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再生数をめちゃくちゃ増やした最強のサムネ構図

音MAD Advent Calendar 2022の6日目を担当させてもらいました。

1年前の記事では動画説明文を効果的に使うことでグーグル検索に反映されやすくでき、再生数増加につなげられるというSEO対策の解説をしたのですが私が例示した結果ではそれで増えたと思われる再生数の量があまりにも少なすぎて
「ここまでしてやる意味ほんとにあるの?」
「こんなとこに時間かけるより動画の中身に力入れた方がいいだろ」
といったコメントや指摘に返す言葉もなく、ごもっともでございます・・・としか言えませんでした。
4%くらいしか変わらなかったというのはやはりコスパがあまりにも悪すぎたのか案の定今年の合作でSEO対策に力を入れてやってそうなものはあまり見当たりませんでした・・・。
そこで今年は今まで自分が合作に参加した際にサムネこうしてくれと合作主催に進言・・・というかペコペコ頭下げて交渉したりとかしつつも毎回のように大きな成果をあげてきた再生数が増えるサムネノウハウをまとめました。

実際にどれくらい再生数の結果が変わるのかというのはこの記事は作品批判をしたいわけでもないので一切例示しません。ノウハウの使い方ややり方はなるべく具体例も例示したいと思いますが結果は例示しません。この記事を読んだ後に私が参加しているここ3年くらいの合作を見てもらって素材の影響度やクオリティも絡めて他の動画と比較するなり各自で判断してください。

【はじめに】

動画において伸ばすのに必要なことは
(1)エンカウント数を増やす
(2)手に取られる率を増やす


「エンカウント数を増やす」つまりは目につく機会数の増加です。これはイメージしやすいと思いますし、がんばってる合作もよく見ます。告知をしたり、twitterでの拡散などですね。 しかしどれだけ機会数を増やしても手に取られる率、つまりは選択率を増やさなければ意味がありません、そしてこれが致命的に軽視されがちです。現在のネットはコンテンツ飽和なため色んな作品であふれています、そんな中で視聴者一人一人の可処分時間は限られているゆえに目についた作品は全部見られるということはありえません。たとえ神絵師にこれ面白すぎィと言ってもらっても他の動画もこれ面白すぎィと言ってるはずです、そうなると競合します。要はサムネとタイトルがしっかりしてないとせっかくエンカウントはさせれても手に取られないよ、他の動画を取られるよってことです。今回の記事はこの手に取られる率を増やす、つまりは「選択率を増やす」ことを中心に書きます。個人作でも通用する内容ですが音MAD合作の方が再現性が高い結果が出た、高確率で伸ばせたので今回は合作に絞って書きます。

音MAD合作のマーケティングとは

よく再生数伸ばすためにはTwitterなどでバズらせればいいだとか言われることがあります。そのため、めちゃくちゃクオリティ高い告知動画を作ったり、有名作者を揃えたりするなどして宣伝に力を入れている合作をたくさん見てきました、熱量とモチベが高く、どれも力を入れてて素晴らしいと思います。
確かに10万再生ぐらいあるような再生数が高い動画はTwitter等でバズっていたり、初動(初日の再生数)が高かったりする印象があると思います。
しかし、昔から自分は初動やバズを全く重視していませんでした。
理由は誰にでも可能なことではなかったり、再現性が低いからです。
まあ自分の個人作でもTwitterでバズらせるのが上手くいったものもありますのでバズるものに傾向があることはなんとなくわかるのですがでもそれは狙って確実にやれるものじゃないと経験上思っています。(つまり運に左右されやすい)中でも合作のように1年かけて一発勝負みたいな大一番の勝負でほぼほぼ確実にバズらせるなんてのは軽々しく言語化できません。

そんな中で私が2年目くらいの新人作者でまだ頭が柔らかかった頃に考え着いたのが初動に左右されない、いわゆるじわじわ伸ばすことを模索した結果たどり着いた、この音MAD合作のマーケティングです。

我々音MAD作者が作りたいものや素材の二次創作の範疇で
・他の動画ジャンルとの視聴者争奪戦略を中心に新たな視聴者層を生み出すノウハウ。
・「各視聴者層が求めている創作物を適切に届け、その創作物の価値をより強くする」ためのノウハウ。
(一般人は再生数が高い動画を再生しがちなので再生数を増やすこと自体がさらなる再生数を呼び込むことにつながる)


