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感性工学の教室(KEC)

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オープンローカルコミュニティである感性工学の教室で紹介しているコンテンツを公開しております。 感性工学の教室 https://www.notion.so/cyberjinn/K…
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記事一覧

論文紹介:感性工学の方法(清水:2016)

論文紹介:感性工学の方法(清水:2016)

本研究は、感性工学における方法論について考察しています。著者は、感性工学の基本として文化の重要性を強調し、行為・感性・文化の関係性を数学的に表現することを試みています。研究では、行為を関数として表し、それを基に感性と文化を階層的に定義しています。また、遺伝子レベルでの感性と文化の関係性についても言及しています。

文化の構造については、ヒエラルキー型とネットワーク型の2つの形態を提示し、それぞれの

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リーダーシップには感性が必要だ(立谷:2017)

リーダーシップには感性が必要だ(立谷:2017)

本研究は、現代のビジネス環境におけるリーダーシップのあり方の変化と、感性を重視したリーダーシップの重要性について論じています。著者は広告会社での長年の経験を基に、従来の指示命令型のリーダーシップが現代の若手社員には通用しなくなっていると指摘しています。

特に、「ゆとり世代」と呼ばれる若手社員は、論理的思考力と問題解決能力を持ち、上司の意見に対しても建設的な問題提起をする傾向があります。しかし、従

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プロダクトデザインの感性評価(佐藤:2023)

プロダクトデザインの感性評価(佐藤:2023)

本研究は、プロダクトデザインにおける感性評価の重要性と手法について論じています。感性工学の観点から、人間の感性的な判断を定量的に測定し、デザインの属性と対応付けることを目指しています。

主な内容として、感性評価の定義と必要性、プロダクトデザインにおける感性評価の位置づけ、研究手法の概要が説明されています。特に、新素材の導入がデザイン表現に与える影響や、高級感などの感性的要素の重要性が強調されてい

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瞑想によって共感能力は高まるのか(岡田、安藤:2009)

瞑想によって共感能力は高まるのか(岡田、安藤:2009)

本研究は、瞑想が共感性に与える効果を検証したものです。花園大学カウンセリングセンターのスタッフ20名を対象に、1ヶ月間の瞑想実践前後で共感性を測定しました。測定には、IRI(対人的反応性指標)の日本語版を再構成した質問紙を使用しています。

結果として、瞑想実践後に情動的共感性と認知的共感性の両方で有意な向上が見られました。これは、瞑想が共感性を高める可能性を示唆しています。

研究者は、瞑想によ

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感性品質としての高級感(妹尾:2011)

感性品質としての高級感(妹尾:2011)

研究の要約本研究は、製品やサービスにおける「高級感」を感性品質の観点から分析することを目的としています。高級感は消費者の購買意欲に大きな影響を与える重要な要素であり、その本質を理解することは製品開発やマーケティング戦略において非常に重要です。研究では、高級感を構成する要素を特定し、それらの要素が消費者の知覚にどのように影響を与えるかを調査しています。さまざまな製品カテゴリーにおける高級感の評価実験

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デザインマネジメントと感性(安齋:2016)

デザインマネジメントと感性(安齋:2016)

本研究は、デザインマネジメント教育における感性の役割と育成方法を探究したものです。著者は、デザイン創造における感性だけでなく、マネジメントや判断における感性も重要であると考え、大学4年生を対象としたデザインマネジメント授業の事例を通じてその育成方法を検討しています。

授業では、デザインマネジメントやプロジェクトマネジメントの理論学習と、グループワークによる実践的演習を組み合わせました。学生たちは

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論文紹介:プロシューマの感性バリューを活かすプログラムマネジメント(相原:2009)

論文紹介:プロシューマの感性バリューを活かすプログラムマネジメント(相原:2009)

研究の要約

この研究は、企業と顧客の双方向的なバリュー創出プロセスを「プロシューマ感性バリュー・プロポジション」として捉え、そのスパイラル的な展開をプログラムマネジメントの観点から分析しています。感性に基づく価値創造の重要性を指摘し、具体的な事例を通じてその実現プロセスを示すことで、新たな市場創出と持続のためのマネジメント手法を提案しています。

このノートはAIによって論文を要約したものを一部

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論文紹介:感性価値としての「かわいい」(大倉:2015)

論文紹介:感性価値としての「かわいい」(大倉:2015)

研究の要約この研究は、「かわいい」という感性的価値に着目し、そのインターフェースの属性(形状、色、材質など)を体系的に分析することを目的としています。著者らは、仮想環境での抽象的オブジェクトを用いた実験を行い、「かわいい」形状や色に関する傾向を「かわいいルール」として導き出しています。

主な実験として、(1)かわいいと感じる対象物の分類と理由の分析、(2)テクスチャーの違いによるかわいさの評価、

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論文紹介:いわゆる「ゾーン」における感性的体験に関する一見解(志岐、福林:2013)

論文紹介:いわゆる「ゾーン」における感性的体験に関する一見解(志岐、福林:2013)

研究の要約本研究は、スポーツにおける「ゾーン」体験を感性の観点から解明することを目的としています。マーフィーとホワイトによるゾーンの特性、チクセントミハイのフロー体験の特性、志岐と福林による感性的体験の特性を比較検討しました。さらに、トップレベルのアスリート19名を対象にインタビュー調査を実施し、「オーラ」という人間のエネルギー場の視点から分析しました。

結果として、以下の点が明らかになりました

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論文紹介:関心が色の知覚に及ぼす影響(松本、川端、佐々木:2021)

論文紹介:関心が色の知覚に及ぼす影響(松本、川端、佐々木:2021)

研究の要約本研究は、大学生を対象に木材の色に関するアンケート調査を実施し、木材への関心の有無が色の知覚に及ぼす影響を検討したものです。調査の結果、木材への関心の有無に関わらず、大学生は比較的明度の低い茶色を典型的な木材の色として認識していることが示唆されました。今後は、家具職人等の木工熟練者にも同様の調査を実施し、職業等の経験が色の知覚に及ぼす影響について考察する予定です。

このノートはAIによ

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論文紹介:他者の視点をどうしたら取得できるか(竹村、板橋、中島、村上:2023)

論文紹介:他者の視点をどうしたら取得できるか(竹村、板橋、中島、村上:2023)

研究の要約本研究は、視点取得能力を向上させる課題の提案を目的としています。「マナーゲーム」と「プレゼントゲーム」からなる実験システムを構築し、マナーゲームを行った視点取得群と、パズルゲームを行った対照群のプレゼントゲーム得点を比較しました。その結果、視点取得群の方が有意に高い得点を示したことから、マナーゲームが視点取得能力を向上させることが示唆されました。また、日常的な儀礼的行為が視点取得の向上に

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論文紹介: 感性ユーザーモデルの構築のためのデータ収集方法(櫻井, 本村, 安松, 坂本, 道田, 2024)

論文紹介: 感性ユーザーモデルの構築のためのデータ収集方法(櫻井, 本村, 安松, 坂本, 道田, 2024)

研究の要約この研究では、感性のモデル化のために、自動車購入に関するユーザーモデルの構築を試みています。まず自由記述アンケートから感性表現を抽出し、次に紙ベースの質問紙で58件の学習データを収集しました。わくわく感に関するデータは少なかったですが、車の重視ポイントとライフステージの関係性などがベイジアンネットワークモデルから示唆されました。今後はデータ収集を電子化し、モデルの改善を目指します。

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論文紹介:感性価値創造を促すプロセスとは(庄司・2019)

論文紹介:感性価値創造を促すプロセスとは(庄司・2019)

研究の要約本研究は感性価値創造を促進するプロセスモデルを提案しています。知識社会から感性社会への移行を背景に、感性価値の重要性を指摘し、観察・計測・モデリング・実装の4フェーズからなるモデルを提示しました。このモデルを用いてファッション商品開発プロセスを分析し、従来の属人的プロセスに科学的アプローチを導入することで、より効率的な感性価値創造が可能になると提案しています。今後の課題として、計測とモデ

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