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「世界最高のチーム」まとめその1

チームを作る

「世界最高のチーム」著者のピョートルさんを知ったのは、隣のクラスに置いてあった「ニューエリート」を見た時でした。
(自慢ですが、職場の同僚の先生は、教育専門書だけでなくこういった本を読んでる方が複数いらっしゃいます。とても良い刺激で、お互い何を読んでるか、いつも気になります。)

ピョートルだからロシアの方かな、アメリカのGoogleで働いてたのかな、などなど勝手な妄想が軽く頭を渦巻いてましたが、「世界最高のチーム」を読み始めてそうでないことに気づきました。笑

彼はポーランド生まれで2000年に来日し、Googleアジア・パシフィック地域の人材育成をされてました。2015年には独立し、プロノイア・グループとモティファイという2つの会社を経営しています。

私がこの本を手に取ったのは、チーム作りに興味があったから。

少し前だったら、チームと言ったら部活のチームか、自分が担任するクラスくらいしか思い浮かびませんでした。
しかし年齢を重ねて来て、「職場はチームだな」と次第に思うようになりました。みんなが働きやすい職場を作りたい。そんな時に出会ったのがこの本。

風通しが良く、生産性の高いチームに所属していたら、毎日が楽しいに決まってる!先生たちが楽しく輝いてれば、子供たちもきっと楽しいと思えるはずだ!

逆に、創造性もなく、奴隷や機械のように上から言われるがままに働かなければいけない職場では、仕事に楽しさを感じられるはずもありません。そんな大人を毎日見ている子供たちのマインドセットはどうなってしまうでしょう。

チーム作りは主に管理職の仕事かもしれません。
しかし、そこで働く人たちがチーム作りについての知識を持っていれば、それぞれ工夫してさらに良い職場にするに違いありません。

他の人に広めるためにも、まずは自分がこの本から学び、実践を通して経験値を高めたいと思いました。
ドラッカーもこういっています。

「マネジメントとは実践である。その本質は知ることではなく、行うことにある」

というわけで、今回から数回にわたって(断続的ですが)、この本のエッセンスを紹介いたします。今回は、「マネジャー」と「チーム」についてです。

チームのパフォーマンスを高めるマネジャーの特性

Google人事部の調査で、メンバーのパフォーマンスに最も関係があるのはマネジャーの言動だということがわかりました。
さらなる調査の結果、チームのパフォーマンスを高めるマネジャーの特性は、次の8つだということが明らかになりました。

①良いコーチである
②チームを勢いづけて、マイクロマネジメント(チームのメンバーに対する過度な監督・干渉)はしない
③チームのメンバーが健康に過ごすこと、成果を上げることに強い関心を持っている
④生産的で成果主義である
⑤チーム内の良き聞き手であり、メンバーと活発にコミュニケーションしている
⑥チームのメンバーのキャリア形成を手助けしている
⑦チームのためのはっきりとしたビジョンや戦略を持っている
⑧チームのメンバーにアドバイスできる専門的技術・知識を持っている

この本を読み進めていくと、ピョートルさんが考える良いマネジャーとは、メンバーと対話を重ねる(コーチングする)人物だということがわかります。

「コーチングできないマネジャーは、たとえ②〜⑧ができているとしても、結局はチームのパフォーマンスを上げることができない」

ということです。

生産性の高いチームの特性

教員になって20数年間。私は
「良いチーム(学級、職場)とは、家族のようなもの」
とずっと思っていました。

しかし、ピョートルさんは「会社のチームはスポーツチームに近いもの」として、家族の関係ではないと言います。

家族と言うのは、例えば子供が学校サボっても、お母さんはその子を愛し続けます。でもスポーツチームは違います。練習や試合をサボる人はいらないし、骨折してプレイできない人もいらない。会社のチームも一緒ですよね。仕事をサボる人、仕事ができない人はいりません。その意味で会社のチームはスポーツチームとよく似ています。

そして生産性の高いチームの特性の条件を5つ示しています。

①チームの「心理的安全性」が高いこと
②チームに対する「信頼性」が高いこと
③チームの「構造」が「明瞭」であること
④チームの仕事に「意味」を見出していること
⑤チームの仕事が社会に対して「影響」をもたらすと考えていること

この中でも一番大事なのが
「心理的安全性」です。

このことについては、先にまとめた記事でもチラリと言及されていました。

「心理的安全性」のない職場は、常に誰かの言動に気を使い、自分らしく働くことなんてできません。

「メンバー一人ひとりが安心して、自分が自分らしくそのチームで働く」

ことができれば、それぞれが最大の力を発揮することができます。
職場(職員室)に、自分が気になってしまう人が一人でもいると、仕事に集中できません。

仕事がうまくできないからといって、上司が部下に向かって「こいつ使えない」というのは簡単なこと(そして失礼)。
でも、良いマネジャーだったら「こうやってみたらいいんじゃない?」とコーチングし、育てるのじゃないかな。

私も中堅以上の年代になりました。
人にコーチングするなら、さらに知識を蓄え、経験を積まなければなりません。

正しい知識を伴った経験でなく、間違った経験や感と度胸だけで仕事をしていたら、周囲がうまく動いてくれるはずがありません。
それでも動かそうとするなら、怒声を上げて無理にでも動かそうとします。

大きな声を出して人を無理にでも動かそうとするのは「鵜飼い」型のボス。
「羊飼い」のように、声を荒げることなく全員で目的地に向かって行くマネジャーになりたいです。

どんな人であっても、「目の前にいる人はいい人」と考える

カウンセラーの経験もあるピョートルさんが心掛けていることは、
「目の前にいる人はいい人」と考えること。

これは、カウンセリングの「無条件の肯定的関心」と同じことだそうです。

チームには様々な人がいます。
多様性です。

自分に似たような人ばかりだったら、気は合いますが、同じようなアイディアしか出て来ません。
違った価値観をお互いに持っているということを大切にし、それが強いチームを作るのだと、偏見を持たずに全員と接したいです。

本人の声を聞くということ

ここ数年、誰か気になる方がいると、本を読むのと一緒にYouTubeでその方の番組や講演がないか探してみます。
あればラッキー。

本人の語り口調を知ることができると、その方が話しかけるように本を読み進めることができます。これまで書籍と動画の両方から情報を集めることができたのは、落合陽一さん、出口治明さん、安宅和人さん、工藤勇一麴町中校長などです。

今回も、ピョートルさんのこの動画を見つけることができました。

ご本人の話を間接的にでも聞くことができると、その方のイメージが立体的になります。聞けば聞くほど立体的になっていく過程は、3Dプリンタのアウトプットを見ているような感じです。

4月から新たなチームづくりが始まる現場は少なくないと思います。
チームビルディングに携わる方々のために、今月中にこの本をまとめたいと思っています。

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