インサイトアイキャッチ

IDEO Uでの学びシリーズ⑤インサイトとは?

インタビューやユーザー観察、共感を通してたくさんの情報や発見があったと思います。では、どうやってインサイトとそうではないものを見分けるのでしょうか?

インサイトとは?

インサイトは

「インタビューやユーザー観察、共感のプロセスで学んだことを簡潔に表現できるもの」

です。自分の頭の中で閉じ込めていてはいけません。チームと共有することで後に続くプロセスを刺激することができます。

インサイトを構成する要素は3つ。判別のための問いも用意しています。

・オーセンティックであること
つまり「本物である・信頼できる」ということです。傾向ではなく実感から導かれたもの。生の声である、だから本物であって信頼できるものなのです。
Q.「それ、自分の中で納得感ある?自分の中で掴んだ!って感覚ある?」
・他人が知らないこと
ググって分かることはインサイトと呼ぶことは難しいでしょう。チームだけが知っている、感じていることでなければなりません。
Q.「それって、そこら辺の人が知っていることじゃないよね?」
・何かを明らかにしている
人が本当に感じていること、考えていることを垣間見せるものです。
Q.「それって、本音かな?」

インサイトの判別には長い訓練を必要としますし、多くの人が磨いていくものです。できなくて当たり前。それくらい難しいことにチャレンジしているのです。

でも、インサイトを作る”コツ”もちゃんとあります。

①光を照らしてくれる
人のWantとNeedを明確にすること。

②インスパイヤされる
それは「今すぐ何かしたい!」と思わせることだろうか?

③頭から離れない
頭から離れないフレーズで、他人とシェアしやすい?

ひょっこり現れないのがインサイトです。考え抜くしかありません。

具体例としてIDEOではペルーの教育支援が挙げられています。当時ペルーの教育システムは最低ランクに位置していたそうで、質の高い教師が必要でした。

リサーチを進めていくと、どうやら教師は生徒のサポートで忙しく自分の学びに使える時間がない、研修をしたいが機会がない、他の先生と交流したいという思いがあることに気づきます。

このことから「教師は自分自身に使える時間がない」というインサイトを作ります。これは

①光を照らしてくれる
人のWantとNeedを明確にすること。

を満たしてくれていますが、具体的にどうすればいいか見えません。

そこで「教師は継続的な学習のつながりを望んでいる」とします。少し具体的ですね。ただIDEO的にはイマイチらしいので、最後に

「自らを省みるために、教師はつながりが必要だ」

とインサイトを定義したそうです。このインサイトを元に教師のためのリソースセンターを作り、教師同士が繋がれる広大なネットワークを構築したということでした。

では、実際にチームで行うときはどうすればいいのでしょうか?
IDEOでは星座に例えて4つのステップを踏んでいくようです。

①星を捕まえる
インタビューやユーザー観察、共感のプロセスをチームと共有し、それぞれ興味深いと思ったことをポストイットに書いていきます。長々書くのはNG、簡潔にはっきりと書きます。

②星をつなぐ
一つ一つのポストイットはどんな繋がりやテーマがあるでしょうか?グループにまとめたり、関係性を見つけていきます。特に注目するべきポストイットやストーリーをハイライトしておきます。

③星座を形作る
ここでインサイトを作ります。要素とコツをおさらいしましょう。
【要素】

・オーセンティックであること
つまり「本物である・信頼できる」ということです。傾向ではなく実感から導かれたもの。生の声である、だから本物であって信頼できるものなのです。
Q.「それ、自分の中で納得感ある?自分の中で掴んだ!って感覚ある?」

・他人が知らないこと

ググって分かることはインサイトと呼ぶことは難しいでしょう。チームだけが知っている、感じていることでなければなりません。
Q.「それって、そこら辺の人が知っていることじゃないよね?」

・何かを明らかにしている
人が本当に感じていること、考えていることを垣間見せるものです。
Q.「それって、本音かな?」

【コツ】

①光を照らしてくれる
人のWantとNeedを明確にすること。

②インスパイヤされる
それは「今すぐ何かしたい!」と思わせることだろうか?

③頭から離れない

頭から離れないフレーズで、他人とシェアしやすい?

④星座のストーリーを語る
写真やイラストを使いながら物語を語ります。素晴らしいストーリーテリングはまるで「聴衆がその現場にいるような感覚」を呼び覚まします。

最も大切なことは?

インサイトを共有した後、クライアントや対象者のために「これはやってみたい!」とモチベートされるかです。これがリサーチの真の価値かもしれません。

−−−

IDEO Uでの学びシリーズもこれが最後です。5回分をマガジンにまとめておりますので、こちらからどうぞ。


頂いた資金は子供支援団体などに寄付していきます。