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「やりたいこと」を見つけるアジャイル転職のすゝめ

はじめまして。GaudiyでBizDev / Data Analystを務めている藤原です。

今年の1月にGaudiyにジョインして以来ワクワクしながら働いている私ですが、元々「やりたいこと」があったわけではなく、Gaudiyに辿り着くまでにはかなり紆余曲折がありました。

この入社エントリでは、キャリアにおいて「やりたいこと」が見つからないという厄介な悩みに立ち向かうアプローチについて、自分の体験に基づいて書いていきたいと思います!

【こんな方に読んで欲しい】
・ キャリアを通じて「やりたいこと」 が見つからず、モヤモヤしている方
・ なんとなく問題意識を感じて転職活動をしているが、決め切れない方

1.自己紹介

私は大学院の工学系研究科を修了後、新卒で日系の経営コンサルティングファームに就職しました。ビジネスを科学的に、再現性を持って創造〜拡大することに関心があったため、AI/データアナリティクス、DX等のプロジェクトを中心に、7年ほどコンサルタントとして仕事をしてきました。

趣味はキャンプと燻製作り。Gaudiyには2022年の1月にお試し入社をし、3月に正式ジョインして現在に至ります!

2.「やりたいこと」がない本当の理由

私は新卒時には「やりたいこと」を1つに決めきれず、(月並みですが)幅広い業界とテーマに触れられるコンサルタントを志しました。結果的に同僚に恵まれ、知的好奇心も満たされ、成長実感も得られ、新卒の就職としては最高の選択だったと思っています。

ただ、コンサルティングの仕事を通じて優秀な方々と知り合う中で、偉大な成果を残すのは自分なりのビジョンを持ってそこに没頭した人であり、自分も30代はそのような働き方をしたいと感じるようにもなっていました。そんな思いとは裏腹に、肝心の「やりたいこと」は5〜6年働いてもなかなか見つからず、30歳が迫る中で焦りばかりが募って行きます。

ちなみに、ポジウィルさんのアンケートでは、実に約64%もの社会人が「夢中になれる仕事がわからない」と回答したそうです。一定のバイアスはあるかもしれませんが、このnoteを読んでいる方の中にも、私と似た悩みを抱えた方がきっといるのではないでしょうか…?!

私は「やりたいこと」を見つける糸口がないかと、既にスタートアップに転職して活躍している友人に相談することにしました。その方から言われたのは転職活動において聞いたことのない新鮮な切り口でしたが、カオスに向き合うスタートアップらしい実践的なものでした。

「藤原に『やりたいこと』がないのは、単に持っている情報が足りないからだと思うな。つまり、『やりたそうなこと』の不確実性が大きすぎて、決断できないだけなんじゃない?」

自分の本質を言い当てられた気がして、正直ハッとしました。思い返すと、面白いと感じる業界やテーマがそれまで全くないわけではなかったのです。ただ、少し気になるテーマに触れても、「今のキャリアを捨てるのはリスクではないか?」、「本当に飽きずに楽しめるのか?」、「不連続なキャリアに飛び込むのは悪手ではないか?」などと理由を付けて、選択肢から外してきた自分に気付きました。見つけたそばから自分で捨てていたのでは、「やりたいこと」が決まらないのも無理ないですよね笑

3.「やりたいこと」の不確実性を削減するアプローチ

友人のコメントを聞いた帰り道、「あれ、これってアジャイルサムライで勉強した不確実性への向き合い方に似てない?」と思い出しました。

言わずと知れたアジャイルの教科書ですね。プロジェクトで必要になった際に読んで感銘を受け、わかったつもりになっていたのですが、自分の人生の事となるとまったく実践できていないことに気付きました笑

自分の思考のクセに気付いた私は、「やりたいこと」を見つけ出すアプローチから、「やりたそうなこと」の不確実性を、飛び込めるレベルまで下げていくアジャイル的なアプローチに転換することにしました。

正直だいぶ地道なのですが笑、「やりたいこと」が見つからずに悩む方の参考になればと思い、11か月にわたる検討プロセスを書いていきます!笑

  • 3-1.決断の期限を設定する(2021年1月)

  • 3-2.「やりたいこと」の初期仮説を作る(2021年2〜3月)

  • 3-3.情報を集め、本当にやりたいかを検証する(2021年4月〜8月)

  • 3-4.「やりたいこと」ができそうな企業に応募する(2021年9月)

  • 3-5.「やりたいこと」ができる企業か検証する(2021年10月)

  • 3-6.オファーをいただき、ジョインを決める(2021年11月)

