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仕事のこと

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2019年8月の記事一覧

家族会議を手本にしてみて

家族会議を手本にしてみて

課題解決のための会議の前にはパセージのテキスト開きます。パセージはアドラー心理学を基本とする子育てにおける親の育成プログラムです。そのパセージのテキストには対人援助に活かせるたくさんのコツが書かれています。

トラブルがあり、支援者より、日中活動にお金を持ってくる必要はないのではないかという提案が出されました。支援者の意見は、利用者は公用車による送迎だからお金を使う必要になることはない、持ってくる

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建設に反対する本当の理由

建設に反対する本当の理由

定期的に地域の方々とお話をする機会を設けています。お話をしていると福祉施設に対する誤解、地域の人たちの考え、私たちが気付かずに迷惑をかけていることを知ることができます。

福祉施設を作ろうとすると、その地域から反対運動が起きることがあります。そのとき、福祉関係者は、地域の理解が足りないと結論付けることがあります。しかし、お話をうかがっていくと必ずしも理解がないということではありません。いくつかの話

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それ、ヒヤリハットでいいですよね…

それ、ヒヤリハットでいいですよね…

ある利用者がある利用者のことを叩いてしまいました。言葉では上手に自分の想いを伝えることができず、人を叩いてしまうような利用者がいます。

報告を聞いた私は、事故報告書の提出をお願いしました。それに対して現場にいた支援者は、たいしたことがない、○○さんが叩かれたときはヒヤッとしたけれど、ケガもなくホッとした、だからヒヤリハットで良いのではないかと言います。しかし、「たいしたことない」と言っているのは

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「あたりまえ」を捨てよう(自分をバージョンアップ)

「あたりまえ」を捨てよう(自分をバージョンアップ)

先週、二日間に渡って、サービス管理責任者の研修に参加してきました。そこで障害福祉サービスの基礎的な制度と相談援助の基本を学びました。

その講義の中で講師がこんな問いかけをしました。

あなたはバージョンアップしていますか?

制度も人の価値観も目まぐるしく変わる時代です。「支援」という仕事に就く者は、その状況に合わせて的確に変化していかなければいけません。専門知識も状況に合わせて書き換えて使わな

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ストレングスと正の注目

ストレングスと正の注目

2日間の研修終え、ひさしぶりに職場に顔を出すと、たくさんの利用者が私のことを待っていてくれました。前日に、明日は研修でいないということは伝えてありました。しかし、当日になると、髙橋はどうしていないんだと、という話になったとのことです。

また、ある利用者からは、研修中にもメールをもらいました。
 利用者「髙橋、なんじに来る?」
 私「ごめんなさい、今日研修だから、行かない」
 利用者「どうして、明

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障害福祉サービスにアドラー心理学を応用する パセージ〈心理面の目標〉

障害福祉サービスにアドラー心理学を応用する パセージ〈心理面の目標〉

「髙橋さん、最近のボク、なんか変なことしてない?」
「大丈夫、何もしていないよ」

私と利用者の会話です。この会話がときどき繰り返されます。

私がこの利用者とお付き合いをするようになって15年が経ちます。しかし、その間、私が困るようなことは一度もありません。

反対に私が質問をします。
「何かあったの?」
「ほら、ボクも昔いろいろあったからさぁ」

私は、仕事上、過去の記録にも目を通します。しか

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障害福祉サービスにアドラー心理学を応用する

障害福祉サービスにアドラー心理学を応用する

アドラー心理学を基本とした子育てにおける親の育成プログラム、パセージのテキストの最初のページには、子育てにおいてはどういう大人になってもらうかはっきりと意識しなければいけないと書かれています。

そこで次のような行動面の目標を示しています。

〈子育ての行動面の目標〉
 1)自立する。
 2)社会と調和して暮らせる。

この目標は子育てだけではなく、人を支援するあらゆる場面で有効です。

私は障が

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スーパーで流れる音楽

スーパーで流れる音楽

利用者が突然、不思議な歌を歌い出すときがあります。

「げんげん元気、げんげん元気、ドクターはつめい、オーマイドクター元気」

他にも「ボイン、ボイン、5ばい、5ばい」
正しくはポイント5倍の歌なので、「ポイン、ポイン」だと思います。「ドンドンドン、ドンキー」というのもあります。

これは全部、スーパーで流れているBGMです。どの曲もお客さんの耳になじむよう、とても良くできています。音楽が大好きな

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支援者目線の勝手な言葉

支援者目線の勝手な言葉

「行けば楽しいから」
「せっかく来たんだから」
「これも経験だから」

「行けば楽しいから」、以前は、私もそう言いながら、利用者を外出に連れて行っていました。しかし、これは強引なやり方です。あの頃、利用者は外出が好き、出かければ楽しいと勝手に思い込んでいました。

旅行に行って、水族館に入りたくない、ショーを観たくないと言う利用者がいました。全身を使ってヤダというアピールしている利用者に対して、「

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グループホームがひっそり…

グループホームがひっそり…

お盆休みの中のグループホームは静かです。多くの人が実家に帰省しています。

障がいのある人たちが生活しているグループホームの契約は、一般のアパートなどを借りるのに似ています。それぞれの部屋ごとに契約を交わします。家賃は一棟の家賃を利用者で頭割りをします。それ以外は、食費と光熱水費の実費を各自が払います。

私たち経営する法人は、障がいのある人たちが利用した分だけを県に報酬として請求することができま

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支援者同士のあいさつと利用者へのあいさつが違うのはなぜ

支援者同士のあいさつと利用者へのあいさつが違うのはなぜ

支援者の日常を見ていて不思議に思うことがあります。

たとえば朝のあいさつです。

支援者同士では「おはようございます」とあいさつをします。しかし、利用者には「おはよう!」とあいさつをします。

支援者に理由を聞くと「考えたこともなかった」と言います。でもそれは怖いことです。知らず知らずの内に分けています。

また、ある支援者は、利用者からあいさつをしてくるのを待っています。その理由を支援者に聞く

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〔アルバイト〕接客で学んだ支援の極意

〔アルバイト〕接客で学んだ支援の極意

私の学生時代はアルバイトの連続でした。その中でも一番長かったのは中華料理のファミレスです。さらに、そこで教わったことが今の障害福祉サービスという仕事に活かされています。

そのファミレスでは主に接客を担当していました。最終的にはアルバイトでありながら、店長代行という立場になりました。そのとき、社員さんから受けたトレーニングが忘れられません。

「ホールに出たら、手ぶらで帰るな、同じ道で戻るな」

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〔所属〕楽(らく)な場所と楽しい場所の違い

〔所属〕楽(らく)な場所と楽しい場所の違い

「Aさん(利用者)は、一人でいる方が好きだから、自閉症だからね」
中堅職員による新人職員への引継ぎ場面での音羽です。この引継ぎは間違えています。

Aさんは自閉症と診断されています。一人ですごしている場面がたくさんあります。にぎやかな集団に入ると大きな声を出したり、泣いたり、自分のことを叩いたりすることがあります。大きな騒がしい集団は苦手です。でも一人でいることが好きで、それが楽しいわけではありま

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ガイドヘルパーさんありがとう

ガイドヘルパーさんありがとう

今日も危険な暑さの一日となりました。できれば外出はひかえたい天気です。

障害福祉サービスのひとつにガイドヘルパーによる外出支援があります。一人で外出が難しい人と一緒に外出をしてくれるサービスです。利用者からは大人気です。しかし需要が多いだけでなく、従事者が不足していているため十分にサービスが行き届かないのが難点です。

今日もグループホームに入居している方が数名、ガイドヘルパーと外出をしました。

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