目指すべきところとしては合作の宣伝などをしなくても
一人でも多くの人に"勝手に"手に取って見てもらえるという仕組みを作る
ことが音MAD合作のマーケティングです。

私が持っている再生数を取りに行くノウハウはすべてこの勝手に手に取って見てもらえる仕組みを作ることが根底にあり主軸になっています。
今回の記事ではそんな私が考えた音MAD合作のマーケティングノウハウの中でも一番影響度が高かった選択率を上昇させるサムネイルに絞って書きます。

本当はエンカウント数を増やすという方にも2種類あって
制作者サイドが動いたり行動したりして広める方法が4パターン、
視聴者サイドが他の人に勧めたり広める確率を高める方法が3パターン、
といっぱい語れるくらい思いついていて実際にやったりしてるのでこちらも中々奥が深いです、去年書いたSEO対策の記事は上の制作者サイドがやる方法の1パターンでしかありません。しかしあまりにも長くなるので今回は書きません。気になる人は私にDMするなり私を合作に呼んだりした時に聞いてもらえればそこで教えるのでやってもらえればと思います。

ではようやくこの記事の本編である手に取られやすいサムネの説明へ・・・

【本編】どんなにおもしろい動画でも手に取ってもらえなければ意味がない!

サムネとタイトルが視聴者の選択率上昇において最重要!
タイトルが読まれるかどうかはサムネにかかっている!!

伸びる合作のサムネというのは大きな要因として以下の5つが複雑に絡み合っています。上の項目であるほど重要度は高く優先すべきです

①キャラや人物の顔が一番重要!

ぱっと見で何のキャラか分かるサムネがどんな動画なのか一番分かりやすいサムネであり視聴者にとって受け入れやすく手に取ってもらいやすい!!

サムネは流し見1秒で良し悪しが判断されてしまいます、第一印象が全て。
サムネは一目見た瞬間に感じたものが9割です。
なので一目見た際におおっ!?と思われなかったサムネは細部がどれだけ凝っていようがそんなとこはまず見てもらえません。万が一見て貰えたところで一目見たときの印象を上回ることなんてそうそうないです。
逆に一目見た際におおっ!?と感じて貰えたサムネはよく見ると細部が雑だったりしても良い印象で見て貰えます。

これは伸びてる二次創作イラストを描いていた同人絵師さんを捕まえて聞いたことを動画のサムネに適応してやってみたところ一発で目に見えた結果が出まくったってやつなのですが神絵師たちが普段の経験で薄々思っていた伸びるイラストというのは伸びるサムネに必要な要素でもありました。
イラストにおいて一番こだわるべき、上手く見せるべき箇所は顔なんです。
二次元美少女イラストならもっと言うと目と前髪です、ここでキャラの特徴の8割くらいが判別できると思います。 逆に目と前髪でキャラの特徴が捉えられていないイラストは何のキャラか分かりづらく下手に見えがちです 。
まあ足だけのイラストを見せられて何のキャラか答えられる人なんてそうそういませんよね。でも顔ならば一発で何のキャラかわかるからこそみなさんtwitterアイコンはキャラの顔にしてるんじゃないですか。
まあつまり、サムネイルは顔をとにかく分かりやすく強調して見せる必要があります。これをしないと例えばウマ娘の動画が見たい視聴者がランキング等のサムネ一覧で流し見をしている時にウマ娘の動画だと気がつかずにスルーしてしまうといった事態が発生します。本来なら見てもらえたであろう視聴者層を落としてしまうことにつながります。
顔ドアップのサムネがいいとか10年前くらいにベテラン作者が言っていたことがあったらしいのですがこれを少し発展させましょう。
顔を分かりやすく、強く見せることができればサムネ全体を覆うような顔ドアップではなくバストアップくらいでも問題ないと思います。(そうしたらポーズとかもさせれて表現の幅が増えて色んな面白いことできるし) それを可能にする手段の1つが視線誘導です。
今回は自分が主催したシャニマスの合作でサムネイルイラストを担当した絵師の方が昔書いた絵で視線誘導とは何かというのをざっくり説明していきます。

