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戦えば負けない戦力を擁して戦いを徹底して避ける。

司馬遼太郎の時代小説『』の下巻を読み進めている。中巻を読み終わり、熱海に置いてある下巻を読みたすぎて、金沢の本屋で購入してしまった。無駄な出費だが、いま読みたいのだから仕方がない。

この『』の主人公・長岡藩の河井継之助に感銘を受けている。

ときは大政奉還後の世の中。旧幕府軍(東軍)と新政府軍(西軍)がバチバチに睨み合っている時代である。文字通り「日本が真っ二つに割れている時勢」の中において、長岡藩の筆頭家老であった河井継之助は、どちらの軍勢にも寄らず、徹底して【中立】を誇示し続けた。

本来は敵陣営であるが時流に乗った勢いある西軍に呑まれることなく、味方陣営であると見られていた東軍に付くこともなく、あくまでも【中立】を主張し続けているのだ。

もちろん、その主張を通すための準備は進めてきていた。いち早く西洋式の最新鋭の武器を買い漁り、江戸の混乱に乗じて多額の資金を生み出し、どちらサイドに攻め込まれても、勝てるまでではないものの戦を長引かせて負けない程度の戦力を用意していた。その上で、【中立】の立場を取っている。

そして、藩内でいかなる反対が巻き起ころうと、血気盛んな部下たちが「戦いましょう」と強く意見してこようとも、「戦ってはならぬ」というお達しを伝え続けた。なんと覚悟ある戦略であろうか。


彼の姿を見ながら(正確には彼を描いた小説を読みながら)、ある人物のことが頭に浮かんできた。オリエンタルラジオの中田敦彦である。


オンラインサロンのメンバーでもある僕は、彼(中田敦彦)のことを世間の人よりは間近に見ていると自負してる。毎朝サロン内で1時間の生配信をほぼ毎日実施している姿も、日々葛藤しながら前に進もうとしている姿も、近くでずっと見ているのである。その姿と河井継之助が、どこか重なって感じるのだ。

少し前からサロンに入っているメンバーであれば、彼が吉本興業という会社の中でどういう立ち位置にいるのか、薄らは聞いているだろう。表では多くを語ることはできないが、彼の戦略はまさしく「戦えば負けない戦力を擁して戦いを徹底して避ける」というもの。

オンラインサロンを運営し、アパレルなど物販事業も手掛け、YouTubeでは300万人登録を突破する人気配信者でもある。客観的に見ても、もう事務所の力など必要ないほどの力を持っているだろう。だけれども、必要のない戦いは避け続けている。とかく河井継之助と同じなのだ。


これから『』で描かれている河井継之助の物語はクライマックスに向かって一気に進んでいく。最後の最後までどんな展開になるのか、僕にはわからない。

それでも「戦えば負けない戦力を擁して戦いを徹底して避ける」という覚悟ある戦略を取れる人を僕はカッコいいと思うし、そんな才気ある人になりたいと思うのである。さあ、続きを読みに戻ろう。


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というわけで、今日の記事は以上です。
明日はガッツリ仕事します。

では、またあした〜!

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