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「あのときキスしておけば(EPISODE3)」感動の親子再会の後に、田中マサオの正体

3回目で、最後はお母さんに自分だとわかってもらえる、蟹釜ジョー。このシーン、松坂桃李演じるももちが、蟹釜先生に対する話をする長台詞がなかなか泣かせた。松坂の愛情詰まった感じの話し方につられて、自然に麻生久美子の姿が重なってきて、母親に何が言いたいのかが伝わるという流れ。こういうシーンを見ると、さすが大石静脚本という感じはしますね。その感動的なシーンから、松坂、井浦のイチャイチャシーンに繋がり、井浦演じる、田中マサオの身体の正体が、フラダンスの先生のMEGUMIの夫だったということがわかる。ここのMEGUMIの雰囲気は、「浦安鉄筋家族」と同じように鋭かった。そう、最後にこのドラマは複雑なラブコメなのだと理解する。

今回は、初め、編集者の三浦翔平が、麻生久美子の元夫だったということも、明確に開示される。三浦が、ももちを追い込んで、「蟹釜ジョーは生きている」という結論に陥ったことで、話が持つれる感じ嫌いではない。三浦が一人でどう勘違いしていくのだろうか?というところなのだろう。

あと、松坂と井浦の混浴?シーンを長々と流すのは、大石静が、ボーイズらラブらしいシーンを書きたいがためなのだろうか?まあ、面白いのだが、もう一つひねりが足りない気もする。蟹釜先生が、自分の身体に違和感を持っていないのが不自然だからだろうか?(この辺りは「天国と地獄」はうまく描いてるなと思ったしね)

まあ、松坂と井浦は、なんとか仲良く暮らす感じにはなってきたが、井浦の身体の正体である、田中マサルが、松坂の上司である六角慎司と仲良しであったり、麻生のフラダンスの先生が妻であったりして、この存在が「なんなんだ?」という疑問に話は移っていく。そして、この辺のトラブルを松坂がどう受けるのか?というところですよね。

話の流れとして、次々に投げかけられる異次元的なものが引力を感じたように、ひっついていって、収束点が見えてこない脚本は、なかなかうまいと思う。まあ、楽しみながら、次回を観たくなるドラマ作りに惹かれるのと、松坂桃李のポンコツキャラが私的には面白くて見ている感じである。

しかし、身体が井浦新になった蟹釜ジョーが、たまに麻生久美子に錯覚されるシーンは、なかなかセクシーであり、ほっとする。こういうのを見せられる中で、井浦がだんだん女性に見えてくるような雰囲気にも変わっていくのが不思議ではある。パステル系の色のパーカーを着てるので、井浦新の男っぽさが演技とともに、柔らかく見えてくるのでしょうな。

視聴者も多くの混乱を感じるドラマなのが楽しいのだ。私的には、三浦翔平の勘違いの流れがどう展開されるかに最も興味がある感じである。

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