JVで人事を立ち上げてみて

こんにちは。
アドベントカレンダーに向けてということで、どんな記事を書こうかなーとあれこれ悩んだのですが、自分の一年の振り返りも兼ねてこのタイトルで書いてみようと思いました。
ジョイントベンチャー(JV)での人事立ち上げということで、当時色々調べながら聞きながらやっていたのですが、何をすればいいのかがまとまってるものもあまりなく、苦労していたこともあるので、同じような境遇の方に向けた参考として残しておこうと思います。
文章書くのも得意じゃないのでわかりづらいと思いますが、暇つぶしにどうぞ。

きっかけ

まず自分の経歴から。某大きなインターネット企業に新卒で入社し、最初からずっと人事の仕事をしてきました。新卒採用から始まり、人事企画、人材育成、HRBP(これはちょっとでしたが)と、最初は嫌だった人事の仕事もいろいろ経験を積んできて今ではめちゃめちゃやりがいを感じるようになりました。

そんな中ではあったのですが、2019年の夏頃から転職活動を行なっていました。ある程度人事の経験を積むことができてきた中で、なんとなーく自分がコンフォートゾーンに入ってしまっている感覚があり、このままだと良くないなと思ったのがきっかけです。そんな相談を社内の先輩にしたときに、『新たに設立するJVがあるけどそこの人事をやればどうか?』と言われたことがきっかけで、いまの会社に出向という形でジョインしてきました。

出向開始、人事立ち上げ

そんなこんなで、今年の2月に出向という形でJVに入社しました。その時点でその会社にはすでに60名ほどが所属(出向社員や業務委託社員など。プロパー社員はまだゼロ)。一方で人事社員はまだいなかったので、まずは人事機能の立ち上げをする必要がありました。
※採用は超注力領域なのでこれとは別の動きです。自分は採用以外の人事機能の立ち上げを行いました。以下採用以外の話になります。

人事機能の立ち上げとなると、まずは人事労務周りのベースを整えることから始まります。ただここで一つ問題が。それは、自分に人事労務の経験がなかったことです。人事労務領域は避けてきたものだったので、正直めちゃめちゃ不安でした。人事機能の立ち上げとなると人事労務の知識は当然不可欠ですし、この会社では人事労務のプロとしての仕事が求められます。やばい。

本当に何から手をつければよいのかわからなかったので、最初は(今もですが)とにかく頼る人を探しました。親会社双方の人事の方や、他社の人事の方、同じような境遇を経験した人を紹介してもらったり、時には労基署などにも行って、とにかく最初に何をしないといけないのか、何が欠けてたら会社としてまずいのかを聞きまくりました。正直同じ質問も何回もしてたと思いますが、それに付き合ってくれた方々には本当に感謝してもしきれないです。
いまだに助けてもらう場面もたくさんありますが、やっぱり最初に頼れる人をいち早く(なるべく多く)見つけることが重要だと思います。

とりあえず、プロパー社員が4月から入社することがその時点で決まっていたので、2月・3月の間で人事機能の立ち上げをする必要がありました。その間にやってきたことを記載します(当時のメモ含め)。
今後同じように行き詰まった方の参考になれば。

■労働保険の手続き
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/howtoroudouhoken/index.html
プロパーがいなくても必要。"労働者(パートタイマー、アルバイト含む)を一人でも雇用していれば、業種・規模の如何を問わず労働保険の適用事業となり、事業主は成立(加入)手続を行い、労働保険料を納付しなければなりません(農林水産の一部の事業は除きます。)。"
①『保険関係成立届』の提出→申告書を記入し、労基に届出
②『概算・増加概算・確定保険料申告書』の提出→概算での保険料納付を行う。確定の納付は年度明け(夏頃)に確定清算する形になる。

■従業員代表の選出
就業規則の制定や労使協定を締結するにあたり、従業員代表の選出が必要
・従業員代表の選出
・選出後の対応内容のすり合わせ

■組織・人員情報の整理
・組織や人員のデータが散り散りでまとまっていなかったので、出向元各社にラリーしながら正しい情報の整理。
・出向情報のやりとりもいろんなところで発生しているので、その整備もしなければならない。

■派遣管理の仕組み構築(派遣元契約、e-staffingセットアップ)
・立ち上げと契約引き継ぎ(もともと親会社側の契約だったのでそれの切り替え)
・派遣会社との契約
・e-staffingセットアップ
・新規採用

■就業規則の制定
素案はJV設立時にすでに合意済みなのであとは以下対応。
・従業員代表に確認
・取締役会での決議

■労使協定の手続き
素案はJV設立時にすでに合意済みなのであとは以下対応。
・従業員代表への確認
・社長承認

■健保の入会手続き
・入会手続き(書類多かった)

■社労士さんとの契約
・社労士事務所の選定
・委託業務内容の整理、契約対応

■人事管理システムの選定・導入・セットアップ
・システムの選定・導入
・ゆくゆくは人事DBをちゃんと作って管理・活用していきたい

■労務管理(給与計算)システムの選定・導入
・社労士さんと連携できるものを選定
・マイナンバーの扱いが別格なので要注意

■勤怠管理システムの選定・導入・セットアップ
・システムの選定・導入
・セットアップは大変(規則をシステム上に正しく反映しないといけない。そこまで種類が多いわけではないが、それでも二週間くらいかかった)

■コロナ関連労務対応
・基本的に親会社の動向をみて決定
・在宅勤務やフルフレックスの暫定導入など

■給与テーブル設計
・いろいろあって変更対応もあり、一から設計。

■プロパー入社準備
・オリエンテーションの内容検討
・書類準備

全部ではないですが大方こんな感じです。
ただしここに書いたのはあくまでもハード面の対応でしかないので、これとは別で人事として重要な、社員一人ひとりの才能と情熱が解き放たれる仕組み作りも重要です。この期間では一部社員との1on1くらいしかできておらず、その点はもう少しやらないといけなかったなーと反省しています。結局これについては4月以降から動くことにしました。
話を戻して、上記メモについては粒度バラバラではありますが、とにかく迷ったら人に聞いて、止まる時間をなくすようにしたのでなんとか最低限やりきることができました。(実はそのときは兼務出向という状態だったので、主務(原籍)側ではコロナ下における新卒受け入れと新卒研修もやってました。さすがにこれをやりきれたときは自分で自分を褒めました。)

これ以降〜いま

とはいえこれで人事機能が綺麗に立ち上がったわけではないです。先ほども記載した一人ひとりの才能と情熱を解き放つための仕組み作りとして、人事方針や人事制度を設計したり、組織サーベイを実施したり、マネジメント強化に向けたプログラムを設計したり。
一方でハード面でも、他規程を制定したり、産業医の先生を決めたり、衛生委員会を立ち上げたり、福利厚生を拡充したり・・・などなど。
まだまだできていなくてこれからやろうとしているものもありますが、ここを書き出したら長くなるのでまた別の機会に。

明らかに後半にかけて書くボリューム減っちゃってますが笑、疲れたのでここまでにします。

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