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No.30 発信力を伸ばそう。まずは3つの主語の使い分けから


1日0.2%の成長で起こせ!
静かなる自分革命


今の世の中は、発信力の時代と言えますね。

手元にスマホを持つようになって、
写真や文章で発信する人が
一気に増えましたし、

通信速度が上がるにつれて、
動画による発信もどんどん増えてきています。

ものすごい勢いで
大勢の人が発信力に磨きをかけている。
今はそんな時代だなと思います。


しかし、振り返ってみると、
自治体の仲間で発信力を
磨いている人というのは、
少なかったように思います。


私自身も、
自治体内部では発信力のある方だったと
思いますが、
社会に向けて広く発信していくという
視点でみると、残念ながら
まだまだ発信力の弱い人間です。


そんな私ではありますが、
仕事の中で使える発信力強化の
トレーニングとして、
3つの主語の考え方は
実際に役に立ったなという実感が
あります。

今日はそれをご紹介したいと思います。

発信力強化といっても
いろいろな切り口がありますが、
今日は自治体の仕事における
発信力を見据えて、そこで使える
3つの主語の使い分けについて、
考えていきましょう。



<まずは3つの主語の使い分けから>


3つの主語。
それは、「私」、「課(部)」、「自治体」
になります。

日本語では主語を省略することも多いので、
主語を意識しないままに
会話をしがちなのですが、

仕事で人に向かって話をしたり、
資料を作成して発信したりする際には、
主語を意識したほうが良いです。

主語がうまく使えていない話というのは、
まるでフォーマルなパーティ会場に
ジーンズとTシャツで
来てしまったときのような感じと
言えばいいでしょうか。

なんとも場違いな雰囲気を
生み出してしまうことにもつながります。


さっそくですが、
ここでは一つの例として、
地域の人たちが集まる場所に
出向いていって、
イベントチラシの設置や配布を
協力依頼する場面を取り上げたいと思います。


「私」を主語に話をすると、
たとえばこのような感じになります。

今回のイベントは子どもたちにも
多く参加してもらいたいと思って、
急遽このチラシを作ることにしました。
それで、昨晩やっと印刷が終わりまして、
今日ここに持ってきました。
このチラシが多くの子どもの目に触れることが
イベント成功の鍵を握っていると
思っていますので、
是非ご協力をお願いします。


いかがでしょうか。
そんなに悪くないんじゃないかな、
そう感じた方も
いらっしゃるかもしれません。

確かに、
冗談が言い合えるような親密な関係を
築けている相手であれば、
この伝え方で許される場合も
あるのかもしれません。

でも、自治体の職員という立場で、
地域の方々に協力を依頼するという、
お互いの立場を尊重すると、
この伝え方は課題があると言えます。


主語に注目してこの文章を理解すると、

私がチラシを作って
私が印刷して私がここに持ってきた。
だから協力してね。

そう捉えることの出来る表現になっています。

冷静に見てみると、
一方的な押し売りのようにも
感じる表現ですよね。


実際に、地域の代表者が集まる会議を
主催することも多かった私の経験として、
多少の言い回しは違うにせよ、
似たような表現でチラシ配布を依頼する職員は
多かったという実感があります。


やはりここは、
「自治体」あるいは「課(部)」
主語に話をすることが望ましい状況です。


自治体として今は環境に力を入れている、
だからこのイベントが大事であって、
協力をお願いしたい。

課として、
地域の中に認知症の理解を
もっと広めたいと
長年奮闘してきている。
だからこそ協力してほしい。

「私」の依頼ではなくて、
「課」として協力を依頼したい、
「自治体」として地域と一緒に
取り組みを進めたい。

そういうことを、
きちんと表現することは大切なことです。


私は主事でただの担当者だから、
そんな大きなことを言うのは
なんだか恥ずかしい。

そう考えてここを省略してしまう職員も
いるのですが、それは良くないことです。


相手にとっては
新人職員だろうと部署を代表して
その場に立っている人です。

ですので、
大切なところを省略せずに
はっきりと表現していきましょう。

そうすることで、
言葉にぐっと説得力ある強さが
加わりますし、
大きな動きの中で
開催されるイベントなのだということも
相手に伝わるようになっていきます。


地域の方々が優しいと、
その場では特に反論することもなく
受け入れてくれたりもするのですが、
フィードバックがないからこそ、
自分で気づいて身につけていかないと、
いつまでも上達しないままに
なってしまいます。



<資料作成にも大きな違いが出てくる>


そのほかにも、
予算編成時に作る主要施策一覧とか、
決算審議の際に作る事務事業評価とか、
何か冊子にまとめて公表していく資料を
作るときにも、
主語の使い分け力の差が
如実に表れます。


このような資料では、
当然「自治体」が主語になるわけですが、

職員がやったことだけ書いてあったり、

その課でやることだけが書いてあったりして、

結局自治体にとって
どんな効果が生み出せるのか、
あるいはあったのか、
そこがまったく抜け落ちている
表現の資料も散見します。

いわゆる
「ツッコミどころが満載」の資料ですね。


主語を意識して書くようにするだけで、
ぐっと資料の精度が上がっていきますので、
ぜひ意識してみてください。



主語が意識できるようになると、
使う言葉が変わり、
表現が変わってきます。
相手に伝わる文章が
書けるようになってくるのです。


はじめは面倒だな、
と思うかもしれませんが、
やがて効果を実感することと
思いますので、
ちょっとトライしてみてください。


住民説明会や、
意見交換会などでも、
臆することなく相手に説明し、
そして受け入れてもらえる発信力を
つけていきましょう。



こちらの投稿は、主に自治体職員向けにその成長を支援する内容となっており、継続して読むことで、思考力、判断力、実行力の向上に役立ちます。

1ヶ月で関心のアンテナが立つようになり、
3ヶ月で思考の解像度が上がる。
6ヶ月で視野の深さと広さのレベルが上がり、
1年で判断力、実行力に格段の違いが出るようになる。
まちづくりを担う力をつけていきましょう。

こちらのマガジンにまとまっています。
マガジンのフォローをお待ちしています。
「自治体職員サポートマガジン」https://note.com/ryoji_saito/m/m53582723e9a0


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