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神山伸一さんインタビュー vol.3


神山さんインタビューも後半、
第3回となりました。

丸いポスト
ブルーベリー
吹奏楽

効果的なキーワードを
打ち出しながら、
市のこと、事業のことを
上手に広報してきた神山さん。

今回は、そんな神山さんの仕事の
土台を作ったとも言える、
多摩六都科学館へ派遣に行かれたお話や、
ジャーナリスト楽校の取り組みの話を
うかがっていきますよ。

第1回は→こちら
第2回は→こちら


旧神山家

(公財)小平市文化振興財団が管理する
「小平ふるさと村」の園内にたたずむ
「旧神山家住宅主屋」
ちなみに、神山さんの先祖のお家では
ないそうです。



Vol.3 一緒に創るから、続いていく


<いろんな人と一緒に創り上げる仕事>


齋藤
神山さんは、
前回お話いただいた
「ルネこだいら」のほかに
もう一箇所
「多摩六都科学館」にも
出向されているんですよね。

多摩六都科学館

派遣に出られたことの価値って
どんなところにありますか?

神山
たぶんね、
僕がこうやって
他の人と一緒に頑張ろうとか、
外を見ようとか思ったのって、
多摩六都科学館組合に
派遣になったからなんだよね。


齋藤
お!

神山
多摩六都科学館は、
近隣5市からの派遣職員と、
プロパー職員で運営しているんだ。

僕は当然小平市でのやり方しか
知らないわけだけれども、
所在地が西東京市だから、
管理者が西東京市長だし、
会計システムも西東京市だし、
もうね、全然ちがうんだよ。

齋藤
全然ちがうんですね(笑)。

神山
事業の企画も、
全市回って了解を取っていくんだけど、
もうね、あっちは良いのに、
こっちにはダメだと言われたり…。

良いっていうことの評価も
こんなに違うんだって
気付かされたんだ。
小平の常識で良いと思っていても
ダメなんだって。

齋藤
あらら、そんなに。

神山
そう。
自分では良いと思っているものが、
本当に良いのかな?
もっと多面的にみても
そう言えるのかなって、
ちゃんと考えないとダメなんだなって、
気づかされたんだ。

齋藤
あぁ、そこですね。

神山
それともう一つ、
多摩六都科学館には
ボランティアさんがすごくたくさんいて。

ボランティアさんと一緒に
成し遂げるっていう事業も
たくさんあったんだよね。

地域貢献したいっていう人が
こんなにいるんだってことも気づかされた。

ここのボランティアさんたちは
すごくモチベーションあってね。

かれらの気持ちをどうやって生かそうか、
まとめていこうかって、
なんか一生懸命になれたんだよね。

この経験は
その後の自分の仕事をする上で、
すごくいい経験になったよ。

多摩六都科学館

多摩六都科学館は、世界一に認定されたプラネタリウムと、観察・実験・工作が楽しめる体験型ミュージアムです。
(写真は多摩六都科学館ホームページより)


齋藤
神山さんは、
他の人と創り上げるっていう経験が
豊富なんですね。
市役所だけで考えて、完成品作って
どうぞっていうのではなくて、
産業振興でも、文化でも、
いろんな人とつながって…

神山
それまでは、
制度設計を全部役所でやって、
完成品を届けるっていうのが
正しいと思っていたところが
あったんだよね。

仕事をちゃんとやるって
そういうことだと思ってた。

ところがさ、
科学館に行ったら、
例えば
「東久留米市ではそんなやり方しないよ」
なんて言われたり。


齋藤
あぁ、完成品だと思ってたのに(笑)。


神山
そう、完成品だと思ってたのに、
やり方から違うって言われちゃった。

齋藤
その、膝が抜けるような感覚って、
味わう価値のあるものですね、きっと。

でも、
他の人と一緒にやることの難しさも
あったのでは?

神山
ふつうにさ、
めんどくさいよね(笑)。
時間かかるし。

齋藤
自分たちだけで作っちゃったほうが
早いし楽ですよね(笑)。

神山
でもさ、しょせんね、
役所の中で考えているのって、
一方からしか見ていないって
ことなんだよね。

たしかにめんどくさいんだけどさ。
結局他の人と一緒にやるほうが、
絶対に良いものができるって、
体験の中で間違いないってわかったんだよね。

齋藤
そういうところから、
ブルーベリーが出てきたりとか、
吹奏楽が出てきたりとか…

神山
そうそう(笑)


