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紙ナフキンの補充でサービスの質がわかる

ファミレス等で外食をしたとき、テーブルの奥に置かれている、ステンレス製のスタンドにたてられた紙ナフキンを意識したことがありますか。使おうと思って、一枚引き出すと、他の紙ナフキンが一緒に出てきます。ひどいときは、スタンドに入っている紙ナフキンが全部出てきてしまい、大変のことになります。今日は、その紙ナフキンの補充の仕方について書きます。

支援で大事なことはファミレスで学んだ

私は、障がいのある人が利用する事業所を経営しています。以前は、障害福祉事業のほとんどが、行政措置でした。しかし今は、事業所と利用者が直接契約を結び、サービスを提供します。福祉もサービス業の側面を持っています。

私が、この事業にたずさわって30年以上が経ちました。この30年間、私が大切にしてきたことがあります。その多くは、学生時代のファミレスのアルバイトで学びました

以前のnoteで、ファミレスで学んだ対人援助の極意というタイトルで、「(意識して)見る」ということについて書きました。今日は、紙ナフキンの補充から学んだことです。

紙ナフキンの入れ方でサービスの質がわかる

アルバイト時代にマネージャーは、「そのお店のサービスの質は紙ナフキンの入れ方を見ればわかる」と言っていました。紙ナフキンは、スタンドいっぱいに詰めてはいけません。指一本、スッーと入るスキマを残して補充します。そうしないとお客様が、紙ナフキンを一枚だけ抜き出すことができません。

お客様が紙ナフキンを抜いたとき、他の紙ナフキンが一緒に出てくると、お客様は嫌な気持ちになります。余分に出て来たものをもとに戻すと不衛生です。テーブルの上に放置されれば無駄になります。そうしないために必ずスキマを作って補充します。しかし、お店はおうちゃくをして、いっぺんに詰め込みます。いちいち補充するのは大変だと思いこんでいます。これは間違いです。テーブルを片付けるときに、補充することを習慣化すればまったく問題ありません。

福祉サービスでは…

私たち障害福祉サービスの現場でも、支援者の都合でまとめて詰め込んでいることがたくさんあります。それは、支援計画の目標や、覚えなければいけない作業工程などです。あれもこれもいっぺんに教え込みます。それなのにそれができないと、なんでできないの、と利用者を責めます。詰め込み過ぎは逆効果です。

詰め込みすぎは、事務の郵便発送業務でも起きます。おうちゃくをしていっぺんに大量の書類を送ると、その中のだいじな書類に気がついてもらえません。それが原因で、伝わらず謝罪することが多々あります。それでも皆さん、懲りずに詰め込みます。気がつかない方が悪いと思っています。

福祉サービスは、利用者本位が基本です。利用者本位は、利用者が望むことに応えるだけではありません。自分がそのサービスを使う視点で支援することです。

福祉サービスを充実させるためには、異業種から学ぶことがたくさんあります。




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