ぱっと見でこのイラストを見たときまずはキャラの顔に視線が行くと思います。 そこから背景とかに視線を移すわけですが無意識のうちに勝手にまた顔に視線が戻ってしまうんです。よく見てみると髪のお団子や服のしわはわりと手を抜いて大雑把にしてますがそこにあまり視線がいかないのでごまかせてしまえるのです。 これが視線誘導の効果です。キャラの顔は画面全体の6分の1くらいであってもほぼ顔を見続けてしまいます。
これはどうなっているのかというと腕から指先へ目線が行ったり背景の草むらとレンガブロックの境目を追うと勝手に顔に戻ってくるようになっているのです。

さらには伸びる絵のパターンの中でもその絵1枚で前後で何が起きてたか、何が起きそうかが背景やキャラのポーズや表情で想像できるようなシチュエーションになっているものというのがあります。
要はギミックです、ギミックがある絵というのは他のありきたりな絵と差別化ができ、受けがいいです。ネタや性的表現もギミックの1つですし、どういったギミックをどう組み合わせてどう盛り込むかというのは発想力と表現力や演出力勝負の場でもあります。

②サムネにおけるロゴは"読ませる文字"ではなく特別感を出すための"読ませない文字"

サムネ一覧での視聴者心理として「ロゴまで用意したという事実」に価値があるのであってロゴがあるかどうかだけを評価している。なのでロゴをどれだけ凝ってサムネで大きく見せつけようがサムネではキャラの顔の方が圧倒的に何の動画か分かりやすく受け入れやすいため、どんなにロゴを凝りまくろうが再生数面で劇的な効果はほぼない。

サムネはぱっと見の第一印象がすべてです。ロゴだけのサムネだったりなんのキャラかわかりにくいようなサムネはタイトルを読む前にスルーされる可能性が上がってしまうと思います。ロゴはデザインチックに凝れば凝るほど読みづらくなるものです。しかし極端にシンプルにするとYoutuberのサムネみたいな安っぽい感じになってしまい合作という特別感が台無しになり逆に敬遠されると考えることもできるためロゴというのはほんと難しいと思います。
まあぶっちゃけた話、一般視聴者から見ればサムネ一覧で流し見してると
ロゴなんてまともにしっかり見てません、もし細部まで見たとしてもどれもすごそうで終わってしまうんです。本編でロゴを使う場合や作品性のためにロゴをこだわりたいというのもあると思いますしロゴを作ること自体は無駄ではないと思いますがロゴのクオリティで劇的に視聴者に手に取ってもらえるようにすることなんて不可能だと思ってます。これだけだと納得できない作者も多いと思うので理由をもっと具体的に説明します。

この本自体はブランドについての本なのですがブランドロゴの識別について説明されている部分を発展させて動画のサムネノウハウに応用しました。PDFファイルで公開されているINTRODUCTIONから画像を引用します。

デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール(2018)
INTRODUCTION どんな会社でもブランド戦略が必要な理由 CHAPTER 1 No.05 ブランドは色と形で識別される より引用

上の引用画像の通り、ロゴの文字がなんて書いてあるのかってしっかり読まれないんですよね・・・まあつまりロゴで何の動画なのか誰にでもわかりやすく説明するのはほぼ無理です。
このためサムネではぱっと見でも何の動画なのかわかりやすい人物やキャラの顔が大事になってきます。 よくありがちなYoutuberの安っぽい文字中心のサムネだってなんだかんだYoutuberの顔とかも一緒に載せてるわけですし。
サムネではロゴを大きく出すよりも端っこに小っちゃく置いてロゴも作ったよとアピールできればそれで十分です。ロゴまで作っててすげえと思ってもらえればそれで良いんです。ロゴよりみせるべきはキャラの顔です。キャラありきのロゴなんです。

③視聴者がかぶる競合動画より一歩先のことをする、光る石になれ!!

説明すべきか迷いましたがザ・マーケティングみたいな話をします。

まずそもそもとして、
同じような動画というのは視聴者の需要の範囲内の数ならば相互に再生数を増やしあいます。
(経営学部とか経済学部だと高密度多店舗出店だとかドミナント戦略とかの講義があるかもしれないんですけど多分内容がこれにあてはまるはずです、私はあまり詳しく知りません)
しかし、それ以上だと競合して視聴者の奪い合いの要素も働きます。

ではそんな中でどうすればいいのかという話です、画像は上に貼ったtwitterより引用

同じような動画が並んだ時にいかに競合相手に勝つかです。
常に周りより一歩先のことをすることが重要です。

重要なのは周りより"一歩だけ先"のことをすることです。
いきなり10歩ぐらい先のことをしても視聴者には理解できなかったり、
受け入れにくいものになるでしょう。
タイトルが「ああああああああvfrhふぉうい合作」ってなってても逆に敬遠してしまいますよね。

