小さな差が、数年後には大きな差となる
「塵(ちり)も積もれば山となる」というように、塵ほどの小さなこと、ちょっとしたことであっても、それを毎日コツコツと続けることで大きな力(ちから)となり、それが他人との大きな差となります。それは善悪どちらにも言えることで、善を積み重ねれば人生を良い方向へと変えていく力となり、反対に、どんなに小さな悪であったとても、それが積み重なることによって人生は転落していきます。そう思えば、人生どんな時も塵ほどの思い、言葉、行動を決して軽視してはいけないのです。
元大関・琴風の尾車親方いわく「一番怖いのは病気でも怪我でもなく、他人でもなく、自分自身」とのこと。なぜなら、努力するのも、怠けるのも選んでるのは自分であり、人生の舵を取っているのは自分自身だからです。尾車親方は稽古が終わった後、お弟子さんたちに次のように指導されています。「ここまではお前がやったんじゃないよ。親方が言うからやったんでしょ。ここまではやらされたんだ。ここからお前が誰のために頑張るかだよ。」
言われたことを言われた通りにやったからといって、誰もが一流になれるとは限りません。しかし、少なくとも、言われたことをちゃんとやらなければ一流になることはできません。そして、例外なく、言われたこと以外に、自分自身で努力精進を重ねてきたのが一流の方々です。尾車親方も現役の頃は「お袋のためにもう20回」「出世を待ってるおばあちゃんのためにもう20回」と稽古の後、余計に四股を踏み続けて、厳しい世界を勝ち抜いて大関にまでたどり着くことができたのです。