見出し画像

110億年かけてできた銀河の穴!初期宇宙の銀河の特徴とは?

こんばんは、りょーです。

今日紹介するのは、銀河の中でも珍しいリング銀河と呼ばれる星の研究です。Nature Astronomyという権威ある雑誌に掲載されたこの研究!海外の科学系サイトではかなり話題になっているので押さえておこう!

そして今回も、振り返りで英語学習もできちゃうように、論文のAbstract(概要)を載せておきます。必要のない方はスルスルーっとスクロールしちゃいましょう。

In the local (redshift z~0) Universe, collisional ring galaxies make up only ~0.01% of galaxies and are formed by head-on galactic collisions that trigger radially propagating density waves. These striking systems provide key snapshots for dissecting galactic disks and are studied extensively in the local Universe. However, not much is known about distant (z>0.1) collisional rings. Here we present a detailed study of a ring galaxy at a look-back time of 10.8 Gyr (z=2.19). Compared with our Milky Way, this galaxy has a similar stellar mass, but has a stellar half-light radius that is 1.5-2.2 times larger and is forming stars 50 times faster. The large, diffuse stellar light outside the star-forming ring, combined with a radial velocity on the ring and an intruder galaxy nearby, provides evidence for this galaxy hosting a collisional ring. If the ring is secularly evolved, the implied large bar in a giant disk would be inconsistent with the current understanding of the earliest formation of barred spirals. Contrary to previous predictions, this work suggests that massive collisional rings were as rare 11 Gyr ago as they are today. Our discovery offers a unique pathway for studying density waves in young galaxies, as well as constraining the cosmic evolution of spiral disks and galaxy groups.

"A giant galaxy in the young Universe with a massive ring" Yuan et al. 2020

今回研究では、世にも珍しい穴のあいた銀河"リング・ギャラクシー"が発見されました。

そのず型は、こんな感じ。

画像2

普通銀河は、渦を巻きながら中心にかけて星が密集している様子が見えますよね?しかしこれは真ん中がすっぽりと空いています。なぜ・・・
実はこれ、遥か昔、初期宇宙で銀河同士で衝突を起こしてできた穴なんです!!

スターウォーズ的に言えば、デススターで穴を開けられた星的な感じ笑

その銀河同士の衝突をシミュレーションした動画かこれ!!

画像2

宇宙規模でこんなことが起きるなんて、どんな規模の交通事故ですか!!笑
これが起きたのは初期宇宙で、今から110億年前!!!
宇宙ができたのが138億年前と言われていますから、この銀河は宇宙の初期に作られたことがわかりますね。

ちなみに私達が住む天の川銀河は90億歳なので、20億年も先輩です。

つまりこの銀河を研究することは、宇宙ができてすぐの初期宇宙の様子を研究することにも繋がるんです。宇宙の果てを見ることで、110億年前の宇宙を研究できるなんて、不思議な研究ですよね〜。

今回は110億年前にできたこの銀河と、私たちの住む天の川銀河を比べて、その性質を明らかにしようという試みです!
20億歳差があると、体型や体重もさぞ違うんでしょうね〜ということ。

比較した結果、なんと銀河自体の重さは110億歳でも90億歳でも一緒!しかし!!銀河の広がりは2倍だし、その中でできる星の形成スピードは50倍!!

宇宙ができてすぐの銀河と、20億年もあとにできた銀河ではやはり異なる性質を見せるんですね。

筆者の主張としては、こうです。
この銀河は渦巻きを形成していませんよね?しかし重さは天の川銀河と同じ。
ということは、20億年の差があってようやく渦巻きを形成しているということ。
つまり、銀河が渦巻きを形成するためには20億年という長い年月が必要なのではないか?という新たな考察が生まれました。


今後も目がいい望遠鏡がどんどん出てきて、銀河の歴史、ひいては宇宙の歴史が紐解かれていくんでしょうね。楽しみです!!

いかがでしたでしょうか?ネイチャーの系列に掲載されるような研究結果ですから、世界的なインパクトも大きいです。
宇宙好きとしては抑えておきたいトピックですね。

もし面白いなと思ったらスキ!フォローをお願いします。

Twitterのフォローもしてくれたら嬉しいです。

それではまた明日!!



この記事が参加している募集

私のイチオシ

よければサポートをお願いします!いただいたサポートはより良い記事を配信するための活動費に使わせていただきます。