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「~しちゃいけません」は効果がない(教える技術 3回目より④)

01月09日(木)から早稲田大学のエクステンションセンター中野校で向後千春先生の「教える技術」が始まりました。今回もそこで学んだことを障がいのある方への支援場面で活用すること、また支援者の働き方改革への活かし方考えて書いていきます。

3回目は、態度技能の教え方でした。講義では、前回の講義についての質問に答えたあと、OECDが報告した21世紀スキル、社会・情動的スキルについての説明がありました。その説明で気になる話がありましたの。今日は、そのことについて書きます。

何かをする、何かをしないという実行するスキルについての説明です。「~をしちゃいけない」という表現は、ある程度の言語的能力がないと理解できないとのことです。年齢でいうと3歳ぐらいまでは、「~をしちゃいけない」も「~をしてもいい」が混同してしまうといいます。

知的な障がいのある人は、人によって発達段階がバラバラです。全体的に発達がゆっくりな人がいれば、ある一部分が極めてゆっくりな人もいます。たとえば、年齢は30歳で、体つきはしっかりした大人です。しかし、作業能力や言語能力は中学生、何かを学習する能力は小学生、精神的な部分は3歳ぐらい、そういう場合です。

対人援助における支援は、相手のストレングス(強み)に注目をした支援をしなければいけません。しかし、注目の仕方を間違えることがあります。ストレングスを逆手にとって、○○ができるのになんでこれができないの、という注目の仕方です。

特に、支援者は、利用者のおしゃべりが上手だと、その人は全部理解できていると思い込みます。しかし、上手なおしゃべりは他者やテレビから流れてくる言葉の模倣であることがあります。支援者は、言っているのだからわかっているはず、と決めつけます。

支援場面において「~しちゃいけません」という声かけは日常、頻繁に耳にします。さらに、「さっきもダメって言ったでしょう」「何度も言っているでしょう」と続きます。さっき言ったばかり、もしくは何回も言っている、それでもその行動が繰り返されるのであれば、その言葉を理解できていない可能性も考えなければいけません。

そう考えると、禁止する言葉より、具体的方法を提案することの方が有効であるということがわかります。理解できます。相手が指示通りにできなくてイライラすることがあります。そのときは、動きやすいように具体的なきっかけを教えてあげることのがお互いにとって健全です。

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