NEW GUNてどんな感じ?〜vol.19〜
10月の末に引っ越しが決まり、9月の末にマンションの解約の手続きをした。
自転車かバスで行く距離の不動産屋さんに歩いていく。
乳がん患者の間で「人参ジュース」「ウォーキング」は割と評判がよく、身体を動かすこつをつかんだ私はウォーキングを生活に取り入れるようにしていた。30分くらい歩くと汗がにじんできて、そこに至れば身体の循環が良くなり体調がいい。
あまり仕事をしていなかったのもあって、2〜3日に1度友人に会ってはウォーキングに付き合ってもらいがてら散歩をしたり、離れた駅から帰ってきたりした。
SNSでがんに関する民間療法のページを教えてくれる人もいて、出来ることは色々やってみようと思っていた時期だった。元々低体温だったのだが、この体質ががんになりやすいなど、あらためられることはあらためようと思って素直に受け入れた。
10月の半ば。お風呂に入った時に傷口の辺りに目をやるとうぶ毛よりは濃い感じの毛が傷口周辺に群生していて驚く。(結構気持ち悪いです)
病院で先生に聞いてみたら、身体を守ろうとしているんでしょうね、とのことで、人間の身体ってすごいなーと感じた。
腕が上がったかと思ったらホルモン療法が始まり、副作用のホットフラッシュに悩まされたり、ひと山超えるとまたひと山…という感じだったが、性格的に割と前向きにがんばれていたと思う。親しい友達にはなるべく会って話をして、大丈夫なことを分かってもらおうとしていた。
仕事もあまり役に立たない自分を受け入れるのはなかなかしんどかったけれど、今までの生き方を変えるチャンスなのだと自分に言い聞かせた。人の好意を素直に受け入れられる自分になろうと思った。
10/25 通院日。
「生検の結果が更新されました。ホルモン療法は一旦中止。抗ガン剤の投与を始めます。併せて年明けからはハーセプチンの投与も行います。ホルモン療法が良いとされていた時期もあるのですが、治療に関しては日々情報は更新されていて、今この情報も2〜3年前に研究されたことが今になって活きてきているんです」
世界が真っ暗になった。退院直後は抗ガン剤もあるかもしれないと覚悟していたのだけれど、大丈夫と油断していたところにやってきた治療の変更は余りにも残酷だった。
味覚障害…。なんかもう終了のお知らせを受け取った気分だった。
ついでに医療費も跳ね上がることが決定。どうにかするけど、どうにかなるんだろうけど、いろんなことが不安で不安で仕方がない。
夜は同じ病気の知人友人に電話をかけて話を聞きまくり、がんばるきっかけをつかもうと思ったけれど、夜遅くには友人に電話しながら不安をぶちまけ、大泣きしていた。胸が無くなったことはそんなショックじゃない。髪は抜けてもまた生えて来る。でも、味覚は狂ったら取り戻すのは容易くないだろう。
【EC療法】副作用:比較的強い消化器症状(吐気、嘔吐、食欲低下など)、脱毛、骨髄抑制(白血球減少に伴う発熱、血小板減少、貧血など)、味覚障害、膀胱炎、心筋障害、皮膚・爪の色素沈着など
【パクリタキセル/アブラキサン】副作用:白血球減少、好中球減少、末梢神経障害、脱毛、筋肉痛、リンパ球減少、関節痛、無力症、運動障害、貧血、単球減少、発疹、赤血球減少、ヘマトクリット減少、悪心、食欲不振、疲労、下痢など
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