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講師と受講者 〜僕を活かした受講者たち〜

ひと山越えた春、僕は明らかにこれまでと違う景色を見ていた。

9月から始めた短編投稿、前回のお話はこちら↓

入社早々に患った心の病を克服し、自分の限界を知った上で任されたのは「重度訪問介護従業者養成研修」のゲスト講師の仕事。
介護福祉士の資格と同時に社会福祉士資格も有する精鋭チームで、今も利用する同サービス利用者として、ヘルパーの皆さんに何を大切にしてほしいかを本気で考え、(綺麗事だけではない)リアルを伝える。

それは僕にとって、それまで感じたことがないほどやりがいがある仕事でした。

当時、僕が担当していたのは以下の4コマ。(各30分)


①在宅での介助における介助者の心構えと役割について
②(外出)実習オリエンテーション
③障害児(者)とのコミュニケーションに関する理解
④基礎的な介護技術に関する知識

正式な講師要件には介護福祉士取得がありましたが、どう頑張っても(実習があるため)介護福祉士が取得できない。
それでも「ゲストとしてならOK!」ということで、オリジナル科目も交えてお話しさせてもらっていました。身にあまる大役でしたが、研修チームに抜擢される直前に他のメンバーと同じく、社会福祉士国家試験に合格していたことも大きな自信につながりました。

その上でいつも考えていたのは、①徹底的に受講者の心情に寄り添うこと。そして、②男女問わず使えるちょっとした介助のコツ&タメになる話題を提供することでした。

当時の資料(2014)

バリバリの20代、当時の写真を探したのですが、見つからなかったので自作の資料を載せることにします。(※視覚障害の方が読んで下さっていたらごめんなさい🙏)

こんなふうに投影用のパワポと配布用のwordを作って講義に臨んでいました。

受講者の中には当然、私たちのところで取得しても他社に属される方もいますし、自宅でご家族の介護に役立てたいという方もいらっしゃいました。
当然、長い目で見れば僕のところには同性の介助者しか来ないものの、「女性目線に立って講義をしてくれてありがとうございました」とか、「お話し面白かったです!」と言われた時はやっぱり嬉しい。

当時はこんなふうに思っていましたが…


稀に山梨や北海道などから泊まりがけで来て下さる方もいて、そんな時は「絶対に後悔させない!」と一層気合いが入りましたね。
終了後、晴れやかな笑顔で「地元で頑張ります^^」と言ってくれた方々が今も元気で活躍されていることを願うばかりです。

今の考えはどちらかというとこちらに近いかもしれません。

当時は20日間勤務があるとすれば、5日は講師の仕事をしていました。
今、人前に立っても全く緊張をしなくなったのは間違いなく、この時期にルーティーンや発声の仕方、間合いや抑揚の大切さを身に染みて実感し、練習を繰り返したからです。

最後の数年は社内研修も同時に担当。かなり過酷でしたが答えのない問いを立て、参加者に講義→グループワークをファシリテートしていく日々はとても楽しかったですね。

2015年〜、1人で立案・実行した社内研修のスケジュール


これらの経験は確実に、現在のRyo室空間の運営に活きています。
そんなわけで、次回は今につながるちょっとだけ前の話を。

過去を活かして今日も行く。(※昨日更新!)


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