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100日後に年越すオレ 95日目「ひ:ひょっこりひょうたん島」

いよいよカウントダウンが始まる、”いろは順”エッセイの四十四日目、本日は”ひ”です。

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"ひ”で選んだ題材は、「ひょっこりひょうたん島」。僕の敬愛する井上ひさしさんと山元護久さんが原作のNHKの人形劇ですね。初回の放映開始は1964年~1969年。僕が見ていたリメイク版は1991年~1996年の放映でした。あとは2003年にテレビ放送50周年記念として1年間アンコール放送され、その時にテーマ曲をモーニング娘。が歌って話題になりましたよね。


そのひょっこりひょうたん島にはちくま文庫から出版されている台本があり、僕にとっては小学生の頃に自分のお小遣いを貯めて揃えた、初の活字本だったりします。そして原作者である井上ひさしさんに憧れたこともあって大学では近現代日本文学を専攻し、卒論のテーマには井上ひさしさんの”吉里吉里人”を選ぶことになったわけなので、ある意味僕の人生を変えた作品とも言えるかもしれません。

そんな大好きなひょっこりひょうたん島ですが、実は今、映像作品として触れることが困難だったりするんです。そもそも2003年のタイミングで発売されたDVDボックスも絶版になっていてAmazonで10万円もするし、そのDVDボックス自体も沢山あるシリーズの中の一つだけだし、どうしようもない状態・・・。僕もDVDやキャラクターソングCD、ちくま文庫の書籍、もっというと僕の中では名作と評価しているファミコンソフトのパズルゲームまで揃ってはいるものの、この作品の魅力を他人に伝えることが出来ない歯がゆさを感じています。今ならばストリーミング配信も出来るわけで、何とかNHKさんには頑張って欲しい所ですね。そうなったら多くの人が見るんじゃないかなあ。DVDまで買わなかったとしても、ネット配信なら見たいという人は多いはず。


さて、ひょっこりひょうたん島の魅力は、個性豊かなキャラクターに多彩なストーリー展開、そしてミュージカル風の演出などがあるのですが、そうした魅力は多くの人が書いていると思うので割愛します。でもほんとキャラクターが大好きなんですよね。僕はずっと絵を描くのが本当に苦手で絵心が無さすぎるんですが、それでも小学生の時に必死に練習したドン・ガバチョマシンガン・ダンディの二人だけは、今でもかなりうまくソラで描くことが出来たりします。年々その二人を認識してくれる人が減ってきているのがちょっと寂しいのですが・・・。


そんな作品の舞台である”ひょうたん島”のモデルとなった島というのは複数あるんですが、その中でも最も有名なのが岩手県大槌町にある”蓬莱島”なんですよね。こういう動画もあるくらいに。

そんな大槌町に昨年夏、初めて行ってきました。釜石駅から三陸鉄道に乗って大槌駅へと到着すると、駅舎の至る所にひょっこりひょうたん島のキャラクターが! そして駅自体の外観もひょうたん形にしているというこだわりっぷり。これはファンには嬉しすぎますね!

色々と写真を撮った後には、蓬莱島へと向かうことにします。タクシーを呼ぼうとも思ったんですが、せっかくなので(というより次の列車が来るまでかなり時間が空いているので)ウォーキングがてら歩いて向かうことにしました。距離にして4キロちょっと。ゆっくり歩くと一時間くらいですね。

その蓬莱島、確かに遠目はひょうたん島そっくり! 特に灯台があるのがポイントですね。もちろん島の大きさ的にはかなり物足りない(蓬莱島の面積はわずか740㎡)わけですが、それでも島のモチーフだと言われると納得するほどに似ています。

大槌町は東日本大震災でかなりの被害に見舞われてしまいます。特に町長を含めた数十人の町役場の職員たちが庁舎で津波に飲み込まれて命を落としてしまうという悲劇がありました。あとは大型の観光船「はまゆり」が2階建ての民宿屋根の上に乗るという、津波の恐ろしさを見せつけるような光景があったのも大槌町でした。

この蓬莱島も大津波によって灯台や鳥居は倒壊してしまったものの、数年後にはそれぞれ再建され、前述の動画のように町の復興のシンボルとして今に至るというわけです。
このキャラクターが賑やかな大槌駅も、震災で流失してしまった後に建て替えられたもの。そうした悲しい歴史を踏まえてのひょっこりひょうたん島のキャラクター起用なのかもしれません。作品内で様々な困難に立ち向かう姿が勇気を与えたということでしょうか。

復興のシンボルにもなる「ひょっこりひょうたん島」、やはり多くの人にもう一度見て貰いたい作品なので、NHKさん何とかネット配信お願いします!


ちなみにファミコンの方のゲームがどんな感じか知りたい方はこちらからどうぞ。


そして最後に余談ですが、実は徳島市の中心部にある中州がひょうたん型の形をしていることから「ひょうたん島」として呼ばれるようになったほか、観光クルーズとして「ひょうたん島クルーズ」を運行していたりします。
そのひょうたん島の入り口には「ドン・ガバチョ」という名前の居酒屋もあるんですよね。いつか行ってみたい!


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