見出し画像

我が子を素敵な大人に育てる方法_section2(全12)10〜12

こんにちは。

日本で一番美味しいバナナタルトを紹介してほしい、トッププロ家庭教師の酒匂です。

この記事は「我が子を素敵な大人に育てる方法」シリーズです。
今回はsection2 その10〜12です。
※「子育てベスト100」をもとに書いています
※過去記事一覧はこちら

【section2】思考力をつけるには?
〜「考えるチャンス」を最大限に増やす〜

section2 その10 「男女のちがい」に対応する
〜特徴を知って能力を伸ばす〜

 人間の脳には右脳と左脳があります。左脳は主に言語表現や論理的思考をつかさどり、分析的な役割をします。右脳は主にイメージの認識や空間の把握、直感やひらめき、想像力をつかさどり、情緒的な役割を担います。
 脳の発達でみると、男の子は男性ホルモンの影響によって成長ホルモンが抑制されるため、体と脳の成熟が一時的に抑えられます。そのため、男の子のほうが女の子より脳の成熟が遅いことがわかっています。
 女の子は左脳が早く成熟し、脳の左右のバランスを取るために両脳をつなぐ脳梁も男の子より太くなります。一方で男の子は女の子に比べて左脳の発達が遅く、右脳が発達していきます。
 そのため、女の子は言語能力に優れ、器用でさまざまなことを同時にこなせる要領のよさがあり、男の子はひとつのことに集中して取り組み、図形や空間認識が得意な傾向にあります。
 もちろん得意・不得意は個人差によるものが大きいですが、子どもの場合はこうした男女の脳の発達の違いから生まれていることもあります
 それぞれの特徴を理解しておくと、子どもの能力を無理なく伸ばすことができます。

うまく「男女のちがい」に対応するにはどうすればいい?

■男の子は、たくさんしゃべらせる
 男の子は言語表現をつかさどる左脳の発達が女の子に比べて遅くなります。
 男の子に話しかけてもいつも答えがひと言だけ、という感じでも、発達面では自然なことなのです。
 そこで男の子にはオープン・クエスチョンで質問してたくさんしゃべらせ 、大人は聞き役に徹します
 男子の教育に詳しい開成中学・高校の柳沢幸雄前校長はを言いたいことを伝えられるのは、『言葉ではなく論理』。論理を理解する基盤を育てるには、子どもがセンテン(文章)を最後までしゃべり終えるようにうながすこと」といっています(『男の子を伸ばす母親が10歳までにしていること』朝日新聞出版)。
 ■女の子は、自信をつけてあげる
 女の子は男の子に比べて左右の脳がバランスよく発達するので、さまざまなことを同時に器用にこなすことが得意です。いっぽう、そのバランスを崩さないように失敗を避け、周囲の期待に応えようと生真面目にがんばりすぎる傾向があります。
 女の子には、まず家庭をなんでも話せる安全な場所にすること、そしてスモールステップで成功体験を積ませることで、自信をつけてあげます。
 女の子でも十分に自信がついてリミッターが外れれば、柔軟で型破りな発想が生まれてくるようになります。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

■先入観を押しつけない
 男女別学のほうが共学よりも成績がよいだけでなく、科目選択や「やればできる」と自信がもてる自己効力感にも好影響があるという調査結果が世界各地で報告されています。
 理由としては「男子は理系」女子は文系」といった先入観を押しつけられないこと、異性の目を気にすることなく好きな学問や趣味に没頭できることなどが挙げられます。
 男女の脳は 、発達の速さに差はあるものの、世間で通説としていわれているほどその差はまだ明らかにはなっていないようです。
「男の子(女の子)だから……」というのではなく、その子の個性を損なわないように成長を見守ることが大切です 。

section2 その11 「子ども扱い」しない
〜子どもに「敬意」をもつとは?〜

 ベストセラー『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)で知られるアドラー心理学。オーストリア出身の精神科医で心理学者のアルフレッド・アドラーは軍医として戦争の悲惨さを体験し、賞罰や叱責、暴力という手段を使わない問題解決を考えられる人を育てたいと、独自の教育理論や療法を編み出しました。
 その基本は「人間はすべて平等であり、大人も子どもも対等である」という考えにあります。アドラーは子どもを勇気づけ、「私には能力がある」「私は認められている」と感じられる心を育てることをめざしたのです。

■子どもを「対等」に扱う
 大人の指示に従わせてばかりいると、その子どもは大人に頼る癖がついてしまい、いつまでも自立できなくなってしまいます。子ども扱いせず対等に向き合うことで、子どもは自分の頭で考え、行動する力を身につけていくことができます。

「子ども扱い」しないためにはどうすればいい?

