NovelJam参戦記

NovelJamとは

「著者」+「編集者」+「デザイナー」がチームを組んで、本を書いて売るまでを一気に押し進める短期集中型創作&販売企画。「小説ハッカソン」的なイベント。

詳しくはこちらをどうぞ。

今回で4回目となるNovelJam。私は4回目の参加となります。
気がつけば皆勤賞。こんなはずではなかった。

なぜ第4回NovelJamに参加したのか

過去に著者2回、編集で1回参加していたので単純に席空けようぜ、と思っていました。ただ運営さんから「編集が足りない」と何度かご連絡いただきまして。もったいぶった感があるんですけど、なんというか、先輩風吹かせる人がいると嫌じゃない? いや吹かせなきゃいいって話なんだけど、私は吹かせちゃうもん、ごめん。
あと、めちゃくちゃ運営にお世話になっている方々がいたからっていうのも大きかったです。

チームビルディングについて

これまでさまざまな方法で行われてきたチームビルディング。
今回は編集の指名によるドラフト制でした。
当日に初めて会った人と創作やるんじゃなかったの? と思ったんですが、事前に準備するかどうかはチーム毎にゆだねられていたようです。それにこのシステムのおかげで、当日はスムーズにイベントがスタートした気がします。
個人的にはドラフト制はイベント開始前からなんだか疲れてしまいました…笑 指名される著者さん側は、人によってはめっちゃ気持ちが荒んだのではないだろうか…そんなことない? 私がチキンだからかな。

ドラフトにあたって、私はマイルールを2つ決めました。
まずは下記のような文面をツイート。

ルール1:最初に連絡をくださった方を指名する。

このツイートをして本当にすぐに戸森くまさんからご連絡をいただきました。めっちゃ早くてびっくりした(笑)

ルール2:Twitterで参加表明&積極的にツイートしている方は入札ギリギリまで待つ

理由は簡単、そういう著者さんは「指名したい」と申し出る編集さんがきっと現れるであろうから。
私もそうなんですけど、望まれて組んだほうが、著者さんの精神衛生上、絶対にいいと思ったから。
くまさん以外に3人の方からご連絡いただいていたんだけど、結果、入札段階で全員ほかの編集さんに指名されていた。だよねー、そうなるよねー。
ちなみにくまさんには3回ぐらい「本当に私でいいんです?」と確認した…。今回の編集陣はほぼプロなので、せっかくならそういう人と組みたいと思うのではないかと。私だったらそう思うしなー、って。

となると、次は自分が指名したいという著者さんをチェックしなければなりません。
2位には「組んだら楽しそう」という人を指名。
3位には「この人と組みたいけれど、おそらくほかの人が指名しているであろうから記念指名」という人を。

この3位で指名したのが式さんでした。
同時期に行われていたブンゲイファイトクラブ1回戦の式さん作品を読んで「この人のほかの小説をもっと読みたい」と思ったのが理由。
いやでも、こんなおもしろい作品書く人、絶対にほかの編集さんが指名しているから無理でしょ、と思って当日、会場に行ってみたら式さん同じチームだった。うわ、ラッキーすぎる……。

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デザイナーさんについて

当日のチームビルディングとなったデザイナーさん。
人選に関しては著者さん2人にゆだねる形となりました。
チームメイトとなった岸端さんは、早い段階から戸森さんが「この人がいい」と言っていたし、式さんも同じく。
表紙のデザインはモチベーション上がるから、著者さんが組みたいという人が一番。
となれば、どうしてもご一緒させていただきたい。ということで、チーム決定前にメンバーで岸端さんにご挨拶に。
てかこの方めっちゃかわいいな~、とデレデレする私…(顔が緩んでいた我)

チームのスタンスについて

私が事前に用意していったのはタイムスケジュールとグランプリ施策。
……なんだけど、著者さんが2人そろって
「んー、グランプリは別にいいかな」
という感じだったのですぐに施策は捨てた。私程度が思いつく施策なんぞポイだ、ポイッ!
グランプリ施策、編集ひとりでやるにはさすがに限界があるので……それに望まれていないものがんばるのは空回りだし……「欲しいか?」と聞かれたら「うーん、私もうグランプリ(第2回)受賞者だしなー」となりますし(すごいマウンティング)。
と言うわけで、スタートの段階でチームの目標は
著者さんそれぞれが作品賞、デザイナーさんはデザイン賞獲得
となりました。
言うのは簡単だけど、めっちゃ大変なやつ~!

