岡田斗司夫さんの『プチクリ』を読んで

プロクリエイターよりもプチクリエイターのほうが幸せなんだ、プロクリエイターは現実よりもつらい世界だ、結局プロクリエイターもプチクリなんだということを説いた岡田斗司夫さんのプチクリ理論。本書は、プチクリという、プロのクリエイターではないけど、自分の好きなことを表現し、自由気ままに楽しい人生を生きようということを教えてくれる本。そのなかで、才能マップという言葉が出てくる。プチクリになるには、まず、自分の好きなことを自覚する必要がある。そのために、才能マップを書くことを岡田斗司夫さんは薦めている。
 
 ということで、早速私の好きなことを書き出していく。好きなことであればどれだけ小さなことでも構わない。しかし、なるべく具体的に書くことが大事だ。

好きなこと
・映画鑑賞
「ジャンルは問わないが、ホラーはあまり見ない。基本映画は一人で見るから、そういうものは遠ざけている。映画が好きといいながら、見るのはアマゾンプライム対象作品だけ。無料のモノを見ることが多い。たまに友達に映画のことを話したりする。007シリーズは特に好きかな。新しいものが好きだから、基本的にはダニエル・クレイグ作品だけど、ピアーズブロスナンやショーンコネリーの作品もチラ見程度には鑑賞している。007の魅力は何と言ってもその知的なユーモアだろう。ピアーズブロスナンのどの作品か忘れたけど、映画の冒頭部分のボートチェイスシーンで見せたボンドの「水中でスーツのタイを整えるシーン」はたまらない。緊迫した中で、優雅に余裕を見せるボンドは誰の目から見ても魅力的に映るだろう。また、シャーロックホームズも何度見たことか。ホームズ役がロバートダウニーJr、ワトソン役がジュードロウで何度見ても面白い。知的な人にはどことなくあこがれるものだ。」
・ゲーム
→「将棋・詰将棋・羽生さんやそのほかの棋士のインタビューを動画で見る」
「ブロスタ(スパセルの作ったゲームは外れがない)」
「最近、数独にはまっている(小さいころにおじいちゃんが暇つぶしにやっていたのを見て興味を持って、数年越しにスマホのアプリで数独をやっている)数独はいわゆるトイプロブレムと呼ばれるものだ。人工知能が得意なことでもしかすると人間がやる必要がないかもしれない。自分がやってて楽しいものを探そうとするのが本書の意図だ。ふと今思ったことがある。今の人類にはプチクリという精神をいかに持つことができるかということが試されているかもしれない。かつて才能があるといわれたきたクリエイターもAIが芸術界に足を踏み出してから、肩身が狭くなってきているのではないかと思う。一般人がプロの才能を羨むように、プロクリが自分たちの才能を疑い始める時が来ているのではないだろうか。そんな時こそプチクリの精神が大事だ。凡人がプロの才能を卑下するのではなく、プロクリがAIの発展を疎むのではなく、自分が楽しいと思える、自由だと感じるプチクリ活動が大事なんじゃないかと思う。」
・散歩
「何も生まない非生産的な時間だがそれがまたいい。この時間は誰も干渉してこず、日々の生活にゆとりを生み出してくれる。散歩コースは毎回変わらないが、日々歩いていくうちに、そのコースがなじみ普遍的なものに変わっていく。休憩をしたいとき、ちょっと考え事をしたいとき、何もすることがない時など、とりあえず散歩をすると頭がすっきりする。」
・筋トレ「筋トレは正義だ。悩みを何でも解決してくれる。どこかでそんな本があったような気がするけど、本当にそう。余計な悩み事が減った。その日鍛えた部位がパンプアップした時の興奮は筋トレ最大の報酬。日々変化する自分の体を鏡で見ずにはいられない。今のところ全筋トレメニューが自重だけど、自分が思っていた以上に筋肥大した。上級者からしたら、デコピンで跳ね飛ばされそうな身体だけど、人生の中で一番盛れているのが今の肉体。」
・本を読むこと「最初から最後まで読むのが苦手だから、目次読みや気になるところ、適当に開いたところをかいつまんで読む(自分を変化することで自分に飽きないようにすることができるから楽しい?)」「学者を目指そうとか意気込んでもそんなに胆力や集中が続かないので、プチ学者でも目指そうかなと思っている。楽しそう。今の大学で好きな先生がいる。その先生は哲学者だ。先生のエピソードは素朴ではあるけど純粋そのもの。勉強や学問を心の底から楽しんでいるように見える。プチ学者って何だろう。プロの学者ではないけど、自分勝手な研究をする?学者さんはどんな研究をしているんだろ?大学の教授はどんなことをしているんだろう?自分が調べたいテーマって何だろう?学問は問うことから始まる。好きな先生がよく言うこと。答えは見つけなくてもいいからこんな感じで問い進めていこう。問うことだけを専門とするプチ学者も悪くない(←怠惰の塊)」
・令和の虎「たまに志願者がぶっ飛んでいる回があるから見てて楽しい。また、虎たちは約30分という時間で志願者がどういう人なのか、どういうビジネスプランなのかということを理解しなきゃいけないから、そういう意味では、志願者と虎との対話がすごく新鮮である。本とは違って、必ずしも理路整然とした会話ができるというわけではないけど、不完全さや未完成さもひっくるめて、見ていて楽しい。」

お金が絡む仕事でないなら、自分の自由にできる。ちょっと言葉を汚くすると、自分勝手にできる。プロクリがクオリティーを目指すなら、プチクリが目指すのはワクワク。中途半端でもいいし、気が向いた時でもいい。でも、とにかく継続させる。継続することの大切さをスティーブンキングの引用文を用いて語っていた。


岡田斗司夫、2005年、幻冬舎

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