■課題を「分離」する
 親は子どもに対して「絶対〇〇がいい」「××すべきだ」といった言葉づかいをしてしまうことがありますが、これは親が心配のあまり、子どもの課題に口出しをしている状態だとアドラーはいいます。
 そして、親の課題と子どもの課題は「分離すべき」だとし、子どものためだと言いながら、本当は親自身が安心するためにやることを「自己欺瞞(じこぎまん)」と呼びました 。
 子どもの課題は、本来は子どもが自分の力で解決すべきこと。子どもを信頼してまかせてみて、自分で解決できれば、子どもは自分に能力があると感じられるようになります。

■子どもの考えに敬意をもつ
 子どもには大人とは違う視点、大人にはない発想力があり、実際に子どもから教わることは意外と多いものです。
「親は子どもより上」という固定観念では、子どもの柔軟な思考力を伸ばすことはできませんり子どもの意見や考えだからといって、真剣に聞かずに受け流したりせず、敬意をもって耳を傾けることが大切です。
 子どもにたくさん話をさせ、じっくりと聞いてあげると、子どもは「自分は認められている」と実感して、自分の考えに自信をもつことができます。

■言葉づかいに気をつける
 子どもに対して言葉づかいを丁寧にすると、命令したり従わせようとする表現にならず、感情的になってこじれることが少なくなります。

■大人が自分の感情に気づく
 子どもに対して怒りや不安、心配といったマイナスの感情があると、子どもを恐れさせたり、言うことを無理に聞かせようとしてしまいますり
 マイナスの感情からは、「何回言ったらわかるの」「いいから〇〇しなさい」「××に決まってるじゃない」といった命令や、反論の余地のない強い言葉が生まれ、「親が上で子どもが下」という一方的な関係性が強く出てしまいます
 親は自分のマイナスの感情に気づいたなら、場所を変えるなどしてクールダウンし、「自分は子どもの課題に干渉しているだけではないか」「もっと子どもの気持ちに歩み寄れないか」と冷静に考えてみます。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

section2 その12 「思考」を掘り下げる
〜「デザイン思考」を体験する〜

 変化の激しいこれからの時代に生きていく子どもたちには、さまざまな場面で問いを掘り下げ、ときどきのニーズに合った新しいものを生み出していく、柔軟な思考力が求められます。
 そこで注目されているのが 「デザイン思考 」です。この方法は、もともとはデザイナーが使っていた手法を活用したものです。人々の日常を観察する中で自分なりの問いを立て、仮説を考え、仮説をすぐに簡単な試作品に落とし込み、感想や意見を聞きながら改良を重ねていくという、スピーディなものづくりの考え方です。
 デザイン思考が生み出した有名な事例がiPodです。人々がどのように音楽を聴いているかを観察した結果、「すべての音楽をポケットに入れて持ち運ぶ」というコンセプトが生まれ、何度も試作をくりかえして世界的なヒット商品となりました。
 このデザイン思考を子どもたちに体験させるキュリオ・スクールの代表、西山恵太氏は「子どもたちはデザイン思考を体験することによって『答えがないのは当たり前』『答えは自分でつくるんだ』というマインドになっていく」といいます。
 身近なもので好奇心をくすぐり、問いかけるだけで、子どもたちからはたくさんアイデアが出てくるそうです。さまざまなオープン・クエスチョンの問いかけと対話を通じて思考を掘り下げていくことで、自分なりの答えをつくる力が育つのです。

「思考を掘り下げる」にはどうすればいい?

■身近なもので「お題」を見つける
 思考を掘り下げるには“お題”が必要です。子ども自身がお題を思いつかない場合は、大人が代わりに考えます。
 コンビニに並んでいるさまざまなペットボトルの形、街で見かける企業のロゴ……近所を散歩しているだけで、いろんなお題が見つかります。
 西山氏によると「なぜ、誰のために、それがつくられたんだろうね」「どういう意味があるんだろうね」などと問いかけるだけで、子どもはどんどん思考を掘り下げていくことができるといいます。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

■自分でアイデアを考えさせる
 どうしても子どもは“正解”を知りたがりますりですがそこは、「パパ(ママ)もわからないんだよね。なんでだろうね?」と共感するにとどめますり「他にも方法はない?」などと聞いていくと、自分から調べたり、悩んだりしながら、自分なりのアイデアを考えるようになります。

■アイデアを形にする
 デザイン思考で大事なプロセスは、まずは試しにつくってみることです。思考を掘り下げた結果、見えてきたことをアイデアの入り口にして、自分のロゴマークをつくってみるなど、簡単なお絵かきや工作で、子ども自身のアイデアを形にすると、考える力や想像力が養われます。

■言い換えて確認する
 子どものアイデアや発言がピント外れだなと感じても、否定せずにそのまま受け入れます。子どもは一度否定されると、その後安心して発言できなくなってしまうからです。
 否定する代わりに、「それってこういうことかな?」と、別の表現で言い換えてあげます。「見当違いに見えることでも、子どもにとっては表現力が足りないだけで、本質的なこととつながっている場合がよくある」と西山氏はいいます。
「それは間違っている」「こっちが正しい」と伝えるほうが簡単ですが、言い換えて確認してあげることで、考えを掘り下げさせるだけでなく、語彙や表現を豊かにすることもできます。

今回はここまでです

いかがでしたか?
section2では「思考力をつけるには?」というテーマでお話ししました。
「思考」は僕が普段の授業で一番気をつけていることです。なぜなら「思考するクセ」がついていると、「問題解決能力が上がる」ので大人になってから「仕事がデキる人」になれる確率が大幅に上がります。
すぐ答えを教えるのではなく、間違っても良いから「思考する時間」を与えるようにしましょう。

次回からsection3「自己肯定感をつけるには?」というテーマ(全17項目)でお話しします。

それでは素敵な一日をお過ごし下さい。
トッププロ家庭教師の酒匂でした。


次の記事はこちら

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?