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我が子を素敵な大人に育てる方法_section5(全25)4〜6

こんにちは。

普段、滅多に飲み薬を飲まないので、飲んだときの効果が絶大の、トッププロ家庭教師の酒匂です。

「我が子を素敵な大人に育てる方法」を紹介します。
※「子育てベスト100」をもとに書いています

今回はsection5 その4〜6です。
※過去記事一覧はこちら

section5 学力をつけるには?
〜効果的なフィードバックで「やる気」を引き出す〜

section5 その4 書く①
〜書くことを「好き」になる〜

 まだ脳が発達段階にある子どもにとって、「書くことが脳の働きに重要な影響を与える」という研究が進んでいます。インディアナ大学の脳科学者、カリン・ジェームズ教授は、乱雑であっても文字を書くことそのものが脳内のネットワークを活性化し、子どもたちが学ぶうえで役に立つといっています。また近年、SNSの普及で「いつでも・どこでも・すばやく」メッセージがやりとりされるようになり、日常的にやりとりされる文章がどんどん短くなっています。文章を書くこと自体に苦手意識を感じている子も少なくありません。だからこそ小さなころから、文字を書くこと、文章を書くことの楽しさ、喜びを知ることが大切です。

書くことを「好き」になるにはどうすればいい?

■ていねいに書く
 自分が書いている言葉や文章に気持ちが向かうよう、字をていねいに書く習慣をつけます。幼児教育専門のフロリダ国際大学のローラ・ダインハード准教授によれば、文字がうまく書けるようになることと、学力アップには相関関係があるそうです。字がうまいと先生が答案を読みやすいという理由もありますが、字がうまく書けない子は、文字を書くこと自体に意識が集中してしまい、自分が書く内容に注意が向かないからだといいます。

■何か書けたらまずほめる
 子どもが文章を書いたときに、「こんな文章じゃ何を言ってるのかわからないよ」「もうちょっと何か書いたら?」など、ネガティブな声かけをすると、書くことが苦痛になってしまいます。「よく書けたね」「すごいね」「こんな言葉知ってたの」など、いいところを認めてあげると、「もっと書いてみたい」という意欲が湧いてきます。

■書けないときは聞いてあげる
 宿題で作文が出ても、何を書いていいかわからない──。そんなときは、テーマに関連した質問を大人が投げかけることで、発想を広げてあげます。
・いちばん楽しかった/うれしかった/おもしろかった/感動した/悔しかったことはなに?
・〇〇のときはどんな気持ちだった?
・どうしてうまくいったと思う?
・なぜ〇〇のときにがんばれたのかな?
・次はどんなことがやりたい?
 上記のような問いを投げかけて 、子どもの答えをメモしてあげると、キーワードが見つかって書きやすくなります。

section5 その5 書く②
〜「日記」をつける〜

 文章を書く練習をするにあたって、「日記」は子どもにとって毎日の習慣にしやすい方法です。日記を通して「書く」作業は2つの効果をもたらします。

■ 「語彙 」を増やす
 文章の中で感情表現をする際、子どもは「うれしかった」「たのしかった」「かなしかった 」など、ごくシンプルな言葉を使います。ですが、たとえば子どもが「かなしかった」と表現した場合でも、実際にはそこにはさまざまな種類の感情が含まれています。
 東京大学大学院教育学研究科の遠藤利彦教授によると、そうした表現に対してまわりの大人は、「その悲しい気持ちは『心配だ』ってことだと思うよ」などと、子どもの気持ちをより細やかに言葉にしてあげるとよいそうです。それは「子どもの気持ちに『ラベル』を貼ってあげるようなイメージ」だと遠藤教授はいっています。親のそんな助言を聞きながら、子どもは自分の気持ちを表すさまざまな表現を身につけていきます。

■「気持ち」を整える
 日記を書くことで、楽しかったこと、うれしかったこと、つらかったことなど、自分自身をふりかえり、気持ちを整える力が身につきます。ペンシルベニア大学の心理学者マーティン・セリグマン教授は、「毎晩寝る前に、よかったことを3つ書く」ことを1週間継続するだけで、その後半年間にわたって、幸福度が上がるといっています。

「日記」をつけるにはどうすればいい?

