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ドキュメンタリーの見方を変えた「The Last Dance 」

ライブスポーツがない中、ドキュメンタリーを見ている人も多いのではないでしょうか。私も改めて「映像の力」により、学びを得ることが出来ています。

ドキュメンタリーで知らない世界を知ることが出来る。または知っている世界の知らない側面を知ることも出来る。それを可能にしてくれるのが「映像の力」さらにはインタビューによる取材力によるもの。

この期間、一番ハマったのはF1の世界を描いたDrive to Survive。ドライバーの心情だけでなく、各チームがどのように運営されているのかなど経営的な部分からオペレーションの部分まで非常に内容の濃いコンテンツです。

そして同じネットフリックスのコンテンツですが、サンダーランドというクラブを描いたドキュメンタリー。選手からの視点だけでなく、フロントの心情、そしてサポーターの思いにも迫ったもの。さらには移籍市場がどのように動いているのかを関係者の日々から追っています。

そしてAmazonが生み出しているのがAll or Nothing シリーズ。サッカーのブラジル代表からクラブでもマンチェスターシティまで様々な競技のドキュメンタリーを扱っていますが、ネットフリックスとはまた違ったテイストで選手達を写し出しています。

バスケ関係のドキュメンタリーも多く存在しますが、その中で先日SHOWTIMEで放送された「Basketball County: In the Water」。NBA現役のスター選手であるケビン・デュラントもプロデューサーとして関わり、彼が育った地元がなぜバスケットボールのメッカであるのかという歴史に迫っています。

2019年に SHOWTIMEで配信されたのが、ロン・アーテストのドキュメンタリー。2004年NBAで史上最悪と言われているファンとの乱闘騒ぎについても迫り、選手のメンタルな部分を色んなチームメートやライバルのインタビューから迫っています。

最後にこのライブスポーツがない期間、最も話題を呼んでいるのはマイケル・ジョーダン氏のキャリアに迫るドキュメンタリーの「ザ・ラストダンス。」日本ではネットフリックスでの放送ですが、アメリカではESPNでの全米放送。毎週2話ずつ放送されていますが、放送当日には前回までの話が再放送で繰り返し流れていました。

中断期間に入ってからのスポーツ関連の番組の視聴数ランキングを見ると、その人気は一目瞭然です。こちらのスポーツ業界関係者とは、最近どう?という質問の代わりにザ・ラストダンス見た?というのが挨拶がわりの質問となっているぐらいです。この数字が凄いのはおそらくブルズファンやジョーダンのキャリアを追ってきた人であれば、ストーリーはある程度知っている前提で見ているということ。

ドキュメンタリーは自分のタイミングで見るコンテンツとしての価値が高かったように思います。心情に合わせて、どのような内容のものを見るかを決めて没頭する。それを覆したのが、今回のThe Last Dance。他にライブスポーツコンテンツがないことからみんなが待ち遠しいものとなり、SNSにより生で見るべきものとなりました(日本ではネットフリックスでの配信だったため、アメリカとは状況が違ったと思います)。

そのため全米放送中はTwitterではトレンド上位にドキュメンタリー関連の言葉が浮かび、放送前には盛り上がりを作り、放送後にはみんなで余韻を楽しむものとなりました。日本ではテレビを見るときに民放に偏り、ドラマやバラエティでも同じような現象が起こると思うのですがアメリカではケーブルテレビを利用する人が多くチャンネル数が多いため、なかなか起こりにくい現象。

みんなが同時に何かを見るというのは、ライブスポーツだけが持つ聖域のような感じもありました。それがライブスポーツがない状況もあり、一転。スポーツとSNSの相性が良いのもあるかもしれませんが、他のコンテンツも今後どういったチャレンジをしていくかも注目ですね。

最後にこのThe Last Dance放送期間に最も印象に残ったツイートを紹介します。ジョーダン氏が大事な一戦を前に注文したデリバリーのピザにより、体調を崩したというエピソードが放送中に冷凍ピザブランドが発信したもの。


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