調の確認(薬が症状に対して適切かどうか)
・服用後にどうなったか(効果、副作用の確認)
って感じ。
医療関係者でなければ、この内容いる?って思うのが普通。

病院にいって薬もらうなら、医師が薬を選んで、体調も確認したうえで出してくれる。
効いたかどうかなんて自分でわかるし、副作用?なんか変ならまた病院行くよって話し。
そりゃそうだ。
私もそうする。

ただ、私は“薬剤師”の資格を持っているので、自分でできるけど、実はそうでなければ出来ない。
出来ないのは、患者さんだけの話しじゃなく、医師もできない。

血圧を下げる薬にアムロジピンという薬がある。
血圧の治療で最もよく使われている薬。
血圧をしっかり下げてくれるし、効果も安定しやすいから良い薬。
だから、だいたいまずこれが使われる。

血圧の薬って何十種類てあって、他にもめちゃくちゃたくさんある。
これって不思議じゃない?

だってさ、アムロジピンがそんな良い薬ならアムロジピンだけあればよくない?
その他、の薬なんて飲みたい?
私なら王道の薬くれって言う。

でもそれにはちゃんと理由があって、アムロジピンには副作用がある。
いや、世の中の全ての薬には副作用がある。
副作用が理由で、アムロジピンを服用できない、しない方がいいことがある。
もしそんなとき、アムロジピンしか世の中に無かったら、もう血圧の治療なんてできやしない。
そんなの困るから、他の選択肢もいる。
そんなこんなで、いろいろ開発されて血圧だけで何十種類っていう薬が世の中にはある。
それぞれには特徴があって、効果の出方とか、副作用の内容とかがそれぞれ違う。

アムロジピンの特徴は、詳細省くけど、血圧コントロールが安定しやすいってこと。実感としても、アムロジピン飲んでる人は血圧安定してる。
問題は副作用で、脈が速くなったり、足がむくんだりする。
脈が速くなると、不整脈になったり、狭心症になったりで困る。
足がむくむのは、美容にも嫌だし、心不全にもつながる。
もとから不整脈やら心不全ある人には使いにくいし、それこそ他にもたくさん薬あるからそっちで良いはず。

と、ここが大事。

アムロジピンで、脈が速くなったり、足がむくむことあるよって知ってる人なかなかいない、薬剤師以外では。
そうなったら、他の薬なら大丈夫だよって言うけど、どの薬なら?をわかる人は少ない、薬剤師以外では。

この辺のこと、薬剤師しかほとんど知らない。
もちろん医師も。

医師は薬を「効能・効果」でみてるから、アムロジピンは血圧下げるよってことはもちろん知ってる。でも、その副作用ってほとんど知らなくて。
だから、もしアムロジピンで脈が速くなっても、それがアムロジピンのせいだとわからない。
そしてどうするかっていうと、脈を遅くする薬を足す。

血圧コントロールするためにアムロジピン。
脈を遅くするために他の薬をもう1つ。
合計2つ飲むことになる。

アムロジピン変えたら済む話なのに、薬が増えちゃう。
薬のための薬を飲むことになってしまう。
そんなの嬉しい?幸せ?

だから、薬剤師による“指導”が必要になる。

薬剤師がアレやこれや聞いてくるのは、ここの確認したいから。

これが薬局の役割。
薬をもらう、買うことができる場所。
そして、薬剤師からの指導を受ける場所。

なんかとても大切な感じしませんか?


でも“薬局”はいらないと思う

薬局って大切っぽいなぁって的なこと言うておきながら、いらないってどういうことやってなりますよね。わかります。

でもね、どう考えても薬局っていらない…

薬をもらう場所であり、薬剤師からの指導を受ける場所だけど、それって薬局じゃないとダメ?

健康ってみんなの気になるトピックだけど、そのためにわざわざ薬局までいく?
人間ドックにだって行ったことないのに?
健康診断さえ面倒だと思ってるのに?

絶対行かないよ、薬局に。

でも健康って気になるからどうするかって、ネットですよね。

【足 むくむ 改善】

みたいな検索するんでしょ。
ほんでなんやかんや書いてるやつ、よくわからんけど、これがいいなら試してみるか!とやってみて、

【足 むくむ 改善しない】

って検索ワードに変わる。
みたいなん繰り返す。

そろそろ薬局に行けば良いかもだけど、でも行かないよね。
うん、私だって行かないよ。

人々が欲しいのは、薬局っていう場所じゃなくて、情報。
そして惜しいのは、そこに行くまでの時間と労力。

それがあればいいはず。

“薬局”なんて必要?
いや要らない。

タイトルの話になって、それじゃなんで薬局はまだあるのか?って話だけど、これには裏話があって……ってことはなくて、ただの法律。
法律で薬局じゃないと、薬わたしちゃダメ、薬剤師が指導しちゃダメってなってる。
(在宅医療とか、一部オンライン化は始まってはいる。だが、在宅医療は介護を受けてる人が基本対象で、オンライン化もまだまだ規制が多い)

ただそれだけの理由。
薬局である必要は実はある!なんてことはない。
不要です。
少なくとも、薬局で今働いてる私からしたら、不要です。

①②ができればいい。
なんなら、人々からしたら、健康になるなら別になんだっていい。
そこで薬局に拘る必要なんてない。


とまぁ、こんなことを書いたらめちゃくちゃ怒られるので(いろんな人から)今回だけ有料記事にした。

お金を払ってまで読もうとする人は、本質とかを大事にするから、この文章の本意も汲み取ってくれるかなって。

わざわざありがとうございます。

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