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チームを観察することからはじめよう。

この記事はお誘いいただいたギルドワークスのアドベントカレンダーの12日目の投稿です。

開発チームの後輩が「スクラムマスターに挑戦してみたい」と言ってきてくれた。嬉しいなー。できる限り支援をしたいのだけど、僕は1月中旬まで育児休業を取得する。うーん、どうしたものか。そうだ!

チームを「観察」することをはじめてもらう

スクラムマスターの仕事はさまざまな形でチームや組織を支援すること。そのためには、スクラムのフレームワークや価値観の理解がもちろん必要。そしてこれらは知識なので書籍などである程度は習得することができるのだけど、その知識を活かすも殺すも、いつ・どんな支援をチームにするのが効果的なのかを考えることができるかにかかっていると思っています。なので、その思考のトレーニングこそがが「観察」なのだと伝え、しばらくのあいだチームを観察してもらうことにしました。

客観的に「観察」する大切さ

観察とは「物事を客観的に見ること」。僕たちは様々なバイアスを通してものごとを見ており、無意識のうちに自分の色眼鏡で良い悪いを判断しています。そうしたバイアスを通した支援は往々に「こうやったら上手くいくって思ってるのお前だけやからな」問題を引き起こしてしまい、チームにうまく受け入れられなかったり、いろいろやっているけどチームが良くならないという結果を引き起こしてしまう...。

そうならないためにも、チーム内で起こった出来事に対して、このバイアスを外した(気づいた)うえで、スクラムマスターとして客観的にどう向き合うかを考える思考ができるかどうかがポイントになってきます。

観察した出来事を3つの要素に分けて記録する

観察した内容を3つの要素に分けて書き残してもらうことにしました。
(このやり方はコーチから教えてもらったのをベースにしていますが自分でアレンジしているような気もする)

書き残す内容は以下の3点

1. どんなことがあったのか?(事実)
2. どう思ったのか?(自分の感情)
3. スクラムマスターとして何ができるか?(役割としての視点)

まずは1,2点目で出来事に対して「事実と感情」を分離させることを行います。ここを混同したままだと、チーム内で起こった出来事を客観的に見ることができなくなってしまうので。「事実」はあくまで見聞きした出来事。「感情」は自分がどう感じたのか,思ったのかを記録していく。

そして3点目として、その「事実」に対してスクラムマスターとしては何ができるのか?を考えて書いてみます。これが難しいけどまずは自分で考える。そのうえでスクラムガイドや書籍に立ち戻ることで、よりスクラムやスクラムマスターの役割の理解を深めることにもつながっていきます。

さいごに

スクラムマスターはPOや開発チームとは異なる視点での貢献を求められる役割。だからこそ知識として学ぶだけではなく、思考のトレーニングも必要だと思っています。事実、僕自身はこの観察を続けることで、少しづつチームを見てスクラムマスターとしての振る舞いを選択するということができるようになってきました。

育児休業明けに、後輩の観察記録を一緒に見ながらどんな会話ができるだろう。たのしみだなー。

<Photo by. Manfred Steger>

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