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仕事のこと

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2019年2月の記事一覧

仕事の楽しさを伝える(福祉のしごとフェアより)

仕事の楽しさを伝える(福祉のしごとフェアより)

昨日の夜と今日の午前中に福祉のしごとフェアが開催され、参加をしました。福祉業界は障がい分野にかぎらず慢性的な人手不足です。このイベントは福祉の仕事に興味を持っている人に就職先を紹介したり、福祉の仕事の説明をするイベントです。

今日は順番待ちが出るほどの盛況でした。複数の職員を会場に行かせることができず、来場者を待たせてしまいました。申し訳ありません。あとは今日、お会いできた方が採用につながるよう

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アンケート結果を活動に活かす(障害者週間シンポジウムのこれから)

アンケート結果を活動に活かす(障害者週間シンポジウムのこれから)

昨年12月、戸塚区社会福祉協議会、障がい福祉分科会の事業で、「とつかで暮らす」というシンポジウムを開催しました。これは地域の方々と障がいのある方とそのご家族、支援者をつなぐイベントとして毎年開催されています。今年度のテーマは「防災」でした。

昨日は、シンポジウム当日のアンケートから来年度のテーマ設定についての会議が開催されました。そこで、おとな学部で学んだことを活かして、アンケートをもとにした来

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支援場面における「交友」

支援場面における「交友」

約35年前、私が社会福祉の専門学校に通っていたころのことです。とある老舗の障害児施設で宿泊実習をさせていただきました。

そのとき、オリエンテーションで施設の理事長さんがこう言いました。

「この園では、子どもたちのお世話をする人はすべて先生と呼ばせています」

直接支援にあたる職員は普通に「先生」です。他にも「調理の先生」、「事務の先生」、「お掃除の先生」などがいました。実習生の私たちは「実習の

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食事介助をしてもらう

食事介助をしてもらう

私が事務室にいるときは、「検食」という仕事があります。誰よりも早く食事ができる特権です。今日も検食をしていました。するといつもの彼がやってきて言いました。

「髙橋く~ん、食べさせてあげようか。」

そんな、そんな、食べさせていただくなんて…でも、結局、食べさせていただきました。食べさせていただくなんてなかなかない経験です。

写真の左側は今日のおかずのポトフのウインナーを口に入れてもらったところ

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支援は五感を使って見る

支援は五感を使って見る

経験豊富な支援者は、支援のコツは利用者さんとの関係性にある、と後輩に指導することがあります。しかし良い支援を関係性に求めると、付き合いの浅い職員はまだ関係ができていないから良い支援ができないと思ってしまいます。

また関係性というのは抽象的であり、一方的でもあります。支援者は関係ができていると思っていても利用者さんはただ言うことを聞いているだけということもあります。

私は、利用者さんとの付き合い

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しのびよる10連休の不安

しのびよる10連休の不安

何人かの利用者さんからゴールデンウィーク、10連休について相談が始まりました。混乱が始まっているようです。相談内容をおおまかに分けると次の3つです。

1)カレンダーが赤くない
2)どうやってすごすのか
3)お金が心配

まず、カレンダーとの違いです。特に不安がっている方は、日中は就労系(受注作業主体の事業所)のサービスを使い、グループホームで生活をしている方々です。ある方は、日中活動先から10連

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「私は能力がある」この目標を忘れない

「私は能力がある」この目標を忘れない

「支援者会議」という会議があります。障がいのある利用者さんを支援する関係機関が集まって支援方針を提案したり、確認したりする会議です。またその場にはご本人も参加します。

利用者さんによっては、その場できちんと自分の考えを主張される方がいます。以前は、そういう場は少なく、支援者主導で支援が進められていたので大事な時間です。

しかし、利用者さんの中にはそういう場が苦手な方もいます。また、その場に参加

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それも個人情報です

それも個人情報です

個人情報の取り扱いには細心の注意をはらわなければなりません。しかし、どこからどこまでが個人情報にあたるのかがはっきりせず、支援者たちは悩みます。

私の場合、妻も同じ法人で働いています。2人の娘も休日等にはグループホームに遊びに来ます。入居者の皆さんのことを知っています。ゆえになおさら気をつけないければいけません。

休日の昼間にグループホームに勤務する場合は、前の日に翌日、グループホームに残って

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人事異動の意義/21世紀に学ぶべきもの(教える技術より)

人事異動の意義/21世紀に学ぶべきもの(教える技術より)

02月02日に開催された早稲田大学オープンカレッジ2019冬講座「教える技術・第5回」の報告です。まずは第4回「態度技能の教え方」についての質問に関係したことを書きます。

前回の講義で話があった、21世紀に子どもたちが学ぶべきものについて質問があり、今回、より詳しい説明がありました。子どもたちが学ぶべきものの一つに、メタ学習があります。自分を自分でモニタリングする力です。先生からは、第2、第3の

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【意思決定支援】朝ご飯を食べる、食べない

【意思決定支援】朝ご飯を食べる、食べない

私たちは毎日、知らず知らずにいろいろなことを決めて実行しています。それがあたりまえです。しかし障がいがあると、その意思決定が尊重されない場面がたくさんあります。そこを見直すということが、今の障害者福祉の課題です。

私は食べ物の好き嫌いがかなりあります。小学校の給食はとても苦労しました。給食が嫌で学校を休むこともありました。

私たちの事業所を利用されている方々も食べ物に対するこだわりが強い人がた

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幸せな瞬間

幸せな瞬間

ある利用者さんが、事業所に来るなり私を相談室に連れて行きました。

「髙橋く~ん、チョット」

その利用者さんは何か困りごとがあると、私のところに来て相談室で話をします。普段は、利用者さん同士のケンカやちょっとした仲たがい、支援者に注意されたけれど納得がいかない、そんな話です。でも朝、来るなり相談室というのは初めてです。

その利用者さんの後について相談室に入ると、「髙橋く~ん、ここ座って」と正面

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誠実であること

誠実であること

グループホームの職員から電話がありました。入居者さんとのやりとりで困っているから、かわって話をしてくれというのです。電話をかわって入居者さんの説得にあたりました。

入居者さんの中にはお一人で一般の交通機関を使って事業所に通っている方がいます。その方が帰り道、すれちがった人から「あなた100円、落としたわよ」と言われて100円を手渡されたというのです。

入居者さんはその場は受け取り、ホームに戻っ

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仕事に自信と責任を持つ

仕事に自信と責任を持つ

事業所の受注仕事でチラシの組み合わせをしています。季節がら総菜等のデリバリーのチラシが刷新されて届きました。

チラシの組み合せは、順番が決まっています。かつ、気をつけなければチラシがくっついて複数枚、組み合わされてしまいます。私が上手にチラシをさばけずとまどっていると、利用者さんがさっと横から手を出して手伝ってくれました。また、しばらくすると私の前で山になったチラシの検品を始めました。利用者さん

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戸塚区美術館計画

戸塚区美術館計画

街中に楽しい絵を飾りたい。そんな野望があります。それが「戸塚区美術館計画」です。

様々な企画で、障がいのある方々が描いてくださった絵を飾る機会があります。しかしその多くは、特別展的な扱いです。それはそれで多くの方が観に来てくださいます。

しかしこの企画は少し違います。インテリアの一つとして絵を飾ってもらいたい、それを実現するための企画です。

20年ほど前、まだ戸塚に商店街があったころ、商店街

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