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「石子と羽男〜そんなコトで訴えます?〜(第10話)」町弁がその気になれば世の中変えられるのか?

最後は、有村架純がさだまさしの機転で司法試験を受けられることになり、中村倫也に促されながら、司法試験会場に入るところで終わる。ある意味、これは続編もありの流れには見えるが、なかなか視聴率的判断では難しいでしょうな。でも、中村と有村のコンビはちょうど息もあって来たところで勿体無い気がする。最後のカツ丼食うところでは、有村が中村の発言を恋心と勘違いしてるしね…。しかし、そうなると赤楚衛二はなんだったのか?

ともかくも、先週の事件の続き。まあ、こういう詐欺をやる輩の巧妙なやり口がだんだんわかってくる感じは面白かった。そして、こういう輩が、いつも暴力まがいのことをやるのはドラマの定番なのだが、今もこういうの本当にあるのでしょうか?無いなら、この業界から文句きそうなのですが、そういう話は聞いたことないですよね。一般的に、不動産土建屋関係は金が大きく動くわけで、どうしても反社的人物が関係してるという流れは、やくざ映画全盛期から変わらないのでしょうか?こういうのが変わらないと、日本の経済って変わらないですよね。東京オリンピック問題で土建屋さんは捕まってないけど、色々ありそうに感じるのは私だけではないでしょう。

そして、今回は法廷シーンも多く、最初の中村の慣れない法廷の態度をイッセー尾形が苦虫を潰したような顔で見ているのは面白かった。この親子のうまくいってないところ、もっと多く見たかった気がする。そう、この二人の掛け合いはとても興味ある。

結果的には、法廷はうまく裁かれ、詐欺による賠償はなされるわけだが、ここに至るために、放火犯を追求するシーンはすごく危うい。こういうドラマによくある流れだが、検察官が言っていない情報を犯人が言ってしまうというやつ。実際、こういう手口を試して、犯人が嵌められるというのはどのくらいあるのだろうか?実際の社会ではなかなか難しい気はする。そして、こういうドラマの構築は新しさがなく面白くない。そう、このドラマ、前から言っているように話が地味な上に、あまり新しい要素がないのが残念なわけだが、最終回でもそういう面が見えた。

でも、最後まで逃げ切った田中哲司を捕まえるために、彼のタバコあポイ捨てを追って別件で逮捕させ、彼の印象自体を悪くするという作戦は面白かった。一昔前なら、こんなの犯人にとって屁でもないわけだが、インターネットで悪口がいっぱい飛んでくる世の中、メンツを潰してあげるには十分ですね。

今日も、町弁の皆さんは、こういう庶民の地味な事件に対し力になっているのでしょうということはよく分かりましたが、ドラマとしては今ひとつという感じでした。この閉塞感で充満した世の中で、私たちがドラマに求めるものは、こういう私たち自身の周辺ではない気がするんですよね。

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