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娘と私の時間を豊かに彩る絵本たち

娘が生まれて、大人の本はなかなかゆっくり読めなくなったけれど、絵本は毎日読んでいる。特に断乳してから、娘の眠りに絵本は欠かせないものになった。布団に入って膝の上で、寝転んで、娘が眠りに落ちるまで、1時間以上、親子でくっついて絵本を読む。

と書くと、穏やかな感じがするけれど、娘は1時間も絵本だけを読む集中力も落ち着きもなく、絵本を読んでいる最中やその間に有り余った体力を爆発させる。私の顔の上で寝返りを打ったり、お腹の上で飛び跳ねたり、首に足を絡めたり、顔を引っ掻いたり、もはやゆるやかなプロレス。突然ツボにハマってケラケラ笑い出したと思ったら、気にくわないことがあって突然泣き出す。布団の上をぴょんぴょん動き回ってくるくる表情を変えて。なんと豊かなんだ!とぎゅーっと抱きしめて、いちゃいちゃしている時間はなんだかんだ楽しい。

自分の足で立って言葉を覚え始めた、赤ちゃんと幼児の狭間の1歳児、めちゃくちゃ可愛いぞ!!変なリズムの小走りも、手とお尻がちょっとだけ動く踊りも、サ行が抜けちゃう、音重視の気持ちが前のめりな言葉の数々も、完璧ではないそのすべてが愛おしい。

1歳半を超えて、自我が芽生え始め、「やだ」の首振りが頻繁に見られるようになってきたのは、「魔の2歳児」イヤイヤ期の予兆か。ここ2、3日は眠たくなるとぐずり出し、なぜか私の手を引いて寝室から脱衣所へ、「かっか、かっか」(かあちゃん抱っこ)と手を伸ばし、抱き上げて寝室へ戻ろうとすると「やだ」。脱衣所で眠りに落ちたいという変なこだわりを発揮している。ダツイージョ?

そんなこともあるけれど、絵本が私と娘の寝る前の時間を豊かにしてくれていることはたしか。成長とともに、読む絵本も変わってくるので、娘と私のお気に入り絵本の記録を、ね。

6ヶ月〜1歳半によく読んだ絵本たち

生後6ヶ月頃から絵本を読み始めたけれど、当初は『じゃあじゃあびりびり』を筆頭とする原色でカラフルな厚紙の絵本をかじってなめていた。そんななか、ヘレン・オクセンバリーの原色じゃないあかちゃんえほんに私は癒された。京都の絵本屋さんメリーゴーランドで妹が買ってくれた5冊セットに、娘が喜びそうな擬音語を添えて。最近は一丁前に「あかちゃん!」という娘。新生児に会いに行ったからかな。

1歳に近づく頃のお気に入りはせなけいこさんと林明子さん。「あっ」とか「きゅっきゅっきゅっ」とか娘が反応を示してくれるようになって嬉しかったなあ。これらの本、暗記してた。最近の娘は「おつきさまこんばんは」の表紙と裏表紙を回転するだけで笑う。表紙は目を閉じて穏やかな顔のおつきさまが裏表紙は目を開けてあっかんべーをしているのがツボらしい。それだけで笑ってくれるなら、何度でも回転させちゃうよ!

福音館の0,1,2えほんもいろんな作家さんが参加していて面白い。我が家のお気に入りはこの2冊。

「ぽんちん……」まで言って溜めていると、「ぱあーああん!!」と時に元気に、「ぱんっ」と時に静かに、返してくれる。

「いきをすって〜」「うでをふって〜ぱたぱたぱた」「小さくジャンプ!」「おしりをふって〜」とぺんぎんの親子と一緒に、たいそうしてくれる姿が見たくて毎日読んじゃう。

『いないいないばあ』はあかちゃん絵本の大定番だけれど、松谷みよ子さんのあかちゃんの本では、「いいおかも」も好き。猫は「にゃあ」、犬は「わん!」、象は「ぞうぞう」と声を出して、「いいおかおは?」と言うと、くしゃっと笑ってくれるんだもん。

カラフルなアンパンマン沼にハマらぬよう遠ざけていたというのに、父と神保町のBook House Cafeに出かけた1歳の娘は、「アンパンマン!」と声をあげながらこの絵本を持って帰ってきた。数ある絵本のなかから自分で選んだらしい。娘が生まれて初めて触れたのは、まだ平仮名でボロボロマント、焦げ茶色の初代あんぱんまん。それでも御多分に漏れず、見事にハマって、今のところ娘が人生で一番発している言葉は「あんぱんまん」だと思う。カラフルなアンパンマングッズは買い与えず、地味な初代絵本でアンパンマン欲が満たされるのはいつまでか。避けては通れない道なのか。おそるべし、アンパーンマン!

こんな、あんぱんまんを子どもたちは、好きになってくれるでしょうか。それとも、やはり、テレビの人気者のほうがいいですか。

子どもたちに「ほんとうの正義」を伝えるためにこの絵本(1974年初版)を描いたやなせたかしは、あとがきこんな言葉を残しているけれど、40年以上経ってもキングオブ人気者なのだから、感慨深い。戦争体験から子どもたちの飢餓を救うために生まれたあんぱんまん。大人にはこちらの本もオススメ。

アンパンマンもそうだけれど(?)、食いしん坊な我が子は食べ物の絵本が大好き。

パン屋に来てどのパンがいいか選ぶように「こで!」と指差してあむ。「パンパン!」と両手を広げてあむ。

リアルな描写に、くだものを片手でつまんで、ぱくぱくした時は思わず声をあげて笑った。調子に乗って「美味しい?」と聞くと、ノリがいい時は「おいちー」と首を傾けてにっこり。想像力よ!

上野の森 親子ブックフェスタで一目惚れして買ったごはん。まだ食べたことのないごはんもたくさんあるけれど、おにぎりは「おにーり」と両手で包み込むように、手に取ることがある。なぜか「カオマンガイ」に反応し、それっぽい言葉をなんども口ずさんでいる。

くだものもごはんも、途中で私の手を本当に食べようとしたり、寝室からキッチンまで私の腕を引っ張り、冷蔵庫の下で「なんか食べさせろ」と言わんばかりに両手を広げたりして食い意地をはっきりする娘。危険危険。でも、私も食いしん坊なので、食べもの絵本を見つけるとつい手を伸ばしてしまうのよね。

娘が生まれる前に古書店ゲットした『すきやき』も大活躍。娘も「たまご」「おにく」「とふ!」、すきやきが完成するページは「おお〜」「ふう〜」と声をあげる。お腹すく〜

おっと、このままでは食べもの絵本ばかりになってしまう!食べもの絵本は娘のかわいさを引き出してくれるので、つい。

最近のお気に入りは、みんな大好き五味太郎さんのこちら。

「きんぎょはどこ」「ここ!」というやりとりを毎日していても、今のところ飽きないから不思議(この前取材した方がきんぎょがにげたTシャツを着てて、思わず反応!ちょっと欲しい)。あんぱんまんもそうだけれど、ずっと売れている絵本は、子どもを惹きつけるパワーがあるんだなあ。

ミロコマチコさんの絵本は、もうアートの領域で、娘もじーっと見つめて、ふたりで圧巻されている。広げて飾っておきたいくらい。力強くて、あったかくて、おちゃめ。筆が自由に踊ってて、なんかこう、絵が描けない私も、わあああっと描きたくなる。

(親子で大きな絵を描いた時のことを思い出す)

毎日10冊以上を何十回も繰り返し読んでいる絵本。まだまだお気に入りはあるけれどこの辺で。

今回は娘が反応してくれる楽しい絵本を中心に記録。もちろん毎回反応してくれるわけではなく、気分が乗らないと閉じてぽいっとすることもある。それでも、絵本はやっぱり私と娘の毎日を豊かに彩ってくれる。私がそうであるように、娘も大人になって、自分が読んでいた本を思い出したりするのかな。

それにしても、大人と子どもが何十回も、さらに世代を超えて読まれる絵本のポテンシャル、すごいなあ。

ちなみに我が家は『ぐりとぐら』他名作を多数刊行する福音館書店、累計600万部『いないいないばあ』の童心社、アンパンマンが生まれたフレーベル館が徒歩圏内にあるので、ふらっと立ち寄って直接絵本を買うこともあり、こうしてみると、定番かつ出版社が偏り気味? なので、みなさんのおすすめも知りたい!

#推薦図書 #絵本

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