もう1つ重要なのがここです。
最終的には周りがあまりにもコッテコテだったり超技術至上主義になると
逆にシンプルな方が目立ちます。さらには新鮮でおもしろみが出るのでより評価されます。
(このマンネリ化してきたタイミングであえてめちゃくちゃふざけたり、極端にシンプルにさせることで注目を集めることができるのを私は崩しの原理と呼んでます)
動画技術面での例ならモーレスターやシュガクン、音割れポッターなど色々ありましたね、最近だとSUSURUとかですかね。

動画本編はもちろんながらサムネやタイトルであってもキャラや雰囲気による差別化など他にも様々な発想で色んなことができるはずです。伸びてるものを真似しつつ一歩だけ新しい要素を入れるってのを意識してみてください。
最後の方でこの辺を時代によるトレンドと組み合わせてもう一度詳しく解説します。

④広告枠と動画時間の場所

広告枠と動画時間の場所に重要なものをかぶせないようにしましょう。


・・・まあこんなの当たり前すぎてつまらないので発展させましょうか。

「キャラの顔右側配置有利理論」

視聴者は動画時間の長さもサムネイルでチェックするため視線が右側に寄りやすいはずです。 つまり右側でキャラの顔が分かりやすいように配置してやるととサムネ一覧で流し見してる視聴者の目につきやすい・・・はずです。
ニコニコのランキングや1列配置とかだと動画説明文とかはサムネの右側にあるというのもあってか右にキャラがある方が目の移動先にあるため視線がとどまりやすいというのもあります。

実際に再生数にそこまで影響あるかと言われると大きな影響はしないんじゃないのかと思っています。というか競合する動画のほとんどが右配置ならば右配置で得られる影響度より逆に左に置いた方が周りより一歩先のサムネになり、注目を集めるって影響度の方がでかいと思っています。

⑤情報量の整理化

キャラの顔を見やすくして分かりやすくするってのが重要というのは①で書きましたがキャラを置いて背景を単色のシンプルな構図にしろというわけではありません。クオリティが高く見えるようにする手段の1つとして情報量を多くするってのがあります。ですがぐちゃぐちゃにオブジェクトを詰め込むのではキャラが見にくくなるだけです。
そこで大きく見せたいもの(基本はキャラ)は大きく前面に出し、背景側に目立たないように色々詰め込んだりする。つまり配置するものに強弱をつけます。 やってることは音MADの音声のMIXと変わりません。一番重要なセリフを大きく聞こえやすくして刻みやシンセ音は小さく添えて詰め込みまくる。 これをサムネでもやるだけです。これをすれば見やすさを維持したまま情報量を増やしてクオリティを高くすることができます。 この大小つけて詰め込みまくるのを自分らは情報量の整理化と勝手に呼んでます。
言葉だけで理解するのは難しいと思うので自分が今年サムネ制作で指示出しと監修をしていたシャニマスの合作のサムネを参考に出します。

【合作】シャニマスMAD流星群

多数のキャラを使いたい時は同じ大きさで横並びにするのは良くないと思っていますのでZ軸を使う、つまり奥行きを使った配置にして目立たせたいキャラを大きく、他のキャラは小さくなるようにしています。(こうすることで一番目立つ大きく出してるキャラに視線誘導ができます。)
注意すべきは③で書いたデザイン変化の基本原則を活かして情報量を増やす行為をしてください、周りの他の動画がシンプルな中で1つだけピカソみたいなぐちゃぐちゃなサムネがあっても逆に敬遠されます。

以上5つが選択率が上がるサムネの構図やギミックです。まあ再生数を増やすというよりかは本来なら見てもらえていたであろう視聴者を落としてしまう事態を可能な限り避けるという感じの方がぴったり合ってると思います。
ここ5年ちょいくらいの音MAD合作の統計を取るなど調べた際に中にはキャラの顔がわかりやすいサムネかどうかでどれも200%くらい差がでてしまっていた素材ジャンルの合作もありました。もちろんサムネだけでなく時勢や他の要因も考慮しないといけないわけで明確に計算できるわけじゃないのですが少なくとも言えるのがキャラの顔を分かりやすくしないと本来なら見てもらえたであろう視聴者を落としてしまうってことです。ただ、このサムネノウハウが全く通用しなかった素材ジャンルもあったのでこのノウハウにもまだまだ穴があったり、私にもまだ見えていない要素があると思っています。
もっと掘り下げれば二次創作や音MADとしてのキャラ人気や月ノ美兎が動画で言っていた困ったらとにかく可愛い表情にさせてごまかすなど素材ごとに色々細かいテクニックはあるのですが今回は書きません。気になる人は暇なとき個別に聞きに来てください。

