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ベンチャー組織でハイパフォーマーになるために意識したい2つの時間の使い方

僕は今の会社で約8年間働いていますが、組織の意思決定に関わるポジションになればなるほど、意思決定者の「時間の使い方がすべて」という考えが強くなります。
僕は個人的にベンチャー組織で働くうえで、時間の使い方は2種類あると思っています。

ひとつは「費用的」な時間の使い方、もうひとつは「投資的」な時間の使い方です。

「費用的」な時間とは、自分の能力が組織に還元されているときの時間です。つまり、自分に今そなわっている知識やスキルを活かして、組織に貢献している時間です。自分が会社の今日・今週・今月の未来をつくっている時間といってもいいかもしれません。
一方で、「投資的」な時間とは、自分自身が初めて取り組む、ないしはまだ経験が浅くて慣れていないため、組織から期待されているパフォーマンスを発揮できるか分からずチャレンジしている時間です。3ヶ月後・半年後・一年後の未来をつくっている時間ともいえます。

僕はすべての業務は経験によって「投資的」な時間から「費用的」な時間に変換されていくと思っています。
たとえば、新卒1年目の社員にとっては入社した直後はすべてが「投資的」な時間です。会社の打合せに出席したり、お客さんとのMTGに出て議事録を取ったりすることも、初めて経験することはすべて「投資的」な時間といえます。それが徐々に経験に支えられて慣れていくことで、やり方やコツを習得し、「投資的」な時間は徐々に「費用的」な時間になっていきます。

「費用的」な時間のなかでは、自分がこれまで蓄積してきた知識や経験によって実行できることが多いため、その業務を熟練させることによって、組織から期待されるパフォーマンスと自分が発揮できるパフォーマンスを一致させることができます。その反面、費用的な時間は自分の能力を還元している時間のため、本人の経験の量が増えることによって業務の熟練度は上がりますが、成長のためにフィードバックされることは少ないといえます。

一方で「投資的」な時間は自分が初めて経験する出来事が多く、必ずしも組織から期待されているパフォーマンスを発揮できるとは限りません。僕も新卒で入社した会社で初めて受話器を手に客先へアポイントを獲得するときは声が震えていた記憶があります。ただ、「投資的」な時間を獲得することによって、自分自身の成長のためのフィードバックを多く獲得することが可能になります。

ベンチャー組織で働くうえではこの「費用的」な時間の使い方と、「投資的」な時間の使い方をバランスよく意識することが大事です。「費用的」な時間の比重が多くなり過ぎてしまうとやがて仕事に飽きてくるタイミングがやってきますし、反対に「投資的」な時間の比重が多くなっていくと、仕事のやり方、進め方が分からずに不安だけが蓄積してしまうかもしれません。

この時間のバランス比率は人によって変わると思います。加えて、何が「費用的」な時間で、何が「投資的」な時間なのか、それを意味付けるのはその業務をやっている本人しかいません。人から見たら同じ業務に向かっているかもしれないけど、本人のなかでチャレンジする項目を見つけることで、一見、費用的な時間を投資的な時間として使っているケースも存在します。

人が組織の中で成長するためには、どのような「機会」を獲得するかがすべてです。ベンチャー組織では成長意欲の高いスタッフが多いため、「投資的」な時間をいち早く「費用的」な時間に変えていくこと。また、ひとつでも多くの「投資的」な時間を獲得していくことが成長実感をつくるためのキモになると思うのです。

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