育児日記　（自己愛）

育児は一種の刷り込みだ。

そんなフレーズを、もう１０年以上も前、高校生だったか、大学生だったか、とにかく育児とは全くも無縁だったころに漫画か本かで見た。なぜだかとても印象に残っている。

最近はよくヤマザキマリさんのエッセイを読むのだが、なるほど確かに、いい意味で育児は刷り込みかもなと思うようになった。

イタリア在住期間が長かった彼女の本ではよくイタリア人の性質について書かれているのだが、それによるとイタリア人は自己愛が強いらしい。そしてそれは子育ての仕方に所以するのではないかと書かれていた。

生まれてきてくれてありがとうを何度となく子供に伝えることで、自己肯定感が高まり、何かにつまづいたり失敗したりショックな出来事があったりしても、自分を慰め悲劇のヒロインになり切り、そして立ち直るらしい。（もちろんイタリア人に限らずそういう人はいるだろうし、イタリア人みんながそうではないけれど、そういう傾向が強いらしい。）

自殺する人が多い現代で、周りに迷惑をかけない程度の自己愛はとても大切なんじゃないかなと思うようになった。

ただ存在するだけでありがたい存在。

息子にも、娘にも、それは伝え続けたいと思う。そしてもし遠い将来、息子や娘に子供ができたら、生まれてきてくれてありがとうを伝え続けてほしいと思う。

なんて、そんなずっと先のことまで考えてしまった。