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フリーランスの複業家に沸き起こる課題

「最近何を中心に仕事しているの?」

こういう質問をされて、一言で返せない。そんなジレンマがある。説明し始めると長くなり、2つ目ぐらいでお腹いっぱいにさせてしまう。自分の今を何と表現したいか。それを考えた上で短く答える事にしている。

フリーランスの複業家として抱える課題に対してどう取り組みべきか皆さんと一緒に考えてみたい。ぜひご意見等をいただければ幸いです。

あなたの肩書きは?

役職もなく、1つの明確な所属先もないため複業化という概念がないのかもしれないが、仕事を始める時に自分が何者であるのかという”タイトル”は付けている方が大半じゃないだろうか。

私の場合は通訳・翻訳家という形でフリーランスのキャリアをスタートさせた。NHK衛星放送の米国スポーツ中継製作の通訳としてスタートしたが、その後ライターとして記事を書いてみないかというお話をいただく事になった。最初書き始めた媒体「ベースボール・チャンネル」では翻訳記事が多かったが、有難い事に経験を踏まえたコラム形式をJ Sportsで、スポーツ業界の方のインタビュー記事などをSPOZIUMで書かせていただき、米国と日本の比較などをパ・リーグインサイトでと、着々と機会が増えるようになっていった。ここでライターとしての肩書きが増えた。

ちょっと手伝えってもらえないか?という気軽な形で声を掛けていただく事も増え、そこから繋がった仕事もあり、海外から来る人のアテンドであったり、外資企業の日本での立ち上げの手伝いだったりする。結果的には人材エージェントからの連絡でスポーツに特化したストリーミングサービスを展開するDAZNに繋がる事となり、立ち上げ前から1年半関わる事となった。ここでマーケテーィングのローカライゼーションとしての経験が増えた。

最近ではパラリンピック選手の海外を拠点とするトレーニングをゼロから構築し、実現に至った仕事もある(ぜひ11月6日20時からNHK Eテレで放送されるハートネットTVをご覧ください!)。ここでコーディネーターという肩書きが増えた。

このように1つの肩書きからスタートしたフリーランスも、多くの方に支えられ、「フリーランスの複業家」へと進む事となった。そのため通訳・翻訳家という肩書きでは今の自分を表現出来ない状態となってしまった。

名刺交換って難しくない?

名刺をもらって「胡散臭いな、この人」と思ったことはあるだろうか。

これまでやってきた仕事が一目で分かるように裏面にぎっしり書かれていたり、インパクトを強くするために顔写真付きにしてあったりとフリーランスは試行錯誤を繰り返して名刺に色んな工夫を加えていく。だが残念ながら一歩間違えると胡散臭さが勝ってしまう。

企業に勤めている方に劣るのが「名刺の弱さ」だ。

それでもフリーランスが企業に勤めている方に勝る事が出来るのは「名刺の数」だ。

メジャーリーグ30球団の中で唯一日本人選手を獲得した事がないシンシナティ・レッズというチームがある。ここでコンサルタントして仕事をしているが、有難い事に名刺を用意してくれている。個人的にも活用出来ることになる。だが仕事の割合で言うとさほど多くはないのが現状だ。

そのためフリーランスとして活動している時にこの名刺で自己紹介をするとどうしてもそのインパクトが強過ぎて、フリーランスとしてのネットワーク作りが弱くなってしまう。

正直答えはまだ見つかっていないが、状況に応じて名刺を使い分ける事を意識している。話が広がった時に話題も兼ねて、別の名刺を差し出すようにしている。フリーランスの複業家を進めていく事で得る様々な名刺で色んな顔を持つ。全てを一度に出すとやはり胡散臭が勝るのでそこは”正解”を探っていきたい。

結局、自分を何者として表現するのか?

以前、「フリーランスは働き方ではなく手段」と綴ったが、これは個人としての考え方であり自分をどう表現していくのかとはちょっと違う。

自分をフリーランサーの複業家として表現するためには法人化を勧められる事も多い。会社として名前を決め、名刺を作って、信用を得る。結局はフリーランスと変わらないが、単独であっても組織化する事で魅せ方を変えることが出来る。

胡散臭さや自分の肩書き以外の自己表現でフリーランスの複業家を広げていくのは、信用をどう得る事が出来るか。それに尽きると思う。そして出来る事を理解してもらい、やりたい事に共感してもらう事。

「英語×スポーツで海外との架け橋に。」課題解決のためにまずはこれを実現出来る機会を増やして、フリーランスの複業家の枝を広げていきたい。

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