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NEW GUNてどんな感じ?〜vol.20〜

「すいません。治療方針が変わりました」

ただでさえ大迷惑をかけている職場に抗がん剤のことを伝える。とても気まずいが、職場の上司は理解があって助かった。

そして、そのまま引っ越し休暇。別居した時に手伝ってくれたそのままの友達が荷物をとりにきてくれる。

「こっちの引っ越しの方がいいよw」

そうだよね。わはは。

「ところで、世の中には片胸フェチというのがいてね…」

今度旦那とダメになったらお世話になります。。。しんどいときは笑わせてくれる人が好きです。


引っ越しの翌日は大変お世話になったTさんの命日の集まり。フェスを創った人たちのひとりだ。私もフジロックの仕事で出会った。

懐かしい顔、Tさん亡き後の若いスタッフさんたち、再会と新しい風。会の最後に大人たちがTさんについて若い人たちに語る。真ん中の世代である私たちも随分大人になったんだな、と感じる。フェスも20年経ったのだ。

その頃は少しお酒を呑んだりしていたのだけれど、抗ガン剤はアレルギーが出ると効いていたので、この日で禁酒することにした。

Tさんの前に置かれた気の抜けたビールを呑みきって終了。

Tさんは胃ガンで亡くなった。いろんな人がいろんな声をかけてくれた。みんなのツラい傷をえぐっていたかもしれない。でも、私は治るのだ。大丈夫。


翌々日、初抗ガン剤。うわさの毒々しい赤い点滴。

血液検査、検温、血中酸素濃度、心拍数、血圧、体調チェックをしてOKだったら点滴となる。

EC療法

強い吐き気止めを服薬。(イメンド)

吐き気止め(アロキシパック+デキサート{15}+生食)

抗ガン剤(エピルビシン+生食)

抗ガン剤(エンドキサン+5%ブドウ糖)


ひとりで電車のって帰れるんかいな?ってくらいグロッキーになり、病院で休んで帰る。霊とかに取り憑かれてるよ!って言われたら信じちゃったかもしれないくらいの自分の身体じゃない感じ。

家についてからはとにかくトイレとお友達。抗ガン剤は吐く人が多いらしいのだが、私は意外と薬が効いて吐きはしなかった…が!ずっとお腹が張って苦しく、小さい方は何度トイレに行っても普通量。夜中もそうなので熟睡出来ない。ひたすらだるく、とりあえず3日間休みをとっているのだけれど、10日目くらいまで仕事(4〜5時間)行くのが精一杯。手足が辛く、家では普段あまり観ていなかったテレビを見る習慣がつく。(座って出来ることを探している感じ)



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