選択率を上げるのにサムネ並にもうひとつ重要なのがタイトルなんですが素材ジャンルや時代によって変化や差が激しくどうすればいいのか一概には言えません。これも合作とかで必要ならば私を呼んでください。統計取るなりしてサムネタイトルらへんは考えることはできると思います。

【もっと強くなりたい人向けに】

トレンド&表現の駆け引き 
~デザイン変化の基本原則の発展~

まず、音MAD作者たちはしょっちゅうクオリティクオリティと言ってますが人によって指してる意味の範囲が違うので困ってます。そもそも創作物ってのはメッセージ性(感動や感心、笑いなど人の感情を動かすもの)やストーリーなどの共感性を技術力や努力に乗せて誰にでもわかりやすく伝えるものだと思ってます。どんなに面白いネタでも相手にどういうネタなのか伝わらなかったら意味がないんですね。技術のことをクオリティと言われがちですが技術が高くても中身がなかったりネタが面白くないという動画ができてしまったという経験は誰しもが通る道だと思います。技術が高かったり引き出しが多ければ多いほど様々なおもしろさを表現できますがあくまで技術はおもしろくするための手段ということを忘れないで欲しいところです。
んで今回はマーケティングについて考えていた時に気づいた表現力の正体について説明したいと思います。

そもそも上の言葉にある通り、私が思うクオリティというのは
発想力×演出力×表現力×技術力なんですね、どれも欠けてはならないものです。図で説明した方が早いので以下図です。

たまに技術力と発想力の位置が逆転して作っている人がいますが器用な人だなぁと思います

んでまぁ今回は発想力や技術力については触れません、発想力や技術力方面は他の方々が記事に書いていたりしますよね。

んで表現力です、上の図ではどの時代にどのタイミングでどの技術をどう使うか、または組み合わせるかが表現力と書きました。
上の図では演出力を表現力と分けていますが2つを合わせて表現力とだとするのが一般的感覚だと思います。構成力とかまとめる力も分かりやすくする工夫なのでこのへんに内蔵されてるものだと思います。

③で説明したデザイン変化の基本原則というのはこの表現力のことだと私は思いました。表現力というのは視聴者に対して周りの競合動画との兼ね合いも考えながらどのタイミングでどのような技術を使うか、誰にでもわかるようにしつつもありきたりにせず、一歩だけ先のことをするという表現の駆け引きの上手さが重要だったんですね。表現力がある人というのは技術や表現の引き出しが広い人のことを指しがちですがそれだけではなく王道だったり極端にシンプルだったりする技術や表現も時代を考えたりここぞというタイミングでうまく使いこなすようなこともできる、駆け引きの上手さも大事だったってことです。

では一旦表現力についての話は置いておいてトレンドの話をします。
トレンドというとなんだか難しく感じるので流行りと考えてもらっても構いません。

まず自分が3年くらい前に調子乗ってた時期に書いたnoteで伸びる動画を作れる作者とそうでない作者の違いを島田紳助のXY理論を使って説明しました。めちゃくちゃ重要なのでこの記事でも載せておきます。

誰に見てもらいたいのか?それはどんな人たちなのか?そのためにどんな動画をつくるのか?
それが「X+Y」の公式です。ここでいうXとはつまり自分(の能力)であり、Yは時代の流れ、世の流れを指します。
その時代時代でどんな人が、どんな動画がウケていたのか。そしてそれがどのように移り変わっていったのか。あるいはずっと共通するものがあるのか。それを徹底的に調べ研究する。これがこの公式で言うところの「Y」です。
そして次に「X」。これは自分の能力。つまり自分には何ができるのか、どんな動画を生み出せるのかということ。自分は何が得意で何が武器なのか理解しておくのです。
成功するのは、この「X」と「Y」が噛み合ったときです。
「伸びない作者」はこの「X」と「Y」を理解していなかったりどのへんに「X」や「Y」があるのか見えていない人。「伸びる作者」はこれがわかっており、「Y(=時代の流れ)」に「X(=自分)」を合わせて常に変化に対応しているのです。
運が良く適当にやっていてもたまたまXとYが噛み合い伸びることもあります。しかし、このXとYが分かっていない作者は他のヒット作を出すことがなかなかできない。
芸能界で一発屋芸人が生まれてしまうのはこれが原因だそうです。

