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「日本沈没〜希望のひと〜(第8話)」政治ドラマとして見せたかったのだろうが、それでも不満が多いよね。

次週が最終回。その前に日本が沈みだしてもいいような気もするが、何も起きない。CGも使って、災害シーンを見せたのは一回きり。私は、徐々に災害が襲ってきて、庶民の生活がどんどんアンバランスになるところが見たかったのだが、そういうものを描く気は最初からなかったようだ。そう、もっと勝手な欲望の中で人間が勝手に動き、野蛮になる感じが見たかったりする。ありえないエロいシーンも見たい。死に際の欲望は必ずバイオレンスになるはずだ。そう、お店の閉店みたいな看板が映し出されるが、そんなもの、書いて貼る気にもならないのが、明日にも土地が沈む」と言うことだと思ったりする。

あくまでも、このドラマは国際政治ドラマみたいなものを見せたかったらしい。それにしたら、日本の対外国交渉だけではなく、中国内での、この問題の討論シーンなども欲しかった。日本を馬鹿にするような発言まで入れるべきだと私は思う。他の国の姿勢もどうして、日本を迎えることになったのか?が見えてこない。ラストで、杏が作ったという、海外からの日本への応援動画が偽善に見えてしまうのは悲しいのだ。

これは、多分だが、ここまで見て感じるのは、作り手は、今の政府でこの問題が起きたらどうするのか?というドラマを作ろうとしたのではないか?それがあってのキャスティング。官僚のキャストも弱すぎるのは、リアルに近づけたからということなのかもしれない。多分、本当にその周辺を取材してみれば、これがシナリオだということなのではないか?まあ、私もそんな気がするから、そのこと自体は正しいのかもしれない。だいたい、今存在するメンタル的に強い政治家は、ただの「嘘つき」である。それであれば、こんな話国民に流すはずもないですよね。その方向性はリアルだったしね。

とにかく、今回は前回、日本沈没がアメリカからバレて、もっと庶民が乱れるような絵も出てくるのかと思ったが、それは、酒場の中の喧嘩と、無益なデモシーンだけ。それも取ってつけたようなシーン。だから、海外に移住したい国民が40%数字が一番ドラマチックだったし、「私は残る」と言う、上の写真の風吹ジュンのセリフに一番説得力があったりするわけである。

まあ、ドラマ自体が政治家が騒いでいるだけの空疎な中で、何故に国民が移し出されないか?それは、今の政治家の本音がここに見られると言ってもいいだろう。石橋蓮司が昔の友情のよしみで前主席に面会を許され移民計画は進むのだが、これも、石橋は自分の手柄として感じているようにしか見えない。そう、政治家は国民がどうなろうと、自分の爪痕が格好良く残り、歴史に残れば満足なのだ。だから、安倍晋三は「アベノマスク」の問題を皆が騒いだって、知らぬ存ぜぬである。国民は、安倍晋三の住まいがマスクで溢れる姿を期待するのだが、その絵が成立することはない。そんなことを考えていたら、「日本沈没」と言いながら、沈没しそうにないドラマにも納得できるのかもしれない。

とにかく、あと2時間分のドラマが残っているらしいが、なぜに、そこで総理をテロに襲わせるのか?沈没のCGをなるべく使いたくない費用面からとしか思えない。そして、次回予告は涙いっぱいみたいだが、視聴者は泣けるのか?お手並み拝見である。しかし、こんなドラマを作らせるような現在に生きているそのリアルを私は恨む。

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