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HIKER TRASH~CDTアメリカ徒歩縦断記~(container連載全11回)

anna magazineのwebメディアcontainerで連載していたコンチネンタル・ディバイド・トレイルの旅行記。

こちらに僕の記事一覧がまとめられています。

HIKER TRASH~CDTアメリカ徒歩縦断記~(container連載全11回)


しかし、ただリンクを貼り付けるだけでは芸がないので、以下では各話ごと簡単に紹介してみます。

山と道journalで連載していた記事と同じ舞台ですが、ほとんど話が重複していません。

むしろ、両方の記事を読むとより面白味が深まる構成したつもりです。

anna magazineは女性向けのカルチャー誌で、読者は登山やハイキング経験者がほとんどいないと想定されるので、この連載ではアメリカでもハイキングの空気感を分かりやすく伝えることにようと思い連載しました。

そのためには、この連載にはハイカー仲間との出会い、そして街に降りた時のビールと食事、ホットシャワーは不可欠で、随所にその描写が盛り込まれています。


CDTアメリカ徒歩縦断記♯01

CDT連載記念すべき第1回目はカナダのカルガリーに到着して僕がアメリカとの国境にあるコンチネンタル・ディバイド・トレイルのスタート地点に向かう話です。

僕は2015年に西海岸にあるパシフィック・クレスト・トレイルを全行程を1シーズンで歩くスルーハイクをしていて、今回は人生2度目のスルーハイクへの挑戦です。

全く知らない街で準備を始め歩き始めますが、意外にも前回とのつながりを感じる出来事が起こります。

そして、普段は序章としてあまり語られることのない、海外トレイルのスタート地点に辿り着く苦労というものにも少しだけ言及しています。


CDTアメリカ徒歩縦断記♯2

CDTを南下するハイカーにとって一番に最初に突入するグレーシャー国立公園が、実はこのトレイルの中でもかなり難易度が高いセクションです。

そこにまだ体力をつけきれていない僕、そしてまだハイキング経験が少ないハイカーが苦しみながらも歩き続けます。

しかし、ロング・ディスタンス・ハイキングは辛いことだけではなく、普段は当たり前のものがトレイル上では、とても貴重な存在に変化しハイカーたちは心踊らせます。

僕らハイカートラッシュと呼ばれる人種がどんな風にトレイルを楽しんでいるのか、それに触れた2回目です。


CDTアメリカ徒歩縦断記♯3

CDTの自然の脅威、そしてそれから解放された時の街での出来事について触れています。

ここで、山と道Jornal第4回連載に登場するシュウエップス(https://www.yamatomichi.com/journals/8411/)も登場します。ちなみに彼とは、2019年のアパラチアン・トレイルで再会を果たしました。またどこかの機会でお伝えする記事を書くこともあるかも?

現在彼とはスケートボード友達として、日々に情報共有をする仲になっています。海外トレイルでも出会ったハイカーで、お互いの距離が離れていても永く続く人間関係があり、時にとても不思議に感じます。


CDTアメリカ徒歩縦断記♯4


この回ではこれまで出会ったハイカーたちが街で合流した時の様子を書いています。趣味の同士を超えた仲間の雰囲気は、よく学校の同級生の様だと言われますが、ここではまさにその様な感じです。

みんな、フランクに接しますが、もしかしたらこの後数ヶ月顔を合わせ続けるかもしれない人たち、スルーハイカーには不思議な距離感があり、面白いです。


CDTアメリカ徒歩縦断記♯5

CDTのセクションでも有名なイエローストーン国立公園についに突入します。

最初の難所グレーシャー国立公園を抜けた後は、黙々と何もない牧場を歩き続けていましたが、ついにトレイルにも変化が訪れ始めます。

この回は、フランス人親子との出会いを書いていますが、何気ないやりとりなのに、僕にはとても記憶に残っていて、今でも思い返すと不思議と懐かしい様な気持ちになります。

CDTはアメリカの中ではかなり知名度が低いトレイルなので、トレイルの存在を知らない人たちとよく遭遇しまいた。彼らにトレイルのことを説明すると、いつも不可解な顔をします。それがとても印象深かったです。


CDTアメリカ徒歩縦断記♯6

徐々に厳しくなるトレイル……ではなく、急激に難易度が上がりはじめます。それに比較してかつて見たことないような絶景の連続に僕は驚きが隠せません。

しかし、それでも歩き続けないといけないのがスルーハイカーの宿命、急いで駆け抜けようとして色々なトラブルに遭遇して四苦八苦しています。


CDTアメリカ徒歩縦断記♯7前編

この回から、僕の記事が長すぎるため、編集担当の指摘により前編、後編に分かれます。少し、当初目的としていた読みやすい内容から外れ始めたのかもしれません。

この回はアメリカで皆既日蝕を体験し、ヒッチハイクで街に向かう様子を書いて、後半へ続きます。


CDTアメリカ徒歩縦断記♯7後編

皆既日蝕で沸く街に降り立つ汚らしいハイカーの僕。

ここでは思わぬ出会いの連続が僕を驚かせます。

いつもハイキングを終えて思うのが、人との出会いこそがもっとも心に残る出来事だといこと。

しかし、僕はハイキング中は色んなことに気を取られて、そんな貴重な機会を軽く扱いがちな気がします。毎回、それを少し残念に思っています。


CDTアメリカ徒歩縦断記♯8前編

ついにもっとも重要な州、コロラド州に突入します。

しかし、リゾートタウンで一般的な30代男性がしないようなことを僕はしています。

でも、この時はそれで問題がなかったし、どうしても汚らしいハイカーに毎回なってしまいます。

そして後編へ。


CDTアメリカ徒歩縦断記♯8後編

コロラドの標高の高い稜線を歩いていきます。

この時点ではまだまだ雪の気配もなく、快適に進み、下山した街ではハイカーとの再会を楽しみます。


CDTアメリカ徒歩縦断記♯9

コロラドでのんびりと過ごす僕なりのハイキングスタイルについて書いています。

長距離を歩くハイカーの気持ちについても触れ、そしてどうやって前に進むモチベーションを高めるかについても書いています。

と言いましたが、そんなに小難しいことは書いていません。


CDTアメリカ徒歩縦断記♯10

この回では、僕がハイキングを続ける理由に言及しています。個人的にはとても面白い内容となっていて、かつて2015年に踏破したパシフィック・クレスト・トレイルで抱いた感覚と、2017年で更に難易度が高いコンチネンタル・ディバイド・トレイルに挑んで感じた気持ちのギャップが垣間見れます。

そして、ここでは僕は意外にもあっさりとルート変更をします。これは僕の足跡がカナダからメキシコまで一直線い繋がらないことを意味しますが、そのことにライトにしか触れていないのは、僕が本当の意味で自由なハイキングスタイルを手に入れた一歩だったのかもしれないと、今振り返ると思えてきました。


CDTアメリカ徒歩縦断記♯11

ここではCDTの中でも僕が好きなセクションであるヒーラ・リバーが舞台です。

ここでは今回のトレイルでもっとも印象深いハイカーたちと遭遇します。長旅も佳境に入り、ハイカーたちは最後のニューメキシコ州を楽しみ尽くします。


CDTアメリカ徒歩縦断記♯12(最終回)

ついに最終回です。僕が5000kmのトレイルを歩き続けて、最後に辿り着いたもの、手にしたものを素直に書いています。読んでみると、結局なんだったのか分からない? と感じる人も多いかもしれません。

しかし、僕が日頃から思うのはハイカーの数だけ、ハイキングスタイルがあり、そして思いも違うということ、日本にいると「スルーハイカーとは」「ロング・ディスタンス・ハイキングとは」と説明を求められることが多いですが、僕はこれが苦手です。

なぜなら、僕が感じたことと、他のハイカーが感じたことは同じではないですし、そんなスルーハイキングとは5ヶ月以上もかけてそれだけに没頭してきたある意味、奇行とも呼べるハイキングスタイルなので、そんなに単純なものではないからです。

ですから、僕はこのcontainerではスケッチというハイカーの心情の動きをメインに簡潔に書いています。

この文章を読んで、いろんな感想を抱くのが当然ですし、読んだ人がどんな反応をするのだろうと、楽しみ半分、恐れ半分で連載した全12回でした。

しかし、この連載は僕にロング・ディスタンス・ハイキングの魅力を専門用語や小難しい思想なの抜きにして、整理し言語化することができた貴重な体験となりました。

アメリカのハイキングしたことない人に伝える。なんとも刺激的で冒険的な連載でした。まるでこれこそが道のトレイルの様でした。

果たして無事に踏破できたかは、読者の方々に委ねるしかありません。

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