紳竜の研究より改変

他と被らないようにしよう!という③のデザイン変化の基本原則と今伸びてるものを真似しよう!という島田紳助のXY理論の両方を満たせる動画を作ることこそが伸びる動画になりやすくなるというわけですが、一見相反しそうなこの2つをどのようにすれば満たせるのかというのをわかりやすくゲーム感覚で図解します。

まずはこれがルールです
❶トレンドの中心の方がポイントが高くなる(島田紳助のXY理論)
❷たくさんの人と近すぎたり重なっているほどポイントが低くなる
(デザイン変化の基本原則)
❸トレンドYは時代と共に色んな方向に動いている
❹トレンドYは1つしかないわけではなく、複雑に重なり合ったりしている

このルールの中で高得点を取れる動画こそが伸びる動画であります。

❶トレンドの中心の方がポイントが高くなる(島田紳助のXY理論)
❷たくさんの人と近すぎるほどポイントが低くなる(デザイン変化の基本原則)

一番ポイントが高くなるために動くとトレンドの範囲内の中で周りより一歩だけ先の場所に行くことが最もポイントを稼げる正解の場所となります。
10歩とか先の場所に行くとトレンドの外に行ってしまうので1歩だけというのが重要です。

❸トレンドYは時代と共に色んな方向に動いている

トレンドYは時代と共に変化し続け、急に方向が変わったり、消えたり、大きくなったり小さくなったりします。それらに置いていかれずにすぐに気づいて対応しなくてはなりません。毎年のように伸びてる動画を作っている作者はYの変化をいち早く見抜き、軌道修正がものすごく上手い作者です。

❹トレンドYは1つしかないわけではなく、色んなトレンドが存在し
複雑に重なり合ったりしている

影響度が誰にでも分かりやすいゆえに素材や曲の流行りのトレンドばかり言われますが技術のトレンドもいっぱいあれば作風やネタのトレンドもいっぱいあります。なんなら作者の勢いみたいなトレンドだってあるでしょう。他の人には見えていないトレンドYを見つけるのも面白いと思います。

これで高得点を目指しましょうというのがトレンド&表現の駆け引きです。長々と説明しましたがサムネの顔分かりやすくしろとかのノウハウは私が分析した今現時点での音MAD合作のトレンドYだということです。

【最後に】

島田紳助のXY理論のYが現在の環境ではこうなっているのでこうしろってのを具体的に説明したのが今回の記事です。つまりこれらが変わってしまう時代の節目が来た時、この記事にある内容は通用しなくなりはじめます。それと、私のこの記事のサムネ構図をそのままやるだけではなく、やはり一歩だけ先の要素を混ぜ込む、一捻り加えるというのを大事にしてほしいです。中でも新しいことに挑戦するということはとても大事です。ここで他の作品とは違う要素もうまく混ぜ込めればそれがその作品や作者の個性にも自己表現にもなりえます。みなさんの発想力や創造性を活かしてほしいです。
私が最後に言いたいのは有名な人とかがこれこれこう言ってたからと何も考えずにずっと同じやり方を続けるのではなく、刻一刻と変化する時代に対応できるように、自分の頭で考えてやり方を修正していくことが一番大事だということです。

謝辞

実はこのサムネノウハウや音MAD合作のマーケティングノウハウを初めて教えて実際にやってもらえたのがこの音MADAdvent Calendarの主催であるkaikityouさんなんですね。まだ前例結果も自分の主催した合作くらいしかなく根拠が乏しい段階でしかなかったこれらのノウハウの可能性に賭けてやってもらえたことに感謝しております。その後も色んな合作主催の方々も好意的に聞いてもらいそのままやってもらえ、どれも目に見えて結果を出した故に再現性があると自信を持って公開できたものであります。
煮詰めて公開するまで3年かかりましたが様々な方々の協力をこの場にてお礼申し上げます。




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