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感情に蓋をすることで、現実を避けるバイアスがかかる。犯罪は感情そのもの「MIU404(第8話)」

今回は、綾野剛演じる伊吹の過去と本質に迫ってくる。伊吹というキャラクターそのものを明確にすることが、最終章に重要なことなのだろうと思う。

ドラマの中盤で星野源がいうように、ここでの綾野剛は「いいやつ」である。あくまでも、感情で動き、悪を許さない。その単純明快な部分がいつ構築されたのかというのが、今回のドラマの種明かし。まあ、それが、グレて、今回の主人公になる刑事(小日向文世)に助けられたということがきっかけというのは、昔の青春ドラマ風でひねりがないが、このキャラクターはひねりがないことで成立しているのだと思う。刑事ドラマに馬鹿みたいな正義漢は確かに必要だ。相棒としては、それはわかりやすい

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その相棒を観察する星野の眼も冷静である。綾野の情報収集能力、感情が先に立つ性格、だからこそ、何かやばいことを感じると、その感情に蓋をするという面倒臭さ、星野は綾野を論理的に解析する。綾野にとっては、それが面倒くさくもあり、嬉しくもある。そう、8回目にして、2人はかなり近づいている。

途中、またもや「アンナチュラル」のUDIラボとのコラボで松重豊さん登場!松重さんは星野さんと仲がいいと聴く。そういう意味で、とても雰囲気の良いシーンだった。まあ、脚本家もいろいろ書いていくと、こういう遊びができていいですね。

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話は、隠れキリシタンの話まで出して、妻の復讐をした小日向さん演じるガマさんの犯罪について解き明かしていく。ここで、綾野一人で対峙して、ケリをつけさす方法。刑事ドラマにはよくある方法だが、綾野さんと小日向さんのそれは、なかなか濃い感じに仕上がっていた。人は殺してはいけないのだが、絶対に殺したい人間って持っている人は多いですよね。感情のコントロールが犯罪につながるということです。でも、小日向さん、最近はなくてはならない俳優さんになってきましたね。今回の犯罪者役は秀逸!

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このコロナ禍で、人の心がみんなアンバランスになりがちな時、過去の怒りの感情が猛烈に爆発するということもあるでしょう。そういう時にそれをどのように処理できるかが重要。警察も今はそんな感情の事件を取り扱うことが多いのではないでしょうか?

冒頭は、盗聴器の仕組まれた麻生久美子の部屋から始まり、黒川智花が追われている状況がだんだん炙り出されてくる。ドラッグの売人になった高校生も黒川を思い出す。少しづつ、最終章に向かってのネタが出される中で、次週の予告は、結構な量、菅田将暉が出てきている。ナウチューバーRECも巻き込みながら、さらなる展開へ!

今回は、少し昔の刑事ドラマ風だったが、綾野の存在を強調するには、それも必要だったのかと思う。とにかく、ラストに向かってこれから展開が早くなりそうな予感。楽しみだ。

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