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モンスターペアレントからの学び - 自分がモンペと呼ばれないために

人の振り見て我が振り直せ

自分が教師時代に、数々のモンスターと出会いました。

ポケモンで言えば、ゼニガメから進化系のカメックスまで出会った経験は、2児の親になった今となっては財産だとようやく思えるようになりました。

教職を離れた今だからこそ言えること、親になったから思うことについて、実際の事例とともに考えてみます。

1. モンスターとヘリコプター

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ドラマにもなったのでよく知られているとは思いますが、念のために少し調べてみました。

モンスターペアレント 
「不当、不可解な要求を、次々に担任、校長、学校につきつけている」保護者  (向山洋一氏 (日本教育技術学会会長)「教室ツーウェイ」(2007年8月号、明治図書))
ヘリコプターペアレント
上空を旋回するヘリコプターのごとく、子供のそばで管理、干渉し続ける親

思い返せばいろんなレベルの話がありますが、軽すぎもなく、重すぎもないちょうど良いゼニガメレベルの話を事例に出してみます。

2. ジュース事件

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高校1年生の担任の先生をしていたときのことです。

ホームルームという時間に、生徒がお楽しみ会を企画をしました。

一年で一回だけ許可されるジュースやお菓子も持ち込んだパーティーに向けて、生徒たちは楽しみにしていました。

お楽しみ会当日。

当時流行っていたK-Popを流し、ハイテンションでハンカチ落としが行われていました。

学級委員の生徒に頼まれた探し物を取りに、数分職員室に戻った時、事件が起こりました。

職員室から戻ると、東方神起の音楽は止まっていて、何やら真剣そうな顔で生徒たちがみんなでカバンやら何かを洗っていました。

学級委員の子に聞くと、ハンカチ落としで遊んでいたときに、勢い余ってジュースのペットボトルが倒れ、Aさんのカバンの中にジュースが入ってしまったとのことでした。

ジュースを溢してしまった生徒は、Aさんに申し訳なく謝ったそうです。

お楽しみ会を中断して、みんなで手分けして掃除をしたりしていた姿に、「良いチームワークができたなー」と感心して、帰りの会で全員を褒めて終えた素敵な1日のように思えました。

3. ポケモンからの電話

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その日の夕方、部活動の時間で体育館で生徒にバスケを教えていた時でした。

職員室の自分の机に電話がかかってきたと連絡があり、急いで職員室に戻ります。

Aさんの母でした。

何か興奮した様子で、色々と電話で話してきました。

言いたかったことは以下のようでした。

「手書きのノートは代えが利かないのに、ジュースが溢れてどうしてくれるのか。」

「電子辞書が壊れたら誰が弁償するのか。」

「先生が見てないとはどういうことだ。」

あっけにとられながら聞いていました。

「受容から入る」
「火に油を注がない」

というのは教師で学んだ大切な術です。

念のために、ジュースがこぼれた後にクラスメートとどういうやりとりがあったかという説明がAさんからあったか、については聞いてみました。

「それは聞いている」とは話していましたが、何か全く関係ない話も持ち出して、気が済むまで話していました。

「電子辞書が壊れたら、その時考えましょう。テスト前なので心配になりますよね。数日確認してみてくださいね。」

そう言って電話を切りました。

他の先輩の先生に相談すると「お母さんも髙岸君とお話したかったんじゃない?」と言って、新たな視点を与えてくれました。笑

この電話の間、体育館でバスケをしている生徒がケガをしたらもっと大変なのになー、と思いながら急いで体育館に戻りました。

4. この事件からの学び

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✅ 1) 「子どもが何を学んでいるか」に注目できるか

学校の勉強内容ももちろん大切ですが、このケースに関しては、事件が起こったからこそ生まれたクラスメートとの友情は大切なものだったように思います。

オンライン授業でジュースが溢れても、親か自分で拭くだけです。

社会性は学校で学べる大切な要素の一つだと強く思います。

親も先生も「何が大切か」と言う点がなるべく共有できているとよいと感じます。

✅ 2) 自分の子どものあらゆる側面を受け入れられているか。

なかなか思った通りの点数が出なかったAさん本人も、お母さんもきっと二週間後に控えたテストに向けて心配だったのかもしれません。

ノートや電子辞書がジュースによって被害が出ることは大きな問題だと思っていたのかもしれません。

仮に点数が悪かったとしてもノートがオレンジジュース色だったから、と言うつもりだったのかもしれません。

また、友達とのやりとりも得意ではなかったみたいなので、そういった面も親もわかっていたのかもしれません。

それを受け入れられているか、受容した上で何ができるか、と考えたいものです。

✅  3) 親の思いを一方的に先生に押し付けていないか。

先生によく電話する親の方がいたら、学校に電話する前に家族みんなで話し合いをしてからの方が良いと思います。

先生は数十人単位の生徒を常にマネジメントし、学校にいる間は常に何かが起こっています。

確かに先生や学校の対応もまずい可能性もゼロではないので、冷静に向き合っていきたいものです。

最後に

自分がモンスターとかポケモンとか思われないようにしなければと、自分への戒めの意味も込めて書いています。

良い方向に育ってほしい

子どもに馳せる思いは、親も先生も同じだと思います。

良い方向を目指すプロセスには、必ずきっかけとなる学びがあると思います。

そのきっかけは、もしかしたらその時は受け入れにくいものかもしれません。

その出来事を多角的な視点や長期的な視点で親が見れて、適切なアドバイスができるかどうか。

これがカギになりそうです。

節のない竹は弱い

節を作るプロセスを一緒に楽しめたら、強くなれるだろうと思います。

親自身が謙虚に学び続けて大きな器と高い視座で見られれば、モンスターにはならないのではないでしょうか。

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