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行動経済学とは

付き合って半年の彼女と初めて迎えるクリスマス。何でも「初」というのは良いものだ。記憶に残るクリスマスを過ごすためにもレストランの予約、プレゼントの購入は必須。これはたまらん。でも初めてのクリスマスだ、やるしかない。

レストランの予約

もちろんコース料理。口コミサイトで評価が良かった店を選んだ。クリスマス限定イベントという事で3つからコースを選べる。

10,000円のコース
15,000円のコース
20,000円のコース

内容を見てみると15,000円のコースが良さそうだ。これに決めた。時間も19:00〜21:00まで選ぶ事が出来る。もちろん20:00だ。

プレゼントの購入

彼女が欲しいものはブランド物の財布。男1人で女性ブランドの店に入るのは緊張する。でも大丈夫。店員さんは朝礼で「この時期は男性が多い」というのを聞かされているはずだ。実際店内には男性も多い。安心した。

彼女の欲しいブランド財布は沢山の種類がある。サイズも形もそれぞれだ。でも心配はいらない、これも2つの候補まで絞っている。

70,000円の財布
100,000円の財布

よし、100,000円の財布に決めた。値段が高い方が良いに決まってる。これで彼女の喜ぶ顔が見れる。追加1,000円でクリスマス限定の包装も出来るらしい。ぜひお願いしよう。会計はクレジットカードだ、ポイントもつくし最高だ。

電車とバスを乗り継いで家につく。お金を使いすぎたのでいつも飲んでいる170円の発泡酒は控える事にした。

クリスマス当日-準備-

この日の為に買った服を着ながら鏡の前に立つ、50%オフのセールで17,000円のジャケットだ。とはいえもともとは34,000円だ。着てみるとその価値を確かに感じる。仮に売るとしたら30,000円ぐらいにはなりそうだ。良い買い物をした。

100,000円のプレゼントを見て一瞬不安になる。これで本当に良かったのだろうか。70,000円の財布の方が良かったか?いや、大丈夫だ。絶対に喜ぶはず。店員さんも言っていたし。

たまたま時計を見ると自分の誕生日の時間になっていた。これは運がいい。今日のデートは絶対に成功する。

プレゼント持って家を出る。バスに揺られていると、美人で高身長な女性が乗り込んできた。この人は絶対にモデルさんに違いない。そんなどうでも良い事を考えながら、電車に乗り継いで待ち合わせ場所へ。

クリスマス当日-待ち合わせ-

待ち合わせ場所に向かうと彼女がいる。自分の彼女は遠くからでもわかる。そんなものだ。試しに遠くから彼女の名前を呼ぶ。すぐに振り返った。大きな声で申し訳ない。

付き合って半年。会話にも慣れてきた。半年ぐらいが楽しい時期と言われるのがわかる気がする。予約していた20:00まで時間があるので少しばかりのショッピング。ちょうどイヤホンが欲しかったので家電量販店へ。

前から気になっていたイヤホンがメーカー希望小売価格より3,000円も安かった。これはお買い得だ。イヤホンを片方ずつさして同じ曲を聞くみたいな事を妄想しながら全額ポイント払いで購入。まるでプレゼントされたみたいだ。

クリスマス当日-レストランにて-

予約していたレストランに着くと多くのカップルで混んでいたので安心した、ガラガラの店だと逆に緊張するものだ。人が多くても予約をしているので心配ない。

コース料理なので1品ずつ運ばれてくる。しかも丁寧に料理の説明まで。その日にとれた旬で新鮮な野菜をどう料理したのかなど、聞くだけで美味しさが伝わってくる。実際に食べてみるとやはり旬の料理というものはうまい。

1品1品の量が少なくてすぐに食べ終わってしまう。しかし最後の方になるとお腹がいっぱいになる。不思議なものだ。ダイエットに活かせるなら活かしたい。そして1年にこの日しか食べないフォアグラを食べて

「レバーみたいだね」

毎年のテンプレだ。そんな事も言いつつ途中から料理の事なんて考えていない。プレゼントの事で頭がいっぱいだ。なんせ100,000円だ。この料理の5倍以上する。

プレゼントを渡すとなるとメインディッシュかデザートの後どちらかだろう。根拠はないがそう思う。そして僕はメインディッシュにプレゼントを渡すと決めた。

結果は大成功だ。彼女は目を輝かせて喜んだ。こんな嬉しそうな彼女は初めてかも知れない。一生の思い出になるだろう。

クリスマス当日を終えてみて

来月の請求は怖いが最高のクリスマスだった。


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