見出し画像

「オールドルーキー(第10話)」アスリートマネージメントという職業を世の中に知らしめたドラマではあったのでしょうね

ラストの綾野剛の表情だけでドラマは十分に盛り上がり、描きたかったものが視聴者にそれなりに伝わったドラマにはなったのでしょうね。テレビドラマって、サッカーの試合と同じで、最初から最後までどれだけとことん責められるかということなのだと思うのですよ。そして、結果が明らかになる感じ。そういう意味では、このドラマ、脚本家が描きたかったテーマはちゃんと伝わった感じにはなってましたね。

とはいえ、10回観て、こう文章に感想を書いてきましたが、ネットでも言われてましたが、結構細かいところが乱暴というか、細かく書き込まれてないところがあり、「こんな簡単じゃないだろう」「これでアスリートはいいのか」と思うところは多々あったと思います。でも、今まであまり書かれることのなかった、こういうエージェントの仕事を描いたことは、とても良かったと思います。そう、時代は、いろんなビジネスを生み出し、スポーツはある意味、時代の最先端をいくビジネスでもあるのだと思うのですよね。

大谷翔平の活躍を見てると、ニュースの中にいつの間にかベーブルースの名前が出てくる。それは、古い記録を掘り起こすことで、新しいビジネスが生まれるという世界です。イチローの時も似たようなことがありましたよね。これからは、そういうことが増えるのではないでしょうか?スポーツビジネスが他のビジネスのヒントになるのです。そういう意味でもスポーツマネージメントというのは、今後、日本でも大きなビジネスの一つとして広がりを見せていくことでしょう。そうなると、オリンピックなどは、ビジネスの場でしか無くなってしまうわけで、ある意味、本来のオリンピック自体の役目はもう終わったという感じもしますよね。

そんなことを考えながら、最終回を楽しみました。綾野剛がクビになり、自転車で宅配をやってる綾野の軽やかな姿が印象的でした。自分の生き方を信じられる人は、どんな苦難があってもこうなるというようなことはうまく描かれていたと思います。それを見て、芳根京子と中川大志も会社を辞めるという筋書きはかなり危うい感じはしましたが、綾野一人で神尾楓珠の移籍のオファーは無理だということでしょうね。ここに持っていくために、綾野が他の人々に影響を与えるようにストーリーを作り込んだということでしょう。

そして、綾野のひたむきな努力が、横浜流星を動かして、ドイツから重人を呼ぶことに成功する。その彼が、反町隆史と懇意だったというのは偶然だろうが、現実の縁というのも、そんなものだと、最近、つくづく思ったりもします。この辺りは、若い方にはわからないかもしれませんが、ドラマで起こることは、現実でも起こるのですよ。だから、ドラマや映画や小説や、いっぱい見たり、読んだりした方がいいです。それが人生を切り拓きます。

そして、試合に空回りする神尾に、遠くから声を送る綾野。ここから、ラストまでの流れの中で、綾野剛の表情も含め、サッカーシーンも、なかなかうまく描けていました。スポーツを題材にした上で、テレビドラマでこれだけ描ければ合格点でしょう。

ラストの綾野と反町の和解シーンは、出来過ぎであるますが、まあ、視聴者には心地良い日曜の夜になったのではないか?そして、綾野剛は、また一つ演技の幅を広げたと私は思います。この役が彼であって良かったと思います。始まる前は、外野がいろいろうるさかったようですが、次を楽しみにしております。

この記事が参加している募集

テレビドラマ感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?