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長期休暇を取ったら生きるのがほんの少しラクになった、という話。

9月。16日間、仕事を休んだ。
3連休以上は6年ぶり。これまではだいたい旅行などでの連休だったし、旅先でも仕事をしていたので、何もないのにこれだけ休むのは初めてかもしれない。

時間ができたのは流れてしまった案件があったことと、スタートが遅れる案件があったから。
いつもなら仕事がないと焦るのだけれど、一度休んでみるのもいいかもしれない、とふと思った。幸い、今月は働かなくてもいいぐらいのギャランティが入るし(珍しく、振込が遅れている案件が複数あった)。
あと、今年の始めに「ふくちゃんは今年天中殺なんだよ~」という話を聞いていた。天中殺の間は心も身体も休めたほうがいいらしいというのも頭の片隅にあったからかもしれない(あと奉仕、勉強がいいんだとか)。

映画を観て、小説を読み、気になっていたマンガを一気読み。福岡に旅行に行き、箱根でライター仲間と執筆合宿。前から呑みに行こうと言っていた人たちとの約束も果たせたし、おいしいものもたらふく食べられたし、夫とも出かけることができた。
日によっては、お弁当を作って夫を送り出してから家事をし、珈琲を飲みながら本を読む。簡単にランチを作ってから、今度は映画を観ようか、本を読むか迷っているうちにちょっと微睡んでみたり。日が暮れてきたころに夕飯の支度をして、また本を読みながら夫の帰りを待つ。
(まあこんな日は2~3日ぐらいしかなかったけど)
全く仕事がないわけではなかったので、空いた時間にいくつか仕事をこなす。なんだこれ、悠々自適か。

それだけ長く休むと、ちょっとした変化も起こる。
普段から5~6時間は寝ていたので、睡眠不足の自覚はなかったのだけれど、まあよく寝る。夫に「気配がないと思ったら寝ていた」と何度か言われた。寝ていなくても「気配がしないことが多い」と言われるタイプですけども。

あと、1人でお酒を呑むことが減った。なんとなく習慣(おい)でビールを空けたもののふっと「あ、なんかお酒飽きた」としゅるしゅると熱が冷めたのだ。人と呑みに行くことは変わらず楽しいけれど、1人呑みは急に飽きてしまった。でも、これはまた仕事が忙しくなってきたら元に戻るかもしれない。

もうひとつはこれまでずっと悩んでいたいくつかのことが解消された。解消というのは正しくないか。「どうでもよくなった」と言ったほうがいいのか。わずらわしいと思っていることに時間を割くのはムダとは分かっているのに、つい考えてしまっていた。それが、霧が晴れていくみたいに「あっ、もういいや」というあっけらかんとできたというか。
それよりも、自分が何をしたいか、どうなりたいか、やりたいことは何か、というのがハッキリと分かって、何をすべきが見えた気がする。

フリーランスは、働いたら働いた分だけギャラに反映されるけど、働かなければお金は入ってこない。当たり前のことだ。それが怖くて、自主的に休みがとるということがなかなかできずにいた。一度休みに入ったら、そのままずっと休みになると可能性だってゼロではないのだから。
でも、心身共に休ませることで頭がクリアになるのは事実だった。どれだけ余計なことをごちゃごちゃと考えてしまっていたのだろう。それが無駄なことだとは思わないけれど、たまにはそういう「自分の思考を一旦捨てる」ということを意識してやってみてもいいかもしれない。

とは言え、忙しいほうが性に合っているらしく、なんとなくモゾモゾとした居心地の悪さも感じたり。仕事がある安心を改めて実感できたわけだし、またガリガリと書く生活に戻っていくのが楽しみだったりする。〆切に追われていつもハラハラドキドキしている時間に少し疲れていたはずなのに、不思議なものだ。今度はいつになるか分からないし、そんなに頻繁にあっても困るのだけれど、また長期休暇は取ってみるつもりだ。

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