■書く時間を決める
 セリグマン教授は上記のように、「毎晩寝る前に書く」ことを勧めています。親子で一日をふりかえることで、子どもとのコミュニケーションを深めることもできます。

■「3行の日記」を習慣にする
「楽しかったこと」「うれしかったこと」「おもしろかったこと」など、ポジティブな出来事を3つ思い出して書きます。3行であれば時間もかかりません。もっと書けそうなときは、それぞれの理由も書きます。書くことによって、脳がよい思い出を追体験することになり、幸福度が高まります。

■言葉選びを手伝う
 子どもの気持ちや様子を表す言葉で、ほかにぴったりな表現があるかどうかを一緒に考えてあげます。といっても、親もすぐにいい表現が見つけられるとは限らないので、『気持ちを表すことば』(光村教育図書)といった本や、ネット上の類語辞典など、語彙を増やすための情報源をうまく活用すると便利です。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

section5 その6 書く③
〜「文章の型」を知る〜

 文章を書く力は、受験や就職、そして社会に出てからもプレゼンテーションの作成やスピーチなどに役立つ強力な武器になります。
 ところが、日本とアメリカの小学校で作文指導の比較を行なった名古屋大学の渡辺雅子教授によると、日本の国語の教科書には作文の方法を扱った章はなく、教師へのインタビューでもを特定の文章の書き方を正式に教えることはない」との回答だったそうです(『納得の構造』東洋館出版社)。
 親は原稿用紙に向かう子どもに向かって「好きなことを書けばいい」と言いがちですが、そもそも子どもたちは「どう書くか」を知らないのです。
 一方、アメリカでは、渡辺教授の調査に協力した教師全員が、国語を教えるいちばんの目的は「書く技術と能力を高めること」だと口をそろえて答えたそうです。立命館小学校国語教育アドバイザーで、名進研小学校国語科の顧問も務める岩下修氏は「吸収した言語をいかにアウトプットするか、その能力が固まるのは 8歳前後」と述べ 、「それまでにきちんとした作文指導を受けて構成力や表現力を身につけておけば、その後もスムーズに作文を書くことができる」といっています(『書けない子をゼロにする作文指導の型と技』明治図書出版)。

「作文」を書けるようになるにはどうすればいい?

■型を使う
 渡辺教授によると、アメリカではとくに説明文のような文章では、早いうちから明確な三部構造を教えるといいます。
・「はじめ」の段落 :「まずこの作文で何をいうのか?」をはっきりさせる。
・「なか」の段落 :「はじめ」の主張を支える理由を3つ挙げる。
・「まとめ」の段落 :「はじめ」での主張を少し表現を変えてくりかえし、結論とする。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

 小学生への作文指導経験が豊富な岩下氏も、説明や報告、記録、論説を書くときは、「はじめ 」→「なか」(2つ書く)→「まとめ」を基本の型にするように教えると、子どもたちは理解しやすいといっています。「はじめ」には「何について書くか」を書き、「まとめ」には「なか1」と「なか2」を書いて気づいたこと、わかったことを書くように指導しているそうです。たとえば「学校で好きな場所」をテーマにした場合、以下のような構成で考えることができます。
・「はじめ」:わたし(ぼく)の好きな場所を紹介します 。
・「なか1」:一番好きな場所は……
・「なか2」:二番目に好きな場所は……
・「まとめ」:どちらも広い場所です/どちらも自分が落ち着ける場所です(「なか1」と「なか2」の共通点からまとめる)。

■「観点」を決める
 岩下氏は、「低学年の作文指導は、したことや見たことを『時系列』で書かせる方法が一般的だが、『観点』を決めて書かせたら、1年生でもスラスラ書けた」と指摘しています。たとえば、「校内探検」がテーマとすると、「おもしろかった」という観点から2つ選ばせて書かせると、子どもたちにとって書きやすかったそうです。
・「はじめ」:がっこうをたんけんしました。
・「なか1」:いちばんおもしろかったのは〇〇です。
・「なか2」:つぎにおもしろかったのは××です。
・「まとめ」:がっこうたんけんはおもしろかったです。
 渡辺教授の調査でも、日本の子どもの作文はを〜して、〜して」というように、出来事を起こった順番に書く場合が93%と圧倒的に多かったのに対し、アメリカの子どもたちは 3分の 1以上が、最初に全体をまとめる文を書いてから具体的な事例に触れ、ふたたび最後に全体をまとめるというサンドイッチ型でした。
 こうした作文の「型」を知っておくことは、論理的思考力のベ ースにもなります。これは将来グローバルな場面でもとても役に立ちます。英語のライティングはもちろん、スピーキングやプレゼンテーションでもこの「型」を応用できます。

画像:—『子育てベスト100――「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』加藤 紀子著

今回はここまでです

いかがでしたか?
「作文」の力は学問の基礎にもなります。早めに力をつけておくことをおすすめします。
ポイントは「習慣化」です。やる時間、書き方を決めて、「繰り返し」やるようにしましょう。

それでは素敵な一日をお過ごし下さい。
トッププロ家庭教師の酒匂でした。


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