3-1.決断の期限を設定する

明確な期限がなければズルズルと決まらずに時間が過ぎてしまいそうだったので、最初に活動の期限を決めることにしました。

私の場合は30歳の節目であったこともあり、転職するか、前職に残ってやりたいことを見つけてコミットするかを、2021年の年末までに決断することにしました。そこから、夏には選考フローに乗り始め、秋〜冬には意思決定しなければいけないという大まかなマイルストーンが見えてきました。

3-2.「やりたいこと」の初期仮説を作る

最初はあえて「転職先」を探さず、「やりたいこと」の検討に時間をかけました。

それまでなら「残り時間も少ないし、早速転職エージェントさんに連絡を取って求人紹介してもらおう…!」となったと思うのですが、こちらに軸がなければいくらプロでも一般的なアドバイスしかできません。急がば回れで、最初に「やりたいこと」の仮説設定から始めることで、後半で意思決定する軸も明確になると考えました。

当然「やりたいこと」など明確には見えていなかったのですが、私の場合は下記の2つを初期仮説として設定しました。

①事業を0→1で開発する
データサイエンスやメカニズムデザインでビジネスの再現性を高める

なんだか、いま振り返ってもめちゃくちゃ一般論ぽいですね笑
一応それぞれの理由について触れておくと…↓

①は、前職で新規事業開発プロジェクトをリードした際に関心を持った領域でした。そのプロジェクトでは戦略を描くだけでなく、サービスのプロトタイプを作成して仮説検証を行うなど、当時の自分としては新鮮な経験ができました。(今思えば、これがスタートアップに関心を持った理由でした。)

②は、経済学やゲーム理論に基づいて市場をデザインする学問があるということを、当時のニュースで知ったのがきっかけでした。元々データサイエンス等、サイエンティフィックな考え方でビジネスを作ることに関心があった私は、こんな学問があるのかと驚いたものです。

①②どちらも自分の経験からはギャップがありますし、本当にやりたい/できる仕事なのかはわかりませんでした。また、ビジョンという言うには手段先行で深堀りが足りない気もしたのですが、あくまで初期仮説だからと言い聞かせて検証を始めることにしました。

3-3.情報を集め、本当にやりたいかを検証する

仮説ができた後は、それに10年コミットできるかを判断するため、情報をかき集めます。最初は、極力1次情報に近い情報を集めて、論理的にというよりも感情的に楽しめそうかインプットしていきました。

・面白そうな企業の方にカジュアル面談を申し込む
・スタートアップやデータサイエンス企業に転職した友人にヒアリングする
・メカニズムデザインに関するセミナーに参加する

また同時に、2次情報も継続的にインプットすることで、初期仮説が世の中でどのように位置づいているかを客観的に把握することにも努めました。

・スタートアップの方をSNSでフォローし、情報が入ってくる仕組みを作る
・メカニズムデザインに関する書籍やレポートを読む

とはいえ、外から見ているだけでは本当にそれをやりたいのかはなかなか見えてきません。そこで途中からは、当事者として実地活動をすることで経験主義的に検証することに大部分の時間をかけるようにしました。

私の場合は、メカニズムデザインやスタートアップビジネスに関する社内R&Dに携わる機会を得られたため、これを活かすことにしました。実際、社内メンバーや社外有識者の方と議論をすることで、ニーズや将来性があるのかの肌感覚を得ることができました。

会社によってはこのアプローチはややハードルが高いかもしれませんが、個人でサービス開発してみる、ベンチャーに副業・プロボノで参画してみる等々、空気感を掴む方法は年々増えてきているように感じます。

3-4.「やりたいこと」ができそうな企業に応募する

前節の取り組みを数か月続けることで、メカニズムデザインやスタートアップビジネスに関する知識が増え、「やりたいこと」の初期仮説はどうやら楽しそう、やってみたいと思えるようになってきていました。

一方、それを事業として取り組んでいる会社は中々見つかりませんでした。民間企業でも研究として取り組んでいるケースが多く、自分がビジネスサイドとしてそこで働くイメージが持てずにいたためです。

「ピンと来る会社も見つからないし、そろそろ検証活動もやめるか…。」

そう思っていた頃、TwitterでGaudiy代表である石川さんのツイートを見かけました。当時はGaudiyのことは知らなかったのですが、フォローしていたスタートアップ経営者の方とのやり取りがたまたまTLに流れて来たのです。そこからGaudiyのHPや石川さんの下記noteを見てみると、メカニズムデザインは実はクリプトと非常に相性が良いこと、GaudiyはNFTが今のようにブームになる前からメカニズムデザインを活用した先進的な取り組みをしていることが書かれていました。

Gaudiyを知ったきっかけはこのように全くの偶然でした。ですが、目的地を定めない探索活動をしていなければ、Gaudiyという想定外の選択肢に巡り合うことはできなかったので、ここに時間をかけて本当によかったと思っています。

とはいえあくまで仮説検証なので、エージェントさんにも求人を紹介してもらって幅広く見てから進路を決めることにしました。自分の場合は

  1. 前職に留まる

  2. シリーズA前後のテック系スタートアップ(Gauidy)

  3. 未経験でもBizDev/PdMで0→1に携われそうなメガベンチャー

  4. デジタルサービスの立ち上げに強そうなコンサルファーム

という4つの選択肢から検討しました。(だいぶ石橋叩いてます笑)

3-5.「やりたいこと」ができる企業か検証する

選考では中の人と「やりたいこと」の初期仮説について議論し、本当にそれができそうかを検証していました。ただし、前職と比べて待遇が下がる懸念はあったため、特にGaudiyとのマッチを考える上では、

・5〜10年スパンで見た時に(SOを含めた)報酬・待遇が、
 転職前に比べてペイする可能性があるかどうか?

についても極力情報を集めて検証しました。具体的には、

・スタートアップ界隈の方に会社の評判を聞く
・TAMや成長性がどの程度あるのか自分で業界レポート等で調べる

といったことです。実際、Gaudiyを知っている方もおり、技術力や企画力が高いこと、大手エンタメ企業とのユニークな取り組み実績もあること、そしてWeb3業界がすごい勢いで拡大していることがよく理解できました。

3-6.オファーをいただき、ジョインを決める

オファーを勝ち取る観点では、素晴らしいアドバイスが世の中にたくさんあるので、詳細は割愛します。(「やりたいこと」の仮説を深めていたことで、選考内でも熱意や貢献イメージを伝えやすかったです。)

結果的にGaudiyを含む複数の企業からオファーをいただきましたが、事業の面白さ、組織の柔軟性、そして中の人の魅力から、Gaudiyにジョインすることを決めました。活動を通じて、他者から与えられた一般的な選択肢から選ぶのでなく、Gaudiyという選択肢を自力で見つけて選べたことが、優柔不断な自分が自信をもって決断できた理由だったと思います。

4.で、結局Gaudiyで「やりたいこと」はできそう?

こうしてGaudiyにジョインしたわけですが、入ってみた感想は「思っていた3倍楽しい!めっちゃワクワクしながら働ける!」です笑

事業の面白さはもちろんですが、全員が「ファンと共に、時代を進める」というビジョンを信じている組織の熱量の高さが印象的でした。これは外から見ているだけではわからなかったので、これを体感できただけでもジョインして良かったと感じています。

現在は下記3つのロールを担っています。

  1. Business Development(クリプトエコノミクス関連の事業開発)

  2. Protocol Development(GaudiyのDAO的意思決定プロセスの開発)

  3. Data Analytst(コミュニティ盛り上げのデータサイエンス)

1つ目のBizDevロールでは、Web3の具体的サービスやメカニズムデザインの理論に関するリサーチ、そしてGaudiyが採用すべきエコノミクスの検討に取り組んでおり、入社早々からエキサイティングな仕事に携われています。

こうしたGaudiyでの生活を通して、1年前はゆるふわだった「やりたいこと」は、以下のようにアップデートされました。

・ファンの方々がIPを応援するほど報われ、さらに楽しめるよう、
 コミュニティへの貢献をデータサイエンスを活用して適切に評価する

・ファンの貢献が経済的にも報われるよう、
 オークション理論やトークンエコノミクスを考慮した経済設計を行う

・炎上等が起きづらい温かいコミュニティを目指すため、
 社会的選択理論等を活用してガバナンスを設計する

いかがでしょう、最初より多少は具体的になったと思いませんか?笑
事業に取り組む中で、これからも「やりたいこと」の解像度はどんどん高まり、熱中し続けられると確信しています。

ただ、どこに行くかよりも、行った所で何を成し遂げるかの方がはるかに重要だと思うので、これからもGaudiyで頑張っていきます!

5.おわりに

長くなりましたが、「やりたいこと」が見つからずに悩んでいる学生や社会人の方のヒントになれば幸いです!

最後に宣伝ですが、Gaudiyは「ファンと共に、時代を進める」仲間を大募集中です!先日シリーズBの大型調達も完了し、今まさに事業と組織が急拡大していく変革期にあります。今後もワクワクするような取り組みが目白押しなので、詳しく知りたい方はMeetyでお声掛けください!

また、今後はクリプトエコノミクス関連の事業開発と発信を本格化していく予定なので、 もしよければTwitterアカウントの方もフォローしていただけると嬉しいです!

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