神山
ずいぶん前に、
ジャーナリスト楽校っていう
自主研を始めたことがあってね。

3_ジャーナリスト楽校

 → ジャーナリスト楽校 in こだいら


齋藤
ジャーナリスト…

神山
ブルーベリーをどうやって
売り出そうかって考えていたころ
だったんだけど、
ちょっと情報発信について
勉強しようよって言って、
勉強会を立ち上げたんだよね。

当時すでにブログとか
ツイッターがあったから、
そういう新しい媒体を使って
市役所も発信していく時代だよね、
なんて言いながら。

でも自分たちだけで本読んだりしていても
限界があったから、外部から講師を
呼んでみようってことになって。

齋藤
それでジャーナリスト楽校を。

神山
そうそう。

それでね、
講師から何を発信したいんだ?って
聞かれて、
小平の魅力とかって答えたら、
小平の魅力を知っているのは
市役所の職員だけじゃないよって、
そんなふうに思っていたら
大間違いなんだぜって
言われたんだよね。

市民の方が圧倒的に
小平の良さを知っているし、
市民の方が圧倒的に
情報発信するチャンスが多いのだから、
発信したいなら、
市民の人たちと一緒にやったらどうなの?
って言われて。


齋藤
あぁ、なんかグッときますね。

神山
そう、
そこで、ジャーナリスト楽校
職員だけの自主勉強会にするのではなくて、
市民なら誰でもいいよってことにしたんだよ。

情報発信の仕方を一緒に学びましょうって。

そしたら市民の人もいっぱいきたんだよね。

はじめは職員だけ月に一回はじめてさ。
6〜7人でやってたんだけど、
半年後に市民にオープンにしてからは、
常に30〜40人くらいになってね。

6回連続講座にして、単発参加もありで。

一回1000円だけいただいて、
全部講師代にして。
4年ぐらいやったんだよ。


齋藤
4年!
すごいですね!


神山さん

動くから活躍の場が増える。
神山さんを見ていると、
そんな言葉が浮かんできます。


神山
川村元気さんに来てもらったり、
サントリーの「水と生きる」っていう
企業コピーを考えた人って実は小平市民で、
その人に来てもらったりね。

多い時は60人とか集まったよ。


FM西東京に番組の企画書を
持って行って、採用してもらったりね。


齋藤
すごい!

自治体職員のやることって、
ちゃんとできあがってから
外に出していくものが多いけれど、
神山さんの活動って、
まず始めてから修正かけていくんですね。
これっておもしろい!

神山
そう言われると
走りながら考えるっていうの、
多いね。

ブルーベリーも、
初めは自分たちで仕掛けていったけれど、
途中からは、
どんどん市民の人たち自身が
発信者になっていったんだよね。


齋藤
一人でやるんじゃなくてチームでやる、
チームでやるだけじゃなくて、外の人とやる。
外の人の意見を聞きながら、変化させていく、

神山さんはそうやって、
柔らかさを持ちながら
変化を許容していくから、
取り組みが後に残っていくんですかね。

はじめから完成品だったら、
自分が異動したら終わっちゃったとか、
ちょっとしたことで
終わっちゃったりするけれど、
なんていうんだろう、
やることに、ある程度幅があるから
残っていくような気がします。


神山
うん。
役所の人たちって異動しちゃうけど、
地域の人たちにはそれがないよね、
だから、僕が異動しちゃっても、
地域の人が守ってくれれば、
続いていくんだよね。

吹奏楽だってさ、
市民から感謝の声が
上がってきたことが大きいし。

やっぱり市民からの声って大きいよね。

一緒になって取り組んでいくと、
やっぱり思い入れも持ってくれるし、
そうやって大切にされて、
市民から声が上がってくれば、
市長もその良さに気がついてくれるしね。

齋藤
めんどうだけど、やる価値ありって
ことですね。

神山
うん。
やる価値あり!だね。


鯉のぼり


「小平ふるさと村」に掲げられたこいのぼり。
神山さんのお気に入りの一枚から


(次回につづきます)



次回は最終回。

神山さんも関わっている自主勉強会の
K-upのこと、
そして、
今の公務員に求められていることについて
うかがっていきたいと思います。


次回もお楽しみに!


★神山さんインタビュー★
 vol1は→こちら
 vol2は→こちら
 vol4は→こちら






こちらの投稿は、主に自治体職員向けにその成長を支援する内容となっており、
継続して読むことで、思考力、判断力、実行力の向上に役立ちます。

1ヶ月で関心のアンテナが立つようになり、
3ヶ月で思考の解像度が上がる。
6ヶ月で視野の深さと広さのレベルが上がり、
1年で判断力、実行力に格段の違いが出るようになる。
まちづくりを担う力をつけていきましょう。

こちらのマガジンにまとまっています。
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