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彼女紹介(?)します

Narumiという人間についての話。

メタ認知が度を超すと、自分の目の前で
もう1人の自分がじっとこちらを見ている
ような体験をする。

今彼女は絶望的なニヒリストであり、
「あなたのやっていることは意味がない」
「どうしてあなたは存在するの?」
「信じてるものはいずれ裏切るに決まってる」
と、さもそれが真実のように諭してくる。

今後も人生を共にするパートナーだと思うと
もう少し彼女にはご機嫌な存在であってほしい
と思う。例えば私が唐突に自分語りを
したとしても

「あなたの思ってることなんて
誰も見てないし興味ないよ。」

なんて言わず、
「あなたのことを世界中が無視しても
私だけはちゃんと見てるから安心して」

って言いながら肩にそっと手を置いてくれる
彼女であってほしい。

Narumiという人間はそういう、厄介で
大変に扱いにくいタイプの人間である。

このNarumiを身体に宿す私自身は
彼女と真反対の性格で、時々衝突しては
彼女を追い出す。
ところがすごく幼稚な私はとんでもない
トラブルに自ら足を突っ込んで自爆し、
結局彼女に笑われるのが定石である。


Narumiはいつも物事を冷たく思考する。
だから冷たい判断しかできない。

ペラペラな優しさを無料配布したり
友達の人生のために夜更かししたり
ノスタルジーに浸って音楽を聴いたりしない。

いや、それができない人間だ。
だからちょっと怖いし近寄りがたい。

でも、いつも私のそばにいて
私の人生には積極的に口出しする。
あなたはこの人と一緒にいるべきじゃないよ
などということを真剣に言ってくれる。

私には本音で話せる友達がいないから
彼女のそういう面が愛おしかったりする。

関西出身の私が標準語で話すのを見て
「東京に魂を売ったのね情けない子」
って呆れた顔をするくせに
私の撮った写真や描いた絵なんかは
「ありがたく使わせていただくわ」って
言って横取りしたりする。


Narumiという人間はそういう、
愛が何であるかを知っている人間である。

愛されなかった私を決して甘やかさない。
傷ついた私を慰めたりしない。
お人好しで人の世話ばかりする私に
「なぜ自分の人生を生きないのか」と
眉をひそめる。

そして、見放さないでここにいてくれる。

育ての親がくれなかった精神的なぬくもりを
擬似的に体験させてくれる。


私は今後もこの不機嫌な彼女と一緒に
生きていく。

そのためには、Narumiが何を考えているのか
を知る必要があった。
私は彼女に「自己表現」の場を用意することで
彼女と上手く付き合っていこうと考えている。

文章を読んだり書いたりできない私の代わりに
色んなことを知ってる彼女が自由な言葉で
私を表現してくれる。

そんな場所であってほしいのだ。






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