いざ製作タイム!

今回の作品テーマが発表されていよいよ執筆スタート。
まずは自己紹介しつつブレストタイム。
式さんは息をするように創作をしているのでネタ帳を見せてもらいつつ、戸森さんのアイディアを聞く。
1時間ぐらいやっていたけれど、それだけで人となりが分かるのでよかった気がする。実際にお話するの大事。
あと、みんな大量にお菓子を持ち込んでいて食べきれないぐらいだったのはちょっと笑った。

始めるときにそれとなく言ったのは2点(著者さんが覚えていない可能性は大・笑)

①上限1万字だけど、5,000字目安で制作する。
②今回のNovelJamで作成するもので話が完結していること(続編を書く構成ではないということ)

この2点は自分が著者で参加したときの反省点だったので……。
グランプリ目指すなら②は違ったかなー、まあその時々によるかなー。

1日目のプロット制作~執筆中については私はチェック以外は特にやることもないので自分の仕事の原稿を進めたり、差し入れに来てくれたOGと遊んだりしていた。
とは言え、人の原稿を見るのってとてもとても脳みそを使うので最後のほうは頼もしいフェローに助けを求めたりしていました。
今回のNovelJamからの新制度のフェローはめちゃくちゃ良い試みだったのではないだろか……。人選のバランスもすごく良いし、客観的な意見が欲しいときには頼りがいがあるし、編集と著者が対立したときのクッション(言い方)になる。私に至ってはプレゼンの資料を見てもらったりしていた。というか、お2人とも編集で参加したらよかったのに……(超個人的)

編集の立場から、いくつか作品の方向性で迷った点はあった。
でも、「どうしてもここは変えたほうがいい」というポイント以外は著者さんが書きたいように書く、っていうのが一番かな、と。

NovelJamにトラブルはつきものである

チーム内でのトラブルはほぼなかったんだけれど、デザイナーさんの機材が起動しなかったり、電子書籍がちゃんと中身の反映がされなかったりなどした……。毎度血の気が引く……いや私のせいじゃないんだけども……。
そして各作品のプレゼンタイム……私が担当したのだけれど、トラブルというよりは事故だな、あれは。チームメイトの不安そうな顔が忘れられない、本当にごめん……。手が震えるのが分かっていたからマイクも持たなかったんだけど、五十歩百歩って感じ(?)

でも、終始みんなニコニコしてくれていてて、それだけでもすごく空気がよくなったな、って思いました。
言ってみれば、即席のチームなわけです。気が合わない人がいる可能性だって大いにあり得る。それでもちゃんと回ったのはそれぞれが思いやりを持ってやれたからかな。いや、いい意味で他人に興味がなかったって場合もあるけども(笑)

結果

NovelJamの結果としては、

式さんの『多頭少女(左から三番目)の憂鬱』が米光一成賞
戸森くまさんの『失せ物は夕凪に』が有田真代賞
デザイナーの岸端優奈さんは『失せ物は夕凪に』で優秀デザイン賞

でした。
すごいーーー! 全員受賞ーー! 目標達成ー!

岸端さんは
「デザイン賞獲れたら嬉しいけど、チームのみなさんがすごく褒めてくださったのでもうそれだけで十分嬉しい」
と当日終わったときにおっしゃっていたんだけど、だからこそ受賞はとっても嬉しい。

著者のお2人に関してはもともと実力があるお2人なので、受賞にホッとした、というところです。
NovelJamの受賞をそれぞれがどう受け止めるかは分からない。
ただ、少しでもこれからの人生の役に立てばいいな、と思います。

さいごに

思う存分、NovelJamを楽しんだので、次回あるとしたら著者応募するか、観戦席からやんややんや言っていたいと思います。

今回のNovelJamはこれまでと変わった部分も多く、大変だった中、参加者が「楽しかったー!」と終えられたのはひとえに運営のみなさまの試行錯誤と苦労によるものだったのではないでしょうか。
本当